子どものうそ どう対応すべき?【前編】叱らずに背景にある気持ちをくもう
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子どもがうそをついた時、とまどってしまうお母さんも多いと思います。特に幼いお子さまの場合、叱ることがよい対応なのかどうか迷うこともあるでしょう。そこで、スクールカウンセラーの渡辺友香先生に、子どものうそへの対応法をお聞きしました。
3~4歳からうそをつきはじめる
意図的にうそをつくのは、言語能力の発達にも関係しているので個人差がありますが、およそ3~4歳くらいからと言われています。このころのうそは、保護者に叱られないように自分を守るためにつくものが多いです。
4、5歳ぐらいになると、自分が失敗したことを秘密にしておきたいなど、自分のプライドを保とうとして、うそをつくことも出てきます。たとえば、おねしょをしてしまったのに、「していないよ」とうそをついたりします。こうしたうそは、発達段階的に見ればどのお子さまにもある程度は見られる行為ですので、それほど深刻な状況ではないことが多いです。
思春期になっても、細かいことを根掘り葉掘り聞きすぎると、うそでごまかすこともあると思います。年齢に応じて詮索(せんさく)しすぎないことも必要です。
子どものうそは叱ってはダメ
お子さまがうそをついた場合、頭ごなしに叱るのはよくありません。まずは、自分のことをよく見せたかったんだななど、気持ちをくんであげることが大切です。背景にある気持ちを理解してもらえないと、お子さまは次に同じようなことがあった場合も、ますます本当のことが言いづらくなり、うそを重ねるクセがついてしまいます。では、どのような対応が望ましいでしょうか。実際の事例を挙げてご説明しましょう。
~こんな時、どうする~
●たとえば、宿題をやっていないのに「やった」と言うお子さまの場合お子さまが宿題をやっていないことがわかっているのでしたら、「あれ、さっきまでテレビ見ていたような気がしたけど」「お母さん、確認してあげようか」などと声掛けしてみましょう。お子さまが、「やっぱり、今からやるんだった」と素直に反省したら、叱らずに「はい、がんばって!」と応援してあげましょう。
一番好ましくないのは、宿題をやっていなかったことを知っているのに「宿題やったの?」と問いただし、お子さまがうそをついたら叱るパターンです。正直に言っても叱られる、うそをついたらもっと叱られる、という悪循環になってしまっています。いつも宿題を後回しにしているお子さまであれば、「宿題は、いつやろうか?」「やっていないなら、今一緒にやろうか?」「何時からならできるのかな?」とお子さまがうそをつかずに、言いやすいような声掛けをしてあげたいですね。
ただ、いつもうそばかり言って困っているということであれば、冷静に話し合う必要がありそうです。なぜうそがダメなのか説明しましょう。たとえば、「うそを言われるとお母さんがっかりしちゃうからね。うそを言うのではなくて、『今はゲームをしているから、○分になったらやるよ』と言えばいいのよ」と話すのです。
そのほかのうそにはこんな対応を
そのほかにも「おばけが見えた」といったように、空想が入り交じったうそを言うことがあります。その背景には、不安や寂しくてかまってほしい気持ちがあるのかもしれません。そんな時は、「何か怖いことあった?」「そばにいてほしいのかな?」といったように、お子さまの気持ちをくむような言葉掛けをしてあげるとよいと思います。
「本当は私、お姫さまなの」といったうその場合は、人をだまそうという深い意図がある訳ではなく、「うそっこの世界」を楽しんでいるのでしょう。こうしたうそには大人も、「へえー、すてきね。どこの国のお姫さまなの」「お母さんは実は魔女なのよ」と言ったりするなど楽しく付き合ってあげてもよいでしょう。
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