自宅でできる「自学力」の高め方(脳科学編)
中学1年生にもなると思春期真っただ中です。だからこそ、保護者のかたのちょっとしたかかわり方が、お子さまのやる気に直結します。どうすれば上手にお子さまの自学力を高める接し方ができるのか、脳科学の見地からノウハウを聞きました。
やる気を引き出す3つのポイント
やる気を出すには、勉強を快感と結びつけ、脳の快感系を刺激することが大切です。そのため、お子さまが勉強に取り組んだ際は積極的にほめてあげましょう。繰り返しほめていると、脳が「勉強=快感を得られるもの」と感じるようになり、自発的に勉強に取り組むようになるのです。
ほめる際に注意すべきは、「素質でなく行動をほめる」ということ。ただし「素質」をほめ過ぎるとチャレンジしなくなるリスクがありますから「○○ちゃんは天才だね!」などのほめ方は厳禁です。また、やる気の中核である線条体が一度運動(=勉強)を始めてしまうと、脳は辞めることのほうが面倒に感じます。そのため「とりあえず5分」と勉強を始めても、実際には5分で終わらないものなので、これも一つのヒントになるでしょう。
今すぐ使えるやる気UPのノウハウ
1.ほめ上手になろう
ほめる機会を増やしたり、ほめること自体の効果を高めたりする工夫をしましょう。
【ほめ上手になる工夫の例】
●一歩マイナスして見る...5分しか勉強が続かないのに対し「3分ならできたね!」など
●オノマトペ(擬音語)を使う...「勉強カリカリがんばっているね!」など
2.環境作りをしてみよう
学習環境をうまく整えることで、線条体が外部からの刺激に反応しやすくなります。
【やる気を引き出す学習環境の例】
●保護者のかたが先に始める...「勉強やりなさい!」の前に自分が読書や勉強を始めてしまう
●プライシング効果を使う...志望校やテストの目標点数を目に入るところに貼っておく
3.感覚の力を借りよう
自分の感覚をうまく利用すれば、やる気を高められます。「感覚」といっても難しいことではなく、保護者のかたが何かにやる気を出したいときも使えます。
【力を貸してくれる感覚の例】
●あこがれの力を借りる...「○○選手はこんなやり方で勉強してたんだって」など
●イメージの力を借りる...勉強している映像をイメージさせる