受験やテスト対策に適した勉強時間と時間帯はいつどれぐらい?対策別や教科別に紹介!
テスト勉強や受験勉強は、いつ、どのくらいの勉強時間で取り組めばよいのかという目安がわからないことも多いのではないでしょうか。また、どの時間に何の科目に取り組めばよいのかわからないということもあるでしょう。そこで、脳の働きと科目の特性に応じて、最適な勉強時間帯、勉強時間について紹介していきます。お子さまの学習計画にお役立てください。
この記事のポイント
受験やテスト対策に適した勉強時間とは?
「勉強しなければいけないのはわかるけど、一体どのくらいの時間勉強すればいいの?」と疑問に思う子どもも多いものです。まずは、小中高生の平均勉強時間を見たうえで、テスト対策、受験勉強にどのくらいの勉強時間をかけるべきか考えていきましょう。
小中高生の平均勉強時間
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の調査(※1)によると、小学生、中学生、高校生の平日の平均勉強時間(宿題を含む)は次のようになっています。
- ・小4:1時間14分
- ・小5:1時間28分
- ・小6:1時間44分
- ・中1:1時間45分
- ・中2:1時間42分
- ・中3:2時間14分
- ・高1:1時間34分
- ・高2:1時間33分
- ・高3:3時間06分
まずは、各学年の平均勉強時間を参考にお子さまの勉強時間が十分かどうかを確認していきましょう。
※1 東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」
中間・期末テスト対策の勉強時間
単元ごとにテストが実施される小学生であれば、学校のテスト対策は、テスト前日に1時間ほど復習として授業ノートの見直しや問題演習をしておけば問題なく対応できるでしょう。ただし、平日の学習がきちんとできている前提であるため、そうでない場合は要注意です。小学校の先生によっては、テスト前日にテストを予告したり、予告がないケースもあるため、普段の勉強をしっかりしておくことが大切です。
中学生、高校生の中間・期末テストは、範囲も広いため、直前や前日だけの勉強では対応しきれません。通常の勉強時間に加え、平日はプラス1時間〜2時間、休日はプラス3時間以上はできると良いでしょう。これは、試験勉強を2週間したとして、普段より22時間以上(1教科4時間以上)の勉強ができることとなります。
中学受験・高校受験・大学受験の勉強時間
受験に向けた勉強は、目標となる入学試験までの期間を分解して勉強時間の計画を立てることがポイント。次のように学習期間を分け、勉強時間の目安を立てるとよいでしょう。
- ・夏休み前:平日2〜3時間、休日4時間
- ・夏休み:6時間
- ・2学期:平日3時間、休日5時間
- ・冬休み:8時間
- ・3学期(入試直前期):平日3〜4時間、休日8時間
なお、大学受験で難関大を志望校としている人は、特に長期休みの勉強時間の確保を心がけましょう。国立大学に現役合格した先輩は、受験生のときの夏休みの1日平均勉強時間が7.9時間というアンケートデータ結果もあがっています。(※2)
※2 国立大合格者に聞いた夏休みの学習時間、最も多かったのは「1日10時間」
https://benesse.jp/juken/201608/20160809-1.html
時間帯別に最適な勉強法とは?
脳の働きは、1日の中でも時間帯ごとに異なってきます。そのため、脳の状態に合わせた勉強法に取り組むのが、勉強の効果をあげる近道。朝・昼・夜の時間別に、脳の状態とそれに合う学習方法を解説します。
朝の時間帯に適した勉強
朝は、1日の中で脳が最もよく働く時間帯です。睡眠で休息が取れていることに加え、睡眠中に前日に学んだことの整理もできているため、新しい知識を吸収する準備は万端。脳を活性化させるゴールデンタイムと言えます。朝、脳をいかにうまく目覚めさせるかが1日の学習の成功のカギ。朝の勉強は次のことを意識していきましょう。
・脳をうまく目覚めさせるために、いきなり難しい問題などには取り組まない。
・まずは、脳のウォーミングアップとして、前日に覚えた知識事項の振り返りやテキストの見直し、計算ドリルや教科書の例題などの簡単な問題に取り組む。
・脳が十分に働き出したら、問題集や問題演習にチャレンジ。
昼の時間帯に適した勉強
昼食をとった後は、眠くなりがちで脳も働きづらいもの。その一方で、眠気を超えた後は、ドーパミンやアドレナリンの血中濃度が高くなるため、やる気がUPして頭の働きもよくなり、勉強がはかどりやすい傾向にあります。特に、昼食から時間がたってお腹がすいてくると、脳が活性化して、注意力や記憶力も高まりやすくなります。これらの変化に合わせて、次のような勉強法を心がけると良いでしょう。
・眠気で集中力が削がれがちな昼食後は、暗記など単調になりやすい勉強は向かない。
・眠くなりがちな時間帯にメリハリをつけるために「この問題は10分で解く」など制限時間を設けて、短期集中することを繰り返すと良い。
・お腹がすいてきて、脳が徐々に活性化されてくる夕食前は、問題演習に取り組む。
夜の時間帯に適した勉強
1日の終わりに向け、脳も疲れてくる時間帯。脳は1日の中で得た知識を睡眠中に脳内で整理していくため、その特性を生かした勉強法に取り組むのがおすすめです。
・寝る前2時間ほどは、知識事項の暗記に最も適した時間。寝ている間に知識の整理と定着ができるよう、英単語や漢字、社会や理科の知識事項に取り組む。
・睡眠中の脳の情報整理に役立つよう、現時点で特に記憶に定着させたいと思っている科目・単元に取り組む。
教科別・学習内容別に最適な時間帯を選ぶことが大切
科目や単元、学習内容別にも、最適な勉強時間帯は異なってきます。自己学習の効果を最大化するためにも、学習内容別に最も適した時間帯を選び、質の高い勉強時間とすることを意識していきましょう。
国語・英語の読解
国語や英語の読解問題は、長文を理由や因果関係を押さえて読み解く必要があるなど、気力が求められるものです。そのため、昼食後の眠気から抜けた後、夕食までの時間帯に取り組むのがおすすめ。ドーパミンやアドレナリンの血中濃度が高まる時間帯のため、気力もみなぎり、チャレンジングに取り組むことができるはずです。
数学・理科
数学や理科など理数系の科目は、筋道立てた論理的思考力やひらめき、発想力が求められるものです。複雑な思考プロセスも必要となることが多いため、1日の中で最も脳が活性化している朝の時間帯がおすすめ。脳のウォーミングアップが終わり、エンジンがかかったところで取り組みましょう。
また、昼食後の眠気から抜けた時間帯もはかどりやすい時間帯となるため、問題演習にうってつけです。集中しやすい時間のため、骨のある問題にチャレンジするのも良いでしょう。
英語や国語、社会の暗記項目
英単語や熟語、古文単語に歴史事項など、覚えることが必須の知識事項は、暗記のゴールデンタイムである夜の時間帯に取り組みましょう。夜に取り組み、睡眠中に記憶の整理と定着をはかったうえで、朝の脳のウォーミングアップで再確認。このサイクルをうまくまわしていくことで、効率的に覚えていくことができるはずです。
スキマ時間を活用!勉強時間の増やし方
勉強時間を増やしたいと思っても、学校や部活、塾などで忙しい毎日の中で時間を捻出するのを難しいと感じることもあるかもしれません。そんなときにおすすめな2つの方法を紹介します。
スキマ時間を活用
食事の前や通学時間、寝る前のちょとした時間など、何かと何かの間にある細切れのスキマ時間をうまく活用していきましょう。普段ならなんとなくスマホチェックなどで時間をつぶしていた時間を有効活用するのです。1回1回は5分や10分という短い時間だったとしても、積み重ねることで多くの時間とすることができるはずです。
また、スキマ時間は「この5分だけ」などタイムリミットがあることも効果的。締切効果が働いて、集中力を発揮できる可能性が高まるできるでしょう。
スキマ時間の学習効果を最大限に高めるには、スキマ時間用の学習内容や教材を準備していくことが重要です。英単語や社会の用語集、5分程度の学習動画などどんなものでもいいので、スキマ時間にやるべき学習内容を考え、準備しておきましょう。スキマ時間の使い方がうまくなると、学習効果が出やすくなるはずです。
勉強時間をタームで区切る
勉強時間は「今日は5時間やるぞ」と大きなボリュームで設計するだけでなく、「1時間タームを5回やるぞ」と分解して設計したほうが、負担感や疲労を少なく取り組むことができるというメリットがあります。1ターム1時間から1時間半ほどを目安にして、ターム終了ごとに10分程度の休憩をとることを意識してみましょう。コツをつかんで、勉強と休憩のメリハリがつけば、集中力も高まり結果として全体の勉強時間も増えるはずです。
効率よく勉強するための生活習慣
勉強を効率的な進めるためには、健康や体力も欠かせないものです。そのためには、生活習慣を整えることが重要。勉強の成果を高めるための、朝昼夜ごとに次のことを意識していきましょう。
朝の生活習慣
睡眠中に休息していた脳を目覚めさせるために、カーテンを開け、太陽光を浴びましょう。勉強前に軽い散歩をするのも脳の目覚めに効果的です。
また、朝食をしっかりとり、脳を覚醒させることも大切。考える際に使われる、糖分を補うことも忘れないようにしましょう。
昼の生活習慣
昼食後の眠気をとりリフレッシュする習慣を身につけましょう。5〜10分くらいの軽い昼寝がおすすめですが、横にならずに目を瞑るだけでもOKです。いつもの机で勉強するだけでなく、場所を変えてみるのもリフレッシュとなるでしょう。
夜の生活習慣
夜更かしのしすぎはNG。眠いまま勉強をするのは、学習の効率が悪いものです。どうしても眠い場合は、就寝時間を早くして、その分早く起きて勉強するようにしましょう。
また、脳の働きを高めるためには、睡眠時間が何より大切です。眠る直前まで勉強していて目が冴えてしまって寝付けない・・・ということも起こるため、自分なりの入眠儀式を持つのがおすすめです。ホットミルクを飲む、軽いストレッチをする、スマホは見ないなど自分に合った方法を見つけましょう。
成果を発揮できる生活習慣を身につけることは、学校の勉強はもちろん、英検や漢検などの資格の勉強にも効果を発揮します。また、大学生や社会人になっても役に立つものです。今のうちに、成果を出しやすい習慣づくりを意識しておきましょう。
まとめ & 実践 TIPS
学習効果を高めるためには、戦略が必要。その際、脳の働きや科目・単元の特性を踏まえて、時間帯別に何に取り組むかの学習スケジュールを立てることが有効です。そして、学習計画に従った取り組みのためには、生活習慣を整えることが欠かせません。お子さまと一緒に脳の働きも確認しながら、効果的な学習計画を立てるスキルの養成をサポートしていきましょう。