【これからの時代に必要な力】中学生の君たちへ。大人になっても「学び続ける」心を身につけよう。

 中学生のみなさんも、やがては社会人として活躍する日が来ます。そのころの「未来」は、一体どんな世の中になっているのでしょうか。また、その日に備えて、今から意識しておくべきことは何でしょうか。ベネッセ教育総合研究所の黒木研史と中垣眞紀が、対談形式で未来を予測します。

 

 

今はまだ存在しない職業に就いている!?

黒木:世の中の変化のスピードが速く、人間に求められるスキルもどんどん変化すると思います。その中で産業や職業も当然変化するでしょう。たとえば今から30年前に、WEBデザイナーという職業があるとは、ほとんどの人が想像できなかったはずです。今の中学生も、10年後や20年後に、今は存在しない職業に就いているかもしれない。その可能性は大いにあると言っていいでしょう。

 

中垣:ですから、「自分は何がしたいのか・できるのか」をずっと考え続けることが、必要かなと思います。自分の得意・不得意を知っておくことと、「これを伸ばしたいんだ」という強い意志を持つことが重要です。また、仮に今は数学に興味を持てなくても、自分がやりたいことを実現するためには、学ぶことが必要だという、達成したいモチベーションが生まれて、その解決のために数学的な知識を身につける、ということも考えられます。

 

 

これまで人間が行っていた仕事は、機械が!?

黒木:これからの社会では、これまで人間が行っていた仕事を機械やコンピューターが担う場面が増えるでしょう。教えられた作業をこなすだけの仕事はどんどん減っていくと思います。

 

中垣:ある時点まで科学技術が進歩すると、それ以降は人工知能などが人間に代わって科学技術の進歩を支配するという「技術的特異点」という考え方があるようです。いずれにしても、人間の仕事として残っていくのは、高度な知的作業か、人の手でしかできない細かい作業だけになるのかもしれません。

 

 

学び続けることが必要な時代

黒木:アートも人間の創造力が発揮できる領域ですね。みなさんの中に音楽や芝居にとても関心がある人がいれば、それをしっかり学んでほしいです。その知識や特技を、社会にいかしてくれることを、世の中が求めてくれるわけですから。

 

中垣:そうです。アニメが好きだったらアニメを極める。それが大事なんです。教養や娯楽の分野で社会に貢献する人も必要です。歌舞伎や演劇なども、文化として生み出されてきたものです。そうだとすれば、自分が新しい娯楽を生み出したって構わない。やっぱり「何が好き」「何をしたい」「社会とこのように向き合っていきたい」という気持ちを、社会人になっても持ち続ける必要があると思います。

 

黒木:つまり、高校や大学などを卒業したらもう勉強しなくてもよい、という考えは、これからは通用しなくなるとも言えます。変化の激しい社会では、学生時代に学んだ知識や技術が一生通用するとは限りません。私たち大人も含めて、「自分は何をしたいのか・何が好きなのか」をいつまでも見つめ、学び続けることが、求められるのです。

 

 

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