ツツジとサツキの違いって知ってる?
晩春から初夏にかけて、色とりどりの花を咲かせるのが「ツツジ」。赤いツツジは火のように群れ咲き、白いツツジは雪のように美しく咲きますね。桜が散った後に一瞬寂しくなった公園や街路を再び彩ってくれる花です。
よく耳にする「サツキ」も実はツツジの一種
そもそもツツジというのは、ツツジ科の植物の総称で、ドウダンツツジやホツツジ、さらにはシャクナゲなどもツツジ科に分類されています。およそ300もの種類があり、あまり環境を選ぶことなく花を咲かせられるので、日本だけでも約90種が自生しているそうですから驚きですね。
俳句で夏の季語になる「サツキ」も、実はツツジの一種である「サツキツツジ」のこと。細かい種類によって例外もありますが、区別の仕方がいくつかあります。
【ツツジとサツキの違い】
・花が散ってから新芽が出るのがツツジ、新芽が出てから花が咲くのがサツキ
・葉が出るよりも先に花が咲くのがツツジ、葉が出てから花が咲くのがサツキ
・新芽や葉に生えている細かい毛が緑色なのがツツジ、茶色なのがサツキ
・4月中旬~5月上旬に開花するのがツツジ、5月中旬~6月中旬に開花するのがサツキ
ツツジの漢字が「躑躅」という難しいものなのは、意外な理由から!
ツツジの名前の由来は、花の咲き方の特徴から「続き花」や「筒花」と言われたことがきっかけだとされています。漢字では「躑躅」と書きますが、以前は「羊躑躅」と書くのが正しかったようです。これは、ツツジの一種である「レンゲツツジ」が、有毒植物だということを知っていた羊が、この花の近くに来ると恐れて躑躅(てきちょく)する(「ためらう」「足踏みする」などの意味)ことから、この漢字が当てられたようです。
レンゲツツジは日本各地に広く分布するツツジの1つで、花の直径も7~10cmと大変大きく、花の色も赤、オレンジ、黄色とあでやかです。しかし、花びらや葉、根、花の蜜などに毒が含まれているため、誤って口にすると、嘔吐やけいれんなどの症状が見られるそうなので、お子さまが口に入れないよう注意してあげてくださいね。
ツツジの花言葉は、「節制」や「慎み」。また、色によっては「愛の喜び」や「情熱」などもあり、悪環境にも耐えて美しく咲き誇る姿のイメージを表しているようですね。ぜひツツジを見かけたら、その美しさに思いを馳せてみてください。