授業参観を生かすために、知っておきたい保護者の心得
子ども、保護者、学校の先生……三者三様に期待と緊張が交錯する授業参観。以前に比べ、最近は保護者がしっかり「参観」していて、「学校への期待の高まりを感じる」と語るのは、ベネッセ教育総合研究所の小泉和義氏。授業参観をより意義深いものにするために、学校の先生が行っている工夫と保護者の心得について聞いた。
***
授業参観を有意義にするために、先生がたはさまざまな工夫をしています。子どもたちの「発表」や、グループで作品を作るなどの「活動」を中心にした授業を組み立てるのもその一例です。自分の子どもがどんな発表をするのかという点に加え、周りの友達とどのように会話をしているのかなど、学んでいる状況や様子がよくわかります。
教室の掲示物にも工夫が施されています。絵や作文、班の集合写真や係活動の分担表などの掲示物をとおして、保護者は子どもが学校でどのような生活を送っているのかを垣間見ることができます。担任の先生は、だれかの作品の掲示が曲がっていたり、落書きがされていたりしないか、前日に入念に確認をするそうです。
授業参観は「催し」ではなく「授業」ですから、1時間の授業活動をとおして、子ども一人ひとりに学びの成果が得られなければなりません。最近では、授業開始時に「今日の授業が終わる時には、三角形の面積を求めるための方法がわかるようになることを目標にします」などと、授業のゴールを明確に伝えてから授業を進める先生も多くなりました。こうした指示があれば、保護者も授業を子どもと一緒に参観しやすくなるだけでなく、家庭でも授業内容について具体的な会話ができ、結果として子どもの学習定着にもつながります。
保護者のかたには、先生方のこうした工夫を参考に、しっかり参観してほしいと思います。授業参観は子どもの成長を実感できるよい機会です。子どもとともに保護者も成長する絶好の場として生かしてください。
出典:「授業参観」を、子どもの成長を実感する機会に[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト