竹にとっての「春」と「秋」は普通とは真逆?
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天を目指して伸びていく竹。そのまっすぐ立っている様子や美しい緑色には、つい目を奪われてしまいますよね。特に新緑の頃は、いっそうまぶしいその姿。しかし実は、竹にとっての新緑の頃…つまり「春」は、春夏秋冬で言うと「秋」に当たるって知っていますか?

なぜ、竹の場合、「春」が「秋」に?
竹はイネ科の常緑樹で多くの種類があります。竹の子を食用とするモウソウチクやマダケ、観賞が目的のクロチクやナリヒラダケなどが有名です。
モウソウチクやマダケにとっての春から初夏は、竹の子を育てるのに栄養をとられる、いわば「実りの季節」でもあります。また、竹の葉は1年で生え変わりますが、5~6月に黄色く色づいて落葉します。竹の子が大きくなった後なので、まるで子どもを育てた親の竹が疲れて枯れていくようにも見えますが、実際は、新芽に日光を当てるために古い葉を落としているのだと考えられます。
こういったことから、実際の季節は春であるにもかかわらず、竹にとっては「秋」のイメージとなるのです。そして、ほかの木々が落葉する秋は「竹の春」となって、すくすくと勢いづいていきます。
「竹の秋」は春の季語、「竹の春」は秋の季語として、たくさんの俳句でも用いられていますよ。
めったに咲くことがない、ミステリアスな竹の花
あなたは、竹にも花が咲くことを知っていましたか? 実は「竹の七不思議の1つ」といわれるほど、竹の花は珍しいものです。
竹はイネの仲間です。しかし、一般のイネ科植物は毎年春に発芽して、夏に花が咲き、秋に実をつけて一生を終えるのですが、竹は花を咲かせるまでの期間が大変長く、その期間を「開花周期」と呼びます。この開花周期は竹の種類によって異なるだけでなく、これまでに開花が確認されていない種類もあるなど、神秘的な状況にあります。
日本では、モウソウチクについては発芽から67年目に開花したという例が2つあるだけなので、その2例だけで「モウソウチクは67年周期で開花する」と断言することはできません。
ただしマダケについては昭和40年代に、日本だけでなく世界中のマダケがいっせいに開花し、しかもそれは前回の開花から約120年を経て起こったという事実から、マダケは120年周期に間違いないのではないかとみなされています。
竹は私たちの身近な生活に取り入れられていますが、まだまだ知らないことがたくさんあり、一般的なほかの植物とは違う自分なりの時間軸を生きているおもしろい植物なのですね。
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