自由研究のテーマ決め 4割は子どもが でも7割以上が保護者のサポートあり
アンケート期間:2013/9/4~2013/9/10 回答者数:1349名
アンケート対象:小学生の保護者のかた
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
夏休み真っただ中ですが、宿題の中で子どもがなかなか手を付けないまま「自由研究」だけが残っている、というご家庭が多数あるのではないでしょうか。中にはやる気を見せない子どもの様子を、見かねている保護者のかたもいらっしゃるかもしれません。
手伝ってでも、早く終わらせたいと思いつつ、本来子どもが自分自身の力でやり遂げなければならないのが「宿題」の本質です。今回は、自由研究と保護者の関わり方を見ていきましょう。
自由研究のテーマ決定 約4割の子どもが自分一人で
自由研究のテーマは、さすがに保護者が一方的に決めるというケースは少なく「子どもが自分一人で決めた」が約4割、「子どもと保護者が協力して決めた」が半数以上を占める結果となりました。
【図1 自由研究/工作のテーマは誰が決めましたか?】
子どもが一人で決めるケースが意外と多いことに、驚いた保護者のかたもいるかもしれません。子どもも自分なりに努力して、いろいろところからテーマを見つけ出そうとしているようです。今回のアンケートで出ていた代表的なケースをまとめてみました。
野外活動から | 夏休みに洞窟体験をしたのをまとめた 海に遊びに行った際、あっという間に海の深さが変わっていったことに興味を持った |
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普段から好きなことから | 戦国武将と日本の城が好きなので、頼まれて夏休みに城に連れて行った。うれしかったようで、まとめもスムーズに進んだ |
偶然の出来事から | 瓶入りラムネを誤って冷凍庫へ入れたら割れたことが、きっかけになった 古銭を祖父母宅で発見し、いろいろなお金があることに興味を持った |
身近なものからの気付き | 黒い服は暑いと実感して、何色が涼しいか考えた 毎日自宅からの大山(だいせん)の見え方と、天気の様子をあわせて記録した 花壇に大量発生して困っていたダンゴムシを、飼ってみたいと言い出した |
「『食べた後のカボチャの種を植えたら芽が出るか』という子どもの疑問で、3月からスタートしていた」と、なんと夏休み前から取り組み始めていた、という声もありました。毎年のことですから、夏休みに限らず、子どもが興味を持っていそうなものを聞き出して、夏休みに入る前から意識させておくのも、ひとつの方法かもしれません。
しかし、スムーズにいかない子どものほうが多いのも事実です。なんとか自分自身でテーマを決められるよう、「誘導」しようと保護者も四苦八苦しているようです。「子どもが夏休み入ったころ、虫眼鏡で遊んでいたので、自由研究にしてはどうかと提案した」「祖父と『タコかご漁』に一緒に行かせてみたら、仕組みを詳しく知りたくなったようだ」といったように、目の前の子どもの小さな変化にすかさず! というケースもあれば「どうせ取り組むなら、これから学ぶ『単位』のことを表にすれば役に立つ、と思い提案したら乗り気になった」と、提案がうまく「通った」ケースがアンケート中でもよくみられました。
二人羽織状態!? 7割以上の保護者が自由研究を手助け
さて、テーマを決めたあとこそが自由研究の本番です。調べ物をしたり、記録を残したり、手を動かしてものを作ったり。保護者はどの程度手伝っているのでしょうか。自由研究を手伝うことについては、半数以上の保護者が「手伝うことはよい」と考えていることがわかりました。実際に何かしら手伝った保護者は7割以上に上りました。
「テーマは自分で決めたが、実験や報告書作成はほとんど親がやった」「アイデアは子どもが思い付いたが実現が難しく、具体的な部分は親がほとんど考えた」「ミシンが大変、ほとんど二人羽織のような状態」といったように、実際にやってみると子ども一人で形にするには難易度が高すぎた、という意見が多く見られました。
「絵本作りは子どもの要望でしたが、親も夢中に。手伝いすぎてしまい少し反省」「子どもが昆虫好きで、素朴な疑問を実際に観察することで解き明かしていけた。親も一緒に感動した」などの意見は、自由研究にも夏のよい思い出にできるチャンスがあることを物語っています。
【図2 お子さまの自由研究を手伝うことについてどう思いますか?】
【図3 お子さまの自由研究をどれぐらい手伝いましたか?】
今回のアンケートの中には、こんな声もありました。
「そんなに上手にできるわけがない、とタカをくくっていましたが、なかなかの出来でビックリ!」
「自分で鍾乳洞について調べることを選びました。『そんなテーマ?』と思っていたのにクラスの代表に選ばれたので驚きました」
子どもの自由研究は、時に親の予測を、うれしい形で裏切ってくれることもあります。なかなか手を付けない様子に焦ることも多いでしょう。しかし、最初からせっかちに「手とり足とり」ではなく、子どものやる気に合わせて、さりげないフォローをするのが保護者の心得といえるかもしれません。