入試本番までに、これだけは確認したい5つのポイント[中学受験 6年生]
入試本番が徐々に近づき、焦りを感じていらっしゃるかたも少なくないと思います。
今回は、入試当日までに、これだけは確認しておきたい5つのポイントについてお話しします。
「できないこと」より、「できること」を確実に
入試が迫ってくると、「何をするか」より、「何に絞るか」が大切になってきます。中学入試の標準的な問題をコンパクトにまとめた薄い問題集を使って、冬休みの間に弱点のチェックを行いましょう。まちがえた問題は、「解けそうなもの」「ミスをなくせば正解になるもの」に限って復習します。「難しくてわからないもの」は、この段階では手をつけなくてかまいません。今は「できること」を確実にできるようにするほうが大切です。
過去問は、直前までに昨年の合格点をめざす
第一志望校の過去問題は、少なくとも5年分を用意し、古いほうから取り組むのがおすすめです。志望校の別日程や併願校の過去問もあわせるとかなりの時間を要しますので、きっちりスケジューリングをする必要があります。
尚、最初は「できなくても当たり前」とお子さまに伝えて、時間も長めにとってかまいません。入試は、5割の人ができている基本問題を落とさず、半分より上の得点がとれれば合格する可能性が大きくなりますので、正答率がわかる場合は、50%以上の問題に絞って復習させましょう。昨年度の問題は受験直前の総仕上げに使い、昨年の合格点をめざして、本番どおりに取り組むとよいでしょう。
交通機関に遅延が生じたときのルート確認を
事故や雪などで交通機関にトラブルが生じた場合、どのように入試会場まで行くか、事前にシミュレーションしておきましょう。トラブルの際は、入試の時間帯を分けるなど、学校側でも配慮してくれるケースがほとんどですが、お子さまが焦らずに実力を発揮できるよう、別ルートをあらかじめ考えておくことが大切です。
悔いを残さない併願パターンをシミュレーションしておく
入試に「必ず」はなく、調子の良い日もあれば良くない日もあります。1日目で調子が良かったとき、2日目はA校を、不安なときはB校を受けるというふうにさまざまなパターンを考え、多めに願書を出しておくと安心です。近年、首都圏の男子校・女子校の3日目以降の入試は、比較的入りやすいという傾向もあります。最終的にお子さまも保護者のかたも「良かったね!」と笑顔で受験を終えられるよう、念には念を入れてシミュレーションしておきましょう。
また、次の試験を受ける直前に、インターネットなどで前の試験の合否がわかってしまう場合があります。残念な結果になってしまった場合、それを伝えたほうがよいかどうかはお子さまの性格によります。落ち込んで実力が出せなくなるお子さまもいますので、「結果は明日学校に見に行くからね」などと言っておき、合否は保護者のかたの胸にしまっておいたほうがよいかもしれません。
なお、合否を確認した後は、すぐに入学金等が必要となりますので、お金の流れも早めに確認しておきましょう。
喜怒哀楽の「怒」「哀」は抱え込まない
この時期、疲れやストレスがピークに達しているというかたがたくさんいらっしゃいます。ここ数年、お子さまと一緒にがんばってこられ、間もなくその結果が出るのですから、平静でいられないのは当然かと思います。ただし、マイナスの感情をお子さまにそのままぶつけることは避けなくてはなりません。そのためには、気持ちを一人で抱え込まないことが大切です。中学受験を経験した先輩保護者など、悩みを気軽に話せる相手をつくっておきましょう。
また、ときどきご自分の口調が喜怒哀楽の「怒」や「哀」ばかりになっていないか、冷静に振り返ってみることも大切です。お子さまの前では、俳優になったつもりで、おおらかな「受験生の保護者」を演じていただければと思います。 保護者のかたも、ご自身をいたわりながら、最後までお子さまの挑戦を見守ってあげてください。お子さまのご健闘をお祈りしております。
(筆者:森上 展安)