【6年生】1月入試を本番に生かす [中学受験歳時記コラム ~いま取り組むべきこと~ 第62回]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。このコラムでは、4年生から6年生のお子さまと保護者のかたに、毎月特に取り組んでほしい重点事項を紹介していきます。
前回に続き、今回は6年生を対象に、2月1日より前に行われる入試、いわゆる「1月入試」について取り上げます。



「1月入試」のメリットは?

東京都と神奈川県の入試解禁日は2月1日、埼玉県と千葉県ではこれより前の1月に入試が行われます。また、首都圏会場入試を1月に行う他府県の学校もあります。東京都と神奈川県の受験生が、腕試しとしてこれらの入試を受験することを、一般に「1月入試」と呼びます。
「1月入試」を受けるメリットとして、以下の点が挙げられます。

●入試本番の緊張感に慣れる
模擬試験と違い、入試本番の緊張感は独特です。その中に身を置くと自分がどうなるかをあらかじめ体験しておけば、2月の入試であがらずにすみ、気持ちの余裕も生まれてきます。

●今年度の傾向がわかる
理科・社会の時事問題、算数の問題形式など、その年度の傾向をつかむことができます。

●冷静に試験結果の分析ができる
志望校、本命校であれば、合否に気持ちが行きすぎて冷静な分析がしにくいものですが、1月入試は時間配分、正答率の高い問題を確実に得点できたかなど、答案を丁寧に分析して2月に生かすことができます。

近年は、1月入試を受けず、ぶっつけ本番で2月を迎える受験生も増えていますが、このようなメリットがあるため、依然、1月入試を利用する人は数多くいます。



どんな学校を受けるべきか

受けるのは1、2校で十分。できれば、第一志望校と難易度や出題傾向が似ているところが望ましいですね。自宅からあまり遠すぎないところを選び、体力の消耗を避けることも大切です。利用する交通機関や学校までの道順もしっかり調べて、余裕を持って動くこと、事故などで交通機関が止まった場合の対処を考えておくことも、2月入試への予行演習になります。



入試当日に注意すべき点

本番のつもりで、時間配分に注意しながら取り組みます。まずは全体を見渡し、明らかに難問と思われるものは飛ばして、やさしいものから取りかかること、見直しの時間を最後に5分程度とることも大切です。
なお、試験会場には、これまで取り組んだ問題集や参考書を持って行くと「お守り」として有効です。間違えた問題や苦手な単元のみ見直すことができますし、「自分はここまでやったんだ」という自信と安心感が得られます。



第一志望入試日をピークに持っていくために

腕試しとはいえ、入試である以上、合否が出ます。残念な結果になれば、やはりお子さまは落ち込むことと思いますし、合格だった場合は有頂天になって気が抜けてしまう場合もあります。そうなるのを防ぐためには、結果を分析して反省点を見つけ、それを改善するための具体的な手段に落とし込むことです。正答率の高い問題を落としている場合、その原因は答案を書く時のミスなのか、理解不足なのかで対策は異なりますし、問題を解くスピードを少しだけアップして、見直しの時間をとれればミスは防げるかもしれません。解答の分析と改善策の提案は、塾の先生にお願いできる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

志望校の入試までの1か月は、子どもの力が大きく伸びる時です。たとえ1月入試で残念な結果だったとして、その気持ちの揺れを経験することも、心に成長を刻むよい機会です。お子さまのつらさや焦りも受け止めて、「何があっても応援しているよ」「一緒にがんばろうね」という気持ちを伝えながら、伴走してあげてください。1月入試の反省を生かし、志望校の入試日に気持ちをピークに持っていければ最高ですね。

次回は、4年生を対象に、2月の重点課題について取り上げます。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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