入試相談の前とあと 第4回 早め早めに手を打つ[高校合格言コラム]

早め早めに手を打つ

 前回は、推薦入試で合格のめどが立った場合についてお伝えしました。今回は、この冬休みにしておきたいことについてお話しします。

●「受験ノート」を1冊用意する
 都道府県によって入試時期は違いますが、年が明けるとやらなければならないことが山のように出てきます。年内にやれることはできるだけ年内に済ませておきたいものです。保護者のかたの事務的ミスやし忘れで、失敗することは絶対避けなければなりません。ここからは慎重に、着実に物事を進めることが肝心です。

 ミスをしないためにも、これから入学手続きの日まで常に持ち歩く受験ノートを1冊用意してください。今後は受験に関することはすべてこのノートに記入するようにします。ノートの前半には日にちごとにしなければならないことを、ノートの後半には受験予定校別に必要なことを書き込んでいきます。

 保護者のかたがしなければならないこととして、まずお金のことがあります。受験料・入学手続き金はそれぞれいくらか、いつまでに振り込む必要があるのか、振り込む銀行・支店はどこか、こうしたこともノートの前半部分に記入しておきます。締切日のページに記載するのでなく、2、3日前のページに記載するようにします。

 このノートは、毎朝必ず目を通すクセを付けておくと、一番怖い「し忘れ」を防ぐことができます。


●机まわりを整理整頓
 世間はクリスマス・大晦日・正月と、カレンダー的にも慌ただしい時期です。この時期はお子さまを伴う外出は控え、街中や周りの落ち着かない雰囲気にお子さまが影響されないようにしましょう。
 「我が家にとっては、今年はこうしたイベント類とは一切無縁」と保護者のかたも、お子さまともども覚悟してください。保護者のかたの親戚や、会社関係の人の来訪を避けるためにも、事前に受験生がいることを話し、断っておくといいでしょう。「クリスマスくらいは」「お正月くらいは」という油断が、意外に緊張感・集中力をそぐもので、なかなかもとに戻りません。

 今年は大掃除、おせち作りなども免除してもらって、簡単に済ませていいのではないでしょうか。その分、お子さまに声をかけて机まわりの整理をしてください。これからは時間が貴重になりますから、勉強する時に必要なものをすぐ取り出せるように、今のうちに整理整頓しておくのです。これまで受けた模試の答案、塾でやったプリント類などを教科ごとに分類してファイルするようアドバイスしてください。ここへきて新しいものに手を出すより、一度やったものを復習するほうが、ずっと身に付くからです。


●予防接種、写真撮影、調査書依頼などは早めに
 インフルエンザにかかって受験できなかったという受験生が毎年います。保健室での受験というものもありますが、それはあくまで感染しない病気やけがなどが前提なので、感染する病気の場合は登校自体を遠慮するのが普通です。

 我が子がそんな事態に陥らないよう、インフルエンザの予防接種は早めに済ませておきましょう。お金がかかりますが、本人だけでなく、家族全員が受けておくと安全です。

 受験票に貼る写真のサイズは学校によって違ったりしますので、それぞれの寸法と枚数を書き出します。デジタルカメラやスピード写真ではなく、街の写真屋さんで撮ってもらうと、それなりにりりしく、またかわいらしく撮ったり、修正したりしてくれます。データももらえる場合が多いので、万が一の場合に備えて、すぐ取り出せるところに保管しておきましょう。

 調査書は、一括して冬休み前に担任の先生に依頼するようにします。直前で手を煩わせることのないよう、先生の時間の融通が利く冬休み前にお願いするのが鉄則です。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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