今井絵理子さん(歌手)が語る、家族が笑いで包まれる子育て【第2回】 「なんくるないさぁ」が笑顔をつくる

沖縄から彗星(すいせい)のごとく現れた、人気グループ "SPEED"のメインボーカリストとして、12歳でデビューした今井絵理子さん。先天性聴覚障がいのある息子さんを育てられている、シングルマザーです。前回は今井さんの子育てのポリシーについて伺いましたが、今回はそのポリシーを支える考え方や、今井さんご自身が育ってきた環境について、お話を伺いました。

愛情豊かな両親に今も育てられて

息子の礼夢(らいむ)は、ゆっくりと着実に成長しています。彼のペースに寄り添って、「焦らず・比べず・諦めず」、毎日の子育てを笑顔で楽しんでいます。こうやって笑顔の絶えない生活ができるのも、私自身が両親からたくさんの愛情を受けて育ったからだと思うんです……。今でも育ててもらっています。

私は小さいころから「歌手になる」と決めていました。歌うことが大好きだった私に、好きなことに打ち込める環境を提供してくれた両親には、本当に感謝しています。沖縄で暮らす両親にとっての私の存在は、上京した12歳の時で止まっているみたい(笑)。今でも10代の絵理子のまま、厳しく優しく、育てられ続けています。そんな両親から受け継いでいるな、と感じるのは、昔からくり返し言われた「なんくるないさぁ」という沖縄独特の言葉と精神です。



「焦らず・比べず・諦めず」を支える「なんくるないさぁ」

「なんくるないさぁ」には、沖縄の言葉で「大丈夫! まだまだ道はあるよ」「なんとかなっていくから大丈夫だよ」という意味合いがあります。両親がよく口にしたこの言葉は、今、私自身への大きなエールになっています。

子育ては次から次へと心配事が出てきますし、常に選択の連続ですよね。自分のことなら自分で決めますから、何が起きても自己責任です。でも子どもにとってベストと思えることを子どもに代わって決断するのが親の役目。どうしたらいいんだろう、これでいいんだろうかと迷い悩むこともしょっちゅうです。そんな時こそ、「なんくるないさぁ」と思って笑顔をつくります。この言葉は、自分自身へのエールの言葉でもあるんです。

よく誤解されるのですが、投げやりでどこか他人任せな、「なんとかなるさ~」「どうにかなるさ~」という意味ではありません。“がんばっていれば”道は開けると、努力することが前提にあっての「なんくるないさぁ」なんです。

これでいい、努力し続けていればきっとうまくいく、と信じることで、笑顔でいられるような気がします。両親から受け継いだこの考え方は、ぜひ息子にも継承してほしいと思っています。



ふるさとが沖縄でよかった

温暖で開放的な沖縄の空気は、礼夢も大好き。ふるさとの文化にはできるだけたくさんふれさせたいと思っています。ソーキそばが大好物で、ゴーヤや、てびち(豚足)などはちょっと苦手。私も子どものころはそうだったので、大人になるにつれ食べられる食材も増えてくるでしょうね。明るくてバイタリティーあふれるおばあちゃんと、ストレス知らずのファンキーでマイペースなおじいちゃんに、めいっぱい甘えられる沖縄は、礼夢にとって超超超パラダイスです(笑)。

毎日を生きていくのに大変なこともあるけれど、沖縄の空港に降り立ってあの空気とにおいにふれたとたん、「わぁ~っ」とおおらかで開放的な気持ちになります。ここで育ってよかった、帰る場所が沖縄でよかった、自分が母になってからは一層、そう感じるようになりました。

次回は、礼夢くんを授かった意味と使命への気付き、そしてアーティストとしての活動について伺います。

『おやこ劇場』
<祥伝社/今井絵理子(著)/1,365=税込み>

プロフィール



1983年沖縄生まれ。1996年に12歳でSPEEDのメンバーとしてデビュー。2004年に結婚、長男を出産。その後、息子の聴覚障がいを公表。音楽活動と並行しての講演会や執筆活動に加え、全国の子どもたちに笑顔を届けるイベントを実行するなど、活躍の場を広げている。

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