テスト前のお子さまに「言ってはいけない!」NGフレーズ6選

刻々と近づいてくる定期テスト。それにもかかわらず、のんびりしているお子さまの様子を見ていると心配になり、ついガミガミ言ってしまうということ、ありますよね。でも、時にはその一言がお子さまのやる気を下げてしまうことも。今回は、テスト前のお子さまに言ってはいけないNGフレーズをご紹介します。


NGフレーズ1 「いつまでダラダラしているの!早く勉強しなさい!」

 お子さまがのんびりテレビを見たり、ゲームをしたりしていると、つい「早く勉強しなさい!」と言ってしまいがちです。しかし、思春期のお子さまは保護者のかたから命令されると、逆に反抗心が高まり、「今、やろうと思っていたのに、うるさいな!」などと口ゲンカになってしまうことも。お子さま自身も、定期テストのことは当然、気になっていると思います。

 

命令口調ではなく、「お風呂入る? それとも先に勉強する?」「今日の勉強のときのさしいれ、ゼリーとプリンとどっちがいい?」など、お子さま本人に決定権を与え、さりげなく勉強に意識を向かわせましょう。

 

 

NGフレーズ2 「テストで○点以上とったら、おこづかいアップだよ!」

 テストの結果が良ければおこづかいの金額を増やしたり、お子さまの欲しかったモノを買ってあげるなど、お子さまのやる気を高めるために、ごほうびを用意しているという保護者のかたもいらっしゃると思います。確かに効果がある場合もあるかもしれませんが、やる気が高まるのはお金やモノなどのごほうびがあるときだけで、学習に対するやる気が長続きしなかったり、次の定期テストでは、さらなるおこづかいアップを求められたり…ということになりかねません。特に、長丁場の受験勉強を乗り切るためには、お金やモノにつられて勉強するのではなく、自分自身で勉強のモチベーションを高めることがとても大切になってきます。

 

そのために効果的なのは、目標を達成する喜びを実感させることです。まずは、定期テスト対策を始める前に、「数学は○点以上とる」「国語は、漢字をしっかり覚える」など達成可能な具体的目標を親子で設定してみましょう。達成できたらほめてあげるのはもちろん、達成できなくても、目標に向かって努力した過程を認めてあげることも大切です。お金やモノでつるのではなく、「やればできる」という自己肯定感や達成感を積み重ねることが、お子さまの自発的なやる気につながります。

 

 

NGフレーズ3 「こんな問題もできないの!?」

 そう難しくはない問題でお子さまがつまずいていると、「なぜ、こんなことがわからないの!?」と、キツく言ってしまうことも。しかし、これでは逆効果。お子さまは自信をなくしてしまいますし、保護者のかたに対する反抗心も高まってしまいます。

 

そんなときは、「なぜ?」という気持ちをぐっと押さえて、「どの部分がわからないかな?」と問いかけてみましょう。「どこまでわかっていて、どこからがわかっていないか」を考えていくと、さらっと解けてしまうことも少なくありません。「きっとできるようになるよ。テスト本番ではなく、今、間違えてよかったね」と励ましてあげるなど、前向きに対応してあげるとお子さまのやる気も高まるでしょう。

 

 

NGフレーズ4 「○時間以上は絶対勉強しなさい!」

 定期テスト対策で大切なのは、量より質。やみくもに長時間勉強するよりも、自分の苦手な分野や対策が手薄になっている分野を洗い出すなどしてやるべきことを効率的にこなしていくことです。「長時間」「なんとなく」勉強しているようだったら、限られた時間で、いつまでに何を、どのような順番でやるか、という計画を立ててみましょう。

 

また、定期テスト前とはいえ、毎日遅くまで勉強していては、疲れもたまってきて逆に効率が下がってしまいます。「疲れて眠そうだな」と思ったら「今日は思いきって寝たら?」とアドバイスするなど、体調管理面でのサポートをしてあげることも大切です。

 

 

NGフレーズ5 「数学、この前のテストも点数悪かったんだから、たくさん勉強しないとダメよ!」

 お子さまにはなんとか苦手を克服してほしいという思いから、上のような声かけをしてしまうという保護者のかたもいらっしゃると思います。しかし、お子さまは余計にその教科に対する苦手意識を高めてしまい、手を付けるのがおっくうになってしまいます。

 

「得意教科から先に取り組み始めると、やる気が高まるらしいよ!」と、苦手教科に取り組みやすくなるような方法をさりげなくアドバイスし、「数学、○○のところは、よくできているよね」など、できているところを認識させてあげるなどするとよいでしょう。

 

 

NGフレーズ6 「お兄ちゃんはすすんで勉強していたけど、あなたは…」

 悪気はなくても、知らず知らずのうちにきょうだいや友達と比較するような言葉を言ってしまうこと、ありませんか? 大人でも、誰かと比べられるとよい気持ちはしませんよね。「どうせ僕(私)は…」という気持ちになり、やる気もダウンしてしまいます。比べるときは、お子さま自身の過去と今を比較するのがよいでしょう。

 

例えば、「前回は、2日に1回しか勉強していなかったけど、今回は、毎日机に向かっていてがんばってるね。数学でできなかったところ、もう一度やっておいたらバッチリじゃない?」など、できるようになったことを伝えた上で、学習のアドバイスをしてあげると、受け入れられやすいでしょう。

 

 

定期テストに向けて頑張るお子さまの支えになるのは、やはり、一番近くにいる保護者のかたの応援ではないでしょうか。モノやお金でつったり、叱ったりしなくても、おいしい食事を用意したり、体調を気遣ったり、勉強しやすい環境を整えてあげたりというサポートが、お子さまのやる気を後押しします。

 

保護者のかたは、お子さまの姿を見ていてはがゆい思いをすることもあると思いますが、ぜひ、前向きな声かけでお子さまを応援してあげてください。

 

 

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