一度は行ってみたい世界の美術館 アメリカ・イギリス編

世界には、それぞれの国が誇る立派な美術館がたくさんあります。どれも貴重な芸術作品を展示していて、一度行ってみる価値のある場所ばかり。芸術を愛する人々によって設立され、時を経て大切にされている世界の美術館。今回は英語圏のアメリカとイギリスの美術館を見てみましょう。


メトロポリタン美術館

 世界でもっとも大規模な美術館のひとつがここ、メトロポリタン美術館です。現在はニューヨークのセントラルパークに隣接する場所にありますが、もとはニューヨーク五番街54丁目に設置されていました。メトロポリタン美術館のはじまりは、パリに住んでいたアメリカ人の呼びかけがきっかけでした。1866年7月4日、フランスのブローニュの森のレストランで、アメリカ人たちがアメリカ独立90周年を祝っていました。そこで政界の有力者であるジョン・ジェイが「ルーブル美術館に匹敵する美術研究所と美術館をつくろう」と呼びかけたことが、この一大プロジェクトのはじまりです。もともとは資金もなく、ゼロからのスタートでしたが、募金により得たお金でヨーロッパ絵画を購入。また、多くの実業家から美術品の寄贈を受け、今では330万点の所蔵を誇るようになりました。メトロポリタン美術館のコレクションは、エジプト、ギリシャ、ローマ、イスラム、中世美術、ヨーロッパ絵画など幅広く、先史時代から現代にいたるまで、人類の歴史を辿りながら芸術を堪能することができます。

 

 

ニューヨーク近代美術館(MoMA)


 ニューヨークのマンハッタン、大都会の中心にある美術館がニューヨーク近代美術館です。通称「MoMA(モマ)」と呼ばれるこの美術館は、20世紀美術が世界一充実している美術館といえるでしょう。この美術館が設立されたのは1929年。世界大恐慌のわずか10日後の11月7日のことでした。「Art in Our Time(同時代アート)」という看板を掲げ、過去の作品ではなく、その時代の作品を積極的に紹介しようとしました。収蔵品は「建築・デザイン」「絵画・彫刻」「写真」「版画・挿画本」などの多岐にわたり、中でも「絵画・彫刻」はモネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ドガ、スーラなどの印象派やポスト印象派の作品からはじまり、キュビスム、シュルレアリスム、そして現代のポップアートへと続きます。まさに、近代から現代への芸術をたどるのにぴったりの美術館といえるでしょう。

 

 

ロンドン、ナショナル・ギャラリー


 ナショナル・ギャラリーは、イギリスのロンドン、トラファルガー・スクエアに位置する国立美術館です。1824年、美術後援家だったジョン・ジュリアス・アンガースタインのコレクションからイギリス国家が38点の絵画を購入したことにはじまり、その後も個人の寄付によって作品が購入されていきました。パリのルーブル美術館やニューヨークのメトロポリタン美術館が絵画だけでなく、彫刻や工芸などの美術品を所蔵しているのに対し、この美術館にあるのは絵画のみ。13世紀半ばから1900年までの絵画約2300点を展示しています。中心となっているのはヨーロッパの名画。ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなど名だたる画家たちの作品を見ることができます。特別な展示以外は入場料が無料であり、観光客だけでなく現地の人たちにも愛され、維持されている美術館です。

 

芸術を愛する人々によって設立され、時を経た今でも大切に守られている世界の美術館。美術館を巡る旅をするのもおもしろそうですね。

 

 

プロフィール



美術評論家連盟会員。1978年から山梨県立美術館初代「ミレー番」学芸員を約10年勤め、以後東京純心女子大学、上智大学などで教鞭をとり2009年から府中市美術館館長、2015年4月から群馬県立近代美術館館長就任予定。主な著書に『印象派の名画はなぜこんなに面白いのか』(カドカワ)、『フランス美術鑑賞紀行1、2』(美術出版社)などがある。

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