「学力不問」は大きな誤解 今後の大学入試の行方を専門家が解説
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大学入学者選抜と高校教育、大学教育を一体とした「高大接続改革」の論議の動向については、文部科学省「高大接続システム改革会議」の中間まとめが出る見通しになっている。そこで、ベネッセ教育情報サイトでは、この問題について、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に伺った。
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東京大学の「推薦入試」と京都大学の「特色入試」(いずれも来春の2016<平成28>年度入試から実施)は、このほど募集要項が発表されました。東大の推薦入試では、大学入試センター試験で各学部が指定する教科・科目をすべて受験することはもとより、「概ね8割以上の得点」という高い目安を明記しています。「基礎学力」は最低条件であり、そのうえで、各高校の校長が男女各1人だけ自信を持って推薦できるような「特定の分野や活動に関する卓越した能力、もしくは極めて強い関心や学ぶ意欲を持つ志願者」を求めているのです。京大の特色入試でも、多くの学部では「学力型AO」などと銘打ち、センター試験を課しています。センター試験を課さない医学部医学科でも、評定平均値4.7以上、TOEFL-iBTスコア83点以上(英検準1級=大学中級程度に相当)といった高いハードルがあります。
「大学入試改革」の論議では当初、「学力不問入試」になっているのではないかという指摘がありました。しかし、どんな大学でも入学生の学力レベルがわからなければ、入学後の教育も本来しようがないはずです。今般の高大接続改革で、高校在学中に受ける「高等学校基礎学力テスト」と、センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」(いずれも仮称)の2つの新テストを創設することにしたのも、学力把握のツールとする意味合いがあります。高大接続改革をめぐっては、早くも高校生の間に「これからの入試に、知識は要らない」といった誤解が広がっていると指摘する予備校関係者もいます。決してそうではないということを、正しく理解しておかなければなりません。
出典:多面的入試は「学力不問」じゃない! 東大・京大を例に -ベネッセ教育情報サイト
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