家族の一員として、子どもと一緒にペットを飼う【第6回】全身を使った感情表現が愛らしいウサギ(2)2大疾病と抱っこのしかた

知っておいてほしい病気と、ウサギとの生活をより楽しむために抱っこのしかたについて、LUNAペットクリニック潮見院長の岡野祐士先生にご紹介いただきます。



不正咬合・毛球症の2大疾病にご用心!

飼い主さんにぜひ知っておいてほしいのは、ウサギの2大疾病である「毛球症(消化管うっ滞)」と奥歯(臼歯)の「不正咬合(こうごう)」のこと。ウサギは自分の体をなめてキレイにしますが、猫と違って毛玉を吐き出すことができません。これによって胃腸の働きが低下してしまうのが毛球症です。また、不正咬合は、もともと牧草を食べていたウサギの主食がラビットフード中心になることで、本来ならば咀嚼(そしゃく)によって削られる奥歯が伸びてしまい、口の中を傷つけてしまうのです。
これらの疾病は、食事を繊維質の多い牧草中心にすることで予防ができます。理想の食事は牧草が8割で残りの2割を野菜とラビットフードで賄うこと。ウサギと長く健康に暮らすためにも、子ウサギのころから牧草中心の食生活を心がけてあげてください。
ウサギは自然界では捕食される動物。弱っているところを見せると狙われやすくなるため、本能的に体調不良を隠す特徴を持っています。明らかに体調が悪い様子を見せるようになるとかなり症状が進んでおり、手遅れになってしまう場合が少なくありません。
少しでも「変だな」と思ったら、すぐに動物病院にかかりましょう。そのためには普段からウサギと触れ合い、よく観察ができるとよいですね。



飼ったら覚えたい! 抱っこのしかた

ウサギは実は抱っこが苦手な動物です。飼い主さんの中には、「嫌がるからかわいそう」「落としてしまいそうで怖い」というかたもいらっしゃいますが、せっかくウサギを飼ったからにはぜひ抱っこのしかたをマスターしてください。
抱っこができるようになると、健康チェックや普段のケアもしやすくなりますし、それまでは見られなかったウサギの表情を見られるなど、楽しみも増えます。また、万が一病気になってしまった時には、抱っこができないと薬を飲ませることもできません。

やりかたは下記のとおりです。必ず万が一落ちてもケガをしにくい床材の場所で、座って練習するようにしましょう。


(1)ウサギの後ろに座り、片手をウサギのお腹にまわします。この時逃げないようにもう片方の手で目隠しします。

(2)目隠ししていた手を、素早くお尻に当てて、ウサギの体をしっかり支えます。

(3)お尻を支えながら、そのまますくい上げるように持ち上げ、ウサギの体を自分の胸のあたりにピッタリ密着させます。

子どもが練習する場合は保護者がそばについていてあげるようにしましょう。
練習の際にはケージから離れたウサギの縄張りの外で試してみてください。もし、暴れた時にも決して手を離してはいけません。顔を隠し、視界を遮るとおとなしくなります。
根気よくチャレンジして、ぜひ、ウサギとの至福の時間を過ごしてください。

ウサギやハムスターといった比較的安価なペットは、お子さまにせがまれて保護者のかたがしぶしぶ買う……ということもしばしばありますが、保護者のかたにもぜひお子さまと一緒に、ウサギと触れ合ってほしいと思っています。動物病院を訪れて獣医さんに質問したり、本で調べて生態を勉強したりと親子で学ぶきっかけを与えてくれることでしょう。
「ペットを飼いたいけれど、マンションだから……」というご家庭でもウサギとの楽しい生活を始められるとよいですね。


プロフィール


岡野祐士

LUNAペットクリニック潮見院長。日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。エキゾチックペット研究会会員。犬や猫はもちろん、 ウサギやハムスターなどのエキゾチックアニマルの診療や飼育指導にも熱心に取り組む。

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