入試相談の前とあと 第2回 入試相談の結果を受けたら[高校合格言コラム]

入試相談の結果を受けたら

 

 前回は、私立高校の推薦基準等についてお伝えしました。今回は、推薦入試に出願可能になった場合の注意点などについてお話しします。



●推薦入試への出願がOKになったら
 中学校の先生と私立高校との入試相談の結果(実際には書類の郵送で済ませることも多いようです)、推薦入試の出願が認められたらひと安心です。中堅以下の高校の場合は、これで調査書(内申)の成績はOKなわけですから、あとは面接と作文(小論文)です。
 めったにありませんが、面接で落とされるケースもままあります。私が耳にしたところでは、次のような受験生がいたそうです。



・「我が校は髪形、服装には厳しいですが、入学したら守れそうかな?」と質問したのに対し、「この学校は個性を大切にしていると聞いたので受けました。個人個人の自由は認められていないのですか?」と答えた
・面接のあいだ中、下を向いていて、返事も「ハァ」とか「えっ、そう」とかしか言わない受験生。学校側としては、コミュニケーション面で問題がある、これでは友人と学校生活が営めないと判断した
・「我が校を志望した理由は何ですか?」という質問に対し、「近いから」とだけ答えた受験生。この学校に入りたいという熱意がまったく感じられなかった



 保護者のかたからすると、なぜわざわざこんなことを言うのか、こんな態度をとるのかと思うようなものばかりですが、15歳くらいの男子だと、いきがってこんな態度に出ることもあるようです。ですから、今のうちからごく自然に受験校のことを話題にし、話し方、声量、態度などに気になるような点があったら直しておくといいでしょう。

 作文のテーマは、「中学校生活のこと」「高校生活への抱負」など、ごく一般的なものが多いので、こうしたテーマについては今のうちに400字、600字、800字くらいのパターンそれぞれで書く練習をしておくことをおすすめします。可能だったら、中学校の先生、塾の先生に見てもらい、完成形を前もって用意しておくのです。もちろんこれ以外のテーマが出ることもあるわけですが、それぞれの字数でまとまりのある文章にする練習をしておけば本番にも極めて有効です。

 また、直前の学校説明会、入試問題研究会(入試問題解説会等、名称はいろいろ)ではこれまでの出題テーマを公表する学校もあるので、時間がとれるようなら、極力参加しておくことをおすすめします。

●私立高校側の回答をまちがって受け取らないこと
 中学校がタッチせず、保護者が直接私立高校と「個別相談」する都道府県もあります。そうした都道府県では、保護者自身が通知表のコピー、複数回の模擬試験の結果、英検・数検・漢検等の級、部活動の成績(新聞記事のコピー)等、証明できるものを持って相談に臨みます。
 が、こうした相談の場で、私立高校の先生が「確約(合格の約束)」を出してはいけないことになっています。ですから、「〇〇日に受けてください」「試験当日お待ちしています」……といった言い方で、ニュアンスを伝えてくれます。

 逆に、「ちょっと厳しいですね」「他校を考えられてはどうですか」……といったことを言われたら、合格は難しいということです。高校側の先生の回答のニュアンスには十分注意してください。

 次回は、推薦入試で合格のめどが立った場合についてお話しします。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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