説明文を答えるときの語尾をどうしたら良いかわからない[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。




質問者

小3男子(性格:大ざっぱ)のお母さま


質問

説明文を答えるときの語尾をどうしたら良いかわからない。


小泉先生のアドバイス

「5W1H」に対する答えの語尾をマスターする

「問い」は、「5W1H」に集約されます。すなわち「when(いつ)、who(誰が)、what(何を)、where(どこで)、why(なぜ)、how(どのように・どのような)」です。そして、これらに対する答えの語尾はある程度決まっていますから、まずはそれをマスターすると良いでしょう。なお、入試の説明的文章では「なぜ」「どのような」という問いが頻出です。「いつ」「誰が」「何を」「どこで」などの問題もあり得ますが、問題が簡単になり過ぎるので入試では出題される可能性は少ないと思います。とは言え、お子さまの学年であれば、そのような問題にふれる場合もあり得ますので、以上、6つの問いの語尾について説明します。


■「なぜ」⇒「……だから」「……強調している」

「理由」を問う問題ですから、「なぜ問題」と呼びます。問われ方としては、「……が同じなのはなぜですか」というのが多いですが、「……は同じです。その理由を説明しなさい」や「その理由を答えなさい」などの場合もあります。答案の語尾の形はとしては、「……だから」で良いでしょう。
また、「理由」を問うのは同じですが、問題文上の「表現」について問うものもあります。たとえば、本来であれば漢字で書くところを「ひらがな」や「カタカナ」で書いたり、あるいは「カギかっこ」をつけたりしてその部分を「強調」した理由を問う問題です。具体的な例で示すと、「どうして筆者は漢字を使わずに、すべてカタカナで書いたのですか」などとなります。このような問題は「表現の問題」と呼んでいますが、答案の語尾は、「……を強調している」で良いでしょう。大きな意味では「なぜ問題」とも言えますが、「何かを強調している」という視点で考えたほうが考えやすいので、「なぜ問題」とは分けてあります。


■「どのような」⇒「……こと」

「内容」を問う問題です。これは「どのようなことを示していますか?」などの問題で、「こと」の部分はいろいろな名詞になります。たとえば、「……どのような違いがあるか。その違いを二点答えなさい」「どういう場合ですか」「どのような仮説ですか」「どのような旅ですか」などなどです。答案の語尾は、それぞれ「……こと」「……違い」「……場合」「……仮説」「……旅」になります。もちろん問題によっては、そのような語尾を付けなくても良いと思われる場合もあります。たとえば、先に挙げた「どのような違いがあるか?」という問いに対して、模範解答では「Aは感謝される。/Bは非難される。」であったとします。しかし、このような場合でも、「……違い」を付けて「Aは感謝されるという違い。」としても合格点の答案と言えますので、まずは、一つのルールに従って語尾の答え方に慣れてください。


■「いつ」「誰が」「何を」「どこで」

「いつ」「誰が」「何を」「どこで」という問いに関しては、答えをそのまま書けば良い場合が多いと思います。たとえば、「誰に会いたいのですか?」⇒「お母さん」「何を入れるのですか」⇒「塩」「どこで待っているのですか?」⇒「教室の中」などです。ただし、少々注意が必要な場合もあります。たとえば、「そのころとはいつを指しますか?」⇒「……小学生のころ」などと、問いに使われている言葉を加えないと減点される場合もあるので気を付けましょう。

以上、今回は「5W1H」の視点で答案の語尾を考えてみました。解答によっては、ぎこちない表現になる場合も考えられますが、まずは型に慣れてください。そして、十分に使えるようになったら、模範解答などを参考に、より自然な表現を求めていくと良いでしょう。


プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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