子どもにもできる国際ボランティア~フェアトレード入門~【後編】

前編は、フェアトレードの始まりと、子どもたちのフェアトレードへの関心について東京経済大学教授の渡辺龍也先生にお伺いしました。後編では、実際に親子でできるフェアトレードについてご紹介します。



親子で始めるフェアトレード


国際フェアトレードラベル機構が定めた基準が守られていることを証明するのが、「フェアトレードラべル」

フェアトレードに興味がわいたら、まずは試しにフェアトレード製品を買ってみてください。フェアトレードの専門ショップでもよいですし、スーパーやコンビニ、カフェなどでもフェアトレード製品を扱っています。よく分からなければ、国際的に認証されたフェアトレードラベルがついたものを探してみることです。
スーパーなどで身近に売られているフェアトレードの製品にはチョコレート・コーヒー・紅茶・バナナなどがあります。好みの製品から始めてみるとよいでしょう。

この時、気を付けてほしいのは、無理をして買わないことです。「かわいそうだから買ってあげる」という感覚で必要のないもの、納得のいかないものまで買うのではなく、おいしいもの、気に入ったものを買ってください。

フェアトレード製品が普及した欧米では価格が下がっていますが、日本ではまだ割高ですから、なおのこと、無理な買い物をしても長続きしません。生産者の人たちも、この程度のものでも売れるんだと勘違いして、品質向上の努力をしなくなってしまいます。それでは、結局は売れなくなって、貧困から抜け出せません。
ですから、まずは試しに買ってみて、よかったら時々買うようにする。よさを味わいながら食べる、着る、使う。本当に気に入ったら買う回数を増やす。それがいちばんです。



子どもにできるフェアトレードとは?

まずは買うことが第一のフェアトレードですが、実は、買うだけでなく、ほかにもできることが意外とあります。子どもにできるフェアトレードの例を年齢別にご紹介します。

●小学生
フェアトレードのチョコレートやバナナ、ジュース、カレーを保護者に買ってもらったり、おこづかいで購入したりしてみましょう。
スポーツ好きな人は、フェアトレードのサッカーボールやバレーボールもどうぞ。

●中学生
フェアトレード製品を扱っている団体や企業のサイトを見て調べてみましょう。調べたことをレポートにしたり、友達や保護者に教えてあげたりすると、フェアトレードの輪が広がっていきます。
バレンタインデーにフェアトレードのチョコレート、お誕生日にフェアトレードのお花のプレゼントはどうでしょう。

●高校生
文化祭や学園祭で、独自のフェアトレード製品(チョコバナナや自分たちのデザインでラッピングしたチョコ)を作って、売ってみましょう。売れた時は、自分自身が評価されたようで、喜びもひとしおでしょう。
企業にフェアトレード製品を(もっと)扱うよう、メールや手紙を出しましょう。


最近では、フェアトレードの素材を使ったケーキの手作りキットなども販売されています。ぜひ、親子で楽しみながらフェアトレードに触れてみてください。
長続きさせるには、「楽しい!」「自分も幸せ!」と感じることがいちばん。その気持ちが生産者の人たちを幸せにすることにつながります。フェアトレードを通じて、ともに楽しく豊かな気持ち、そして社会になるとよいですね。


プロフィール


渡辺龍也

東京経済大学教授。NHK記者、在マレーシア国際機関職員、国際協力NGOセンター調査研究主幹、日本国際ボランティアセンター・ラオス事務所長を経て2000(平成12)年より現職。著書に『「南」からの国際協力』(岩波書店)、『フェアトレード学』(新評論)などがある。

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