ひと味違う! 水族館の楽しみ方【前編】見学編

アザラシ・イルカ・クマノミ・ラッコなどさまざまな海の生き物を観察できる水族館は、夏のレジャーの大定番ですよね。生き物たちを見るだけでも楽しい水族館ですが、海の生き物の飼育や生育環境などの研究が行われているため、お子さまが海の生き物や環境について学び、自由研究にも生かすことができるのに、ぴったりな場所でもあります。今回は横浜・八景島シーパラダイスの広報催事担当の鷲田侑香さんに、ひと味違う水族館の楽しみ方をお伺いしました。



水槽の観察のポイント

水族館の水槽を見るときは「色がキレイだなー」「たくさん泳いでいるなー」などと、なんとなく眺めて終わりにしていませんか。お子さまと見学するときのポイントをいくつかご紹介します。注目して見るポイントを決めておくとお子さまも集中して観察しますし、新たな発見があるかもしれません。

・顔に注目

ゆうゆうと泳ぐマンボウ

魚たちの顔に注目してみると、一匹一匹が実に個性的な顔をしていることがわかります。「あの魚は○○ちゃんに似ているね」「この魚は怒っているような顔に見えるね」などと、魚たちの表情を見ながら親子で感想を言い合ってみてはいかがでしょうか。目だけ、口だけなどパーツに注目して、魚たちを見比べてみるのも楽しいですよ。たとえば、マグロなど泳ぎの速い魚は水の抵抗を受けず速く泳ぐために目が出っ張っていませんが、ハコフグなど泳ぎの遅い魚は目が出っ張っているんです。また、魚たちの目は動くものにはよく反応し、色や模様も区別できるため、マンボウなどの大きな魚を見つめていると、水槽の外にいても目が合うこともあるんですよ。

・体に注目

砂から顔を出しているチンアナゴ

次に注目してほしいのは魚たちの体の形や色です。魚は住む場所や暮らし方の違いによって、左右に平たい形や上下に平たい形など、異なる形をしています。たとえば、マダイは平たい形をしていますが、これは泳ぐ向きや速さを変えるのに適している形。チンアナゴは細長い形ですが、水底の砂にもぐったりするのに適していると言えます。

体色も同様に、岩肌に似せた擬態をして身を隠して捕食のチャンスを狙う魚、派手な体色で自分がおいしくない魚だと捕食者にアピールする魚などさまざまです。魚たちの体の形や体色は、海の中で生きていくための知恵が隠されているんですよ。その理由を想像しながら見学し、自宅に帰ったらその理由を調べてみるのも面白いと思います。

・泳ぎ方に注目
どんなエサを食べるかなど生活のしかたによって、泳ぎ方にも違いがあります。いつも泳いでいる魚もいれば、岩陰にこっそり隠れてまったく動かない魚もいます。たとえば、ジンベエザメは、大きい口を開けながらゆっくりと泳いでいますが、それは海中にいるプランクトンを食べるためなんですよ。また、ひれの使い方に注目してみるのも面白いと思います。胸びれだけを使ってゆっくり泳ぐ魚、尾びれや体全体を動かして速く泳ぐ魚など、違いに注目してみてくださいね。

・群れに注目

イワシたちの大群泳

近年、自然界のありのままの姿を見せる「行動展示」と呼ばれる展示方法をするのが、水族館のトレンドです。巨大な大水槽に何十種類もの海の生き物を展示している水族館も多いのではないでしょうか。そうした大水槽では、魚の群れに注目してみてください。群れをつくって泳いでいるもの、つくらないもの。群れも魚の種類によって魚と魚の間隔が異なっていたり、構成している数も違っていたりすることがわかります。
横浜・八景島シーパラダイスの大水槽では、国内最多5万尾のイワシたちの大群泳を中心に「大海原で繰り広げられる自然界の姿」を再現しています。

イワシたちが写真のようにキレイに群れをなして泳いでいるのには、秘密があるんです。エイやサメといった天敵をあえて一緒の水槽に入れることで、イワシたちは緊張感を持って泳いでいるのです。エイやサメは、お腹がとても空いているときはイワシを食べてしまうこともあります。
水槽の中で、泳ぐ位置も魚によって異なります。上記で紹介した大水槽では、上はサメ、エイは下を泳ぐことが多いんです。水族館ではこうした魚たちの泳ぎ方や生活を考慮し、魚たちがキレイに泳いでいる姿が見えるように計算して展示しているんですよ。大きな魚や目立つ魚だけでなく、水槽の隅や下にいる脇役たちにもぜひ注目するように、お子さまに声掛けしていただけるとうれしいですね。

──次回は、より水族館を深く楽しむためのポイントをお聞きする予定です!

●取材協力・写真提供……横浜・八景島シーパラダイス



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