【世界の中学生〜インドネシア(8)〜】子どもの教育費は惜しまない
世界の中学生をリサーチし、お届けする今回は、インドネシア在住のプットゥリさんのお宅にお邪魔しました。
しつけと規律を習うカリキュラムが存在
日本とインドネシアの、教育方針の違いを見ていきましょう。
インドネシアの学校教育は、6、3、3、4年制で日本と同じですが、ここ最近の5年間に、私立のインターナショナルスクール、あるいはセミインターナショナルスクールが急増しています。こういった学校は富裕層向けであり、ほとんどの子女が海外留学を目指すため、欧米方式を取り入れていることが多いようです。公立の学校では、入学時の年齢は日本と同様に「6歳=小学1年生」ですが、インターナショナルスクールの場合、優秀な生徒は6歳に達しなくても入学することができるのだとか。また、公立の学校では「プラムカ」と呼ばれるボーイスカウトのようなカリキュラムがあり、しつけや規律を習います。公立の学校に通っている子女は、プラムカに参加するのが一般的。私立でもプラムカは実施されていますが、参加する生徒は少ないそうです。その理由は、公立の学校よりも授業内容が充実していて、プラムカに参加するよりも授業を受けることが一般的だからだとか。
インドネシアの親は日本の親と同様に、あるいはそれ以上に、子どもの学歴にこだわっているようです。勉強スタイルは詰め込み方式で、習い事や塾、レベルの高い学校への進学など、教育にかける費用は惜しみません。
インドネシアは日本以上に学歴社会のため、学歴で将来の職業が決まってしまいますし、職業による給与の差は10倍以上にもなります。例として2014年度の基本給は、地方の場合、月額約120万ルピア(約1万2千円)。2015年度の首都ジャカルタの基本給は、月額約270万ルピア(約2万7千円)となっています。学歴のないメイドの給与は、未経験で月額約100万ルピア(約1万円)、ドライバーで月額約300万ルピア(約3万円)以上。しかしマネージャークラスなら月額約1,200万ルピア(約12万円)以上となるため、子どもの教育費のために必死で働いている親が多いのです。これに伴い、英語や中国語、韓国語、日本語などの教育にも力を入れています。この6?7年間で、新設の私立学校や塾も、雨後のたけのこのように増えています。