増える奨学金滞納者 申請を保護者任せにした人に多い傾向!?
高騰する学費や生活費を捻出するためにも、多くの家庭にとってなくてはならない奨学金。だが、主流である「貸与型」の奨学金はあくまで「借りるもの」。利用者が増えるにつれ、滞納問題も取りざたされている。そこで、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が、滞納しがちな人の傾向を解説する。
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日本学生支援機構(旧日本育英会)の調査で、奨学金を申請する際に書類を作成したのは誰だったかを尋ねたところ、「奨学生本人」と答えたのは、延滞していない人で57.9%だったのに対して、延滞者では37.5%と約20ポイント少なくなっています。「親(または祖父母等の家族)」は各19.2%、37.9%でした。
本来は借りる本人が書くことが望ましいのですが、実際には保護者が書いているケースも多く、しかも保護者任せにした人のほうが、延滞が多かったというわけです。
また、当サイトが会員のかたに行ったアンケート(2012<平成24>年12月実施)でも、学費を支払うべきなのは「主に保護者のかた」という回答が半数を超え、「主に保護者のかただが、子ども自身も」を加えると81.8%に達していました。
保護者の方々自身にも、子どもの学費は本来、保護者が出すべきであって、奨学金を利用する場合でも極力、子どもに返済の負担をさせるべきではない……という意識が働いているのかもしれません。