中学入試の難問に深追いは厳禁。「勇気ある撤退が好ましい結果を生む」と専門家
時間との闘いでもある入試。なかでも難問に当たった時に、途中で切り上げるか否かの判断は難しいもの。そこで「過去問演習で、時間配分が上手くいかないようだ」と悩む小学生の保護者の相談に、平山入試研究所の小泉浩明氏がアドバイスをする。
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【質問】
過去問演習では、時間配分(問題の取捨選択)がうまくいかないことが多いようです。問題の読み間違いや計算ミスなどによる惜しい減点も、ちょこちょこあります。(小6女子の母)
【小泉氏からのアドバイス】
「時間配分がうまくいかない」という思いは、「解ける問題をやり残した」とか「難しくて解けない問題を深追いした」時に感じることが多いと思います。後者の「難しくて解けない問題を深追いした」について対策を考えていきましょう。
強気タイプの子どもは特に、なんとか解いてやろうとして難問を深追いしがちです。「これだけ時間をかけたのだから」とさらに深追いしてしまうものですが、ここで大切なことは、自分をコントロールする術(すべ)を持つことです。
難しい問題を深追いするかどうかは、道に迷った時の決断に例えられます。「先に進むか?」、あるいは「もと来た道を戻るか?」という決断です。せっかくここまで来たのだから、先に進みたくなるのが人情ですが、多くの場合は勇気を持って≪撤退≫するほうが好ましい結果を生むようです。試験の時も同じで、一度手を付けた問題でも、ある程度考えて答えが出ないようでしたら、その問題を後回しにする勇気を持つべきでしょう。