交通事故多発の季節 7月まで小学校低学年に注意!-斎藤剛史-

毎年、小学校の入学シーズンが来ると、通学に慣れない新入生を対象に保護者などによる登下校中の重点的な見守り活動が始まります。現在はそれもひと段落して、通常に戻っているところも少なくないでしょう。ところが警察庁のまとめによると、小学校の低学年で交通事故が多いのは4月ではなく、5~7月であることがわかりました。本当に危険なシーズンは、実はこれからなのです。

警察庁が全国の小学生の歩行中の交通事故を分析した結果、2009~13(平成21~25)年の5年間の死傷者合計は、小学1年生が1万640人、2年生が9,222人、3年生が6,783人、4年生が4,889人、5年生が3,637人、6年生が2,763人で、学年が下がるほど死傷者が多くなっています。特に1年生と2年生は要注意です。
5年間の死傷者合計数を月別に見ると、1年生は、4月693人、5月1,031人、6月1,139人、7月1,000人、8月699人、9月856人、10月1,072人、11月1,021人、12月911人、1月623人、2月732人、3月863人となっています。新1年生として緊張して登下校している4月よりも、学校に慣れてきた5~7月のほうが実際には交通事故に遭うことが多いようです。同様に夏休み明けの9月よりも、10月と11月のほうが事故は多くなっています。一方、2年生の死傷者も4月は848人だったものが、5月は981人、6月は1,046人、7月は847人などでした。1・2年生をとおして見ると、5月から7月が特に事故の多い「魔の季節」となっています。

5~7月における1・2年生の歩行中の死傷事故の実態を見ると、事故発生の時間帯は、「16~18時」が34.1%、「14~16時」が30.5%、「6~8時」が9.5%などの順。通行目的は「その他」を除くと、「登下校」が31.3%(登校11.2%、下校20.1%)、外での「遊戯」が19.7%などでした。このことから1・2年生の交通事故は、14~18時の時間帯が64.6%を占め、学校からの下校中と帰宅後に外で遊んでいる時が特に危険ということになります。
注目されるのは、死傷事故に遭った1・2年生の子どものうちの67.3%に「飛び出し」などの法令違反があったことです。保護者としてはあまり認めたくない事実ですが、この数字は率直に受け止めなければならないでしょう。子どもの「飛び出し違反」による事故発生時の状況は、「その他」を除くと、「遊戯」が最も多く28.1%、次いで「登下校」23.4%(登校8.1%、下校15.3%)などです。遊びに夢中で道路に飛び出すといったケースと同じ程度に、登下校中の飛び出し事故が多いのが気になる点です。

5~7月にかけての交通事故の多発は、新しい生活に慣れ、行動範囲が拡大する一方、交通ルールを守る意味を十分に理解していないことが原因の一つと考えられます。単に規則だから交通ルールに従うのではなく、自分自身の安全のために交通ルールを守る必要があることをきちんと理解させることが大切です。気候がよくなるこれからは、子どもたちが活発に遊び始める時期です。もう学校に慣れたからと気を緩めず、繰り返し交通ルールを守ることの意味を子どもたちに教えていくことが必要でしょう。


プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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