夏休みのスマホ課金トラブルに気を付けよう
もうすぐ夏休みです。最近は、防犯上の意味もあり、小学生にスマートフォン(以下、スマホ)を持たせている家庭が増えました。「平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)では小学生(10歳以上)のスマホ所有率は20%を超えています。大人の目が行きとどかなくなりがちな夏休みに子どものスマホの利用代金が高額な請求になった……という話をよく聞きます。
具体的には、どのようなことに気を付けなければいけないのでしょうか。
子ども用スマホでも落とし穴
各携帯電話会社からいわゆる「子ども用のスマホ」として販売されているスマホは、1か月間に利用できるデータ通信量が制限されていたり、家族間の通話は無料だったりするので、高額な請求にはならないと思いがちです。
夏休みになると、スマホで動画を観たりオンラインゲームをしたりする時間が増えて、1か月に使えるデータ通信量を2~3日で使い切ってしまうかもしれません。通信速度が遅くなり、制限を超えると追加料金が必要になる場合があります。
また、普段は、お友達同士は無料アプリでやりとりしているのに、夏休みに塾やイベントなどで新しく知り合ったお友達と頻繁に電話をして通話料金が高額になった……というケースがあります。通信料金は定額制にしていても、通話料金はどんな場合でも無料とは限りません。特に異なる携帯電話会社間の通話は、通話料が高額になることが多く、1か月で数万円の請求になることもあるのです。
家族旅行や研修旅行で海外へ出かけて落とし穴
家族旅行や、学校の海外研修にスマホを持参して、高額な請求になったという話もよく聞きます。海外にスマホを持って行くだけで利用しないつもりだったとしても、電源が入っていれば自動的にアプリを更新して通信料がかかる場合があります。渡航先の国によって、通信量の定額制サービスが使えない場合もあり、注意が必要です。
通話料についても、かかってきた電話に出た場合でも着信料がかかったり、渡航先の通信事業者によっては、呼び出し音のみで電話を切っても通話・通信料がかかったりすることがあります。
海外に出かける前には、子ども用のスマホでも通信事業者のショップに行って、渡航先の国名を伝えて、高額な請求にならないようにきちんと手続きをしましょう。
使っていないスマホの落とし穴
機種を変更して、通信契約を解約して家に置いたままにしていたスマホでも、家庭内のWi-Fi環境があれば、インターネットに繋げることが可能です。
以前親が使っていたスマホで無料のオンラインゲームで遊んでいるだけだと思っていたら、クレジットカード番号を登録したままになっていてアイテムを購入し放題になり、数十万円の高額請求になったというケースもあります。
保護者が契約について認識することが大切
先の調査結果では、小学生の子どもに「子ども用スマホ」を利用させているのは1%程度にとどまっている一方、通信契約の切れたスマホを小学生の子どもに使わせている割合は6%に上っています。
9月の携帯電話料金の請求を見て血の気が引くことのないように、夏休みの前に子どもが使っているスマホの契約内容を再確認し、子どもともスマホの使い方についてしっかり話し合っておくようにしましょう。
- ※「平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)
- http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_list.html
(筆者:宮里惠子)