内容も様変わり!? 「小学校の通知表」

アンケート期間 2011/09/07~2011/09/09 回答者数:2,609人
アンケート対象:本サイトメンバー 小学生の子どもをもつ保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある

今回のテーマは通知表。学習評定だけでなく、生活態度や先生からのコメントなど、お子さまの学校での様子を知る情報源として貴重ですよね。そこで、小学生のお子さまをお持ちの保護者のかたに、通知表の先生のコメントへの満足度合い、保護者がコメントを書くときの留意点、保護者の子ども時代と比べて今の通知表をどう思うかなどを伺いました。



約6割の保護者が、夏休み前に「通知表」なしと回答!

最初に、お子さまの学習到達度について、夏休み前に学校からどのように知らされたかを伺いました。また、今回の通知表に書かれた先生のコメントについてどう感じるかもお聞きしています。

【図1 夏休み前に通知表、または通知表のような学習到達度についてのなんらかのお知らせ・先生からの通知がありましたか? 近いものをお選びください】

図1 夏休み前に通知表、または通知表のような学習到達度についてのなんらかのお知らせ・先生からの通知がありましたか? 近いものをお選びください


【図2 お子さまの通知表の先生のコメントについて、今回はどのように感じましたか?】

図2 お子さまの通知表の先生のコメントについて、今回はどのように感じましたか?


最も多かったのは、子どもの学習到達度を「個人懇談で知らされた」という保護者で45%(図1参照)。
「通知表」は2位で、41.9%。つまり、「夏休み前には学校から通知表はもらっていない」という保護者が約60%を占めることになります。「子どもの学校は2学期制のため、通知表をもらうのは秋休み前です」という声も聞かれました。
「その他」としては、「学習到達度は保護者会で知らされた」「学力診断の結果をもらった」といった回答が寄せられています。
また、通知表に書かれた先生のコメントについては、「満足である」という保護者が68.3%でトップ(図2参照)。「まだ通知表を受け取っていない・受け取ったがコメントがなかった」というかたも19.7%いらっしゃいました。



10人に2人以上は、通知表にコメントを書くのに時間がかかる!

次に、お子さまの通知表に保護者が何か書くことがあるかどうかを伺いました。また、保護者のコメント欄が「ある」というかたには、コメントをどれくらいの時間で書けるかもお聞きしています。

【図3 子どもの通知表にコメントを書く欄が「ある」というかたに伺います。コメントを書くときのあなたはどれに近いですか?】

図3 子どもの通知表にコメントを書く欄が「ある」というかたに伺います。コメントを書くときのあなたはどれに近いですか?


お子さまの通知表に保護者が書く欄としては、「ハンコ・サイン欄がある」という保護者が88.6%、「コメント欄がある」というかたが35.8%でした。
また、コメント欄が「ある」というかたのうち20%以上が「コメントを書くのに時間がかかる」と回答しています。その理由として、次のような声が寄せられています。

●文を慎重に考えるから。子どもも先生も読むものなので、下手なものは書けません。子どものがんばりをほめつつ、次のステップを踏み出すよう促すようなコメントにしようと、時間をかけています
●もっと気の利いたことを書こうと考えるため。結局、いつも同じようなコメントばかりになってしまうのですが……
●コメント欄のスペースに合わせて、こちらの思いが先生に伝わるように簡潔にまとめようとすると、文を練るのに時間がかかります
●今の通知表は、わたしのころと違ってパソコンの文字なので、コメントを書く気がしません



コメント内容は「家庭での我が子の様子」が約7割!

続いて、保護者がお子さまの通知表にコメントする内容を伺いました。

【図4 コメントにはどんなことを書きますか? あてはまるものをすべてお選びください】

図4 コメントにはどんなことを書きますか? あてはまるものをすべてお選びください


最も多かったのは、「家庭での我が子の様子」を書くという保護者。約7割を占め、ダントツです。続く「通知表の内容について」は約3割、「お礼」は約2割でした。
「その他」としては、「新学期にがんばってほしいこと」「子どもへのメッセージ」「夏休みの様子」などが挙がりました。
では、保護者がどのようなコメントをしているか、次に見ていきましょう。

●子どもが「○○先生のクラスになって良かった」と言って、毎朝の登校を心待ちにしています。親としても楽しく学校に通えることを喜んでいます(小5の保護者)
●時間の管理ができるようになり、宿題も自分から進んでできるようになってきました。忘れ物はまだまだ多いので、減ったら良いなと思います(小4の保護者)
●1学期は○○をがんばりました。夏休み中は△△をやったり、家のお手伝いをがんばったりしました。2学期も健康に留意して充実した毎日になると良いです(小4の保護者)
●学校で友達もできたようで安心しました。3年生になり、自分なりに工夫して自宅学習に取り組むようになってきています。2学期は、もう少し積極的に発表できるようになってくれたら良いなと思います(小3の保護者)
●[子どもの書く字が雑という担任からの指摘に対して]本人も思うように書けず、悩んでいるようです。家庭でもノートを見直し、雑なところは子どもに確認させて一緒に書き直すなど、少しずつ練習しています(小3の保護者)



子どもの通知表に初めてコメントを書く保護者へのアドバイス!

小1のお子さまをお持ちの保護者に向けて、先輩保護者から、通知表にコメントをするときのアドバイスをいただきました。

☆小学1年生の保護者のかたは、初めてのことで、何をどう書くのが良いのかわからないかたもいらっしゃるようです。アドバイスがあればお願いします。

●難しく考える必要はないと思います。わたしは、今後の課題や家での様子などを気軽に書いています
●先生が気づきにくい、お子さんの家での様子などを書くと良いのではないでしょうか。学校に対する批判は、なるべく避けたほうが良いと思います
●元教員です。わたしは在職中、受け持ちの子どもについて、夏休み中の様子や家庭でがんばっていることなどを知りたいと思っていました。だから今は親として、そういうことを書くようにしています
●アルバムと同じように思い出になるものなので、お子さんの様子を記録するつもりで書くことをオススメします。お子さんが大きくなって見返したとき、自分がどんな子どもだったのかがわかるように書くと良いのではないでしょうか



夏休み明けに通知表を子どもに手渡すとき、保護者はどんな声をかける!?

次に、夏休みが終わり、学校に持っていくようにお子さまへ通知表を手渡すとき、保護者がどんな声をかけたかを伺いました。

☆夏休みが終わり、お子さまに通知表を学校に持っていくように渡したとき、何かお子さまに声をかけましたか? さしつかえない範囲で教えてください。

●2学期は1学期より勉強が難しくなるから、しっかりがんばってね
●「お母さんのコメント、読んだ?」と尋ねました

目立ったのは、「何も言わなかった」という保護者です。その理由としては、次のような声が寄せられています。

●子どもへのメッセージのつもりで通知表にコメントを書いているため、あえて直接は声をかけませんでした
●1学期の終業式の日、通知表をもらってきたときに声をかけているため。でも、今思えば、2学期の始業式の日にも何か声をかければ良かったかも……

「子どもの学校の通知表はパソコンからプリントアウトされたもの。自宅で保管または破棄することになっています」など、「通知表を返却する必要がない」というかたも多くいらっしゃいました。また、「2学期制のため、夏休み前には通知表を受け取っていない」というかたも少なくありませんでした。



子どもの通知表に対する保護者の意見をご紹介!

最後に、保護者ご自身の子ども時代の通知表と比較して、お子さまの学校の通知表をどう思うかを具体的に伺いました。

☆小学校の通知表はかつての保護者世代と比べて様変わりしています。あなたは小学校の通知表についてどのような感想を持っていますか?
●子どもの通知表を見ると、ひとつの教科をいくつかのカテゴリーに分けて成績を示しています。わたしの子ども時代よりも、学習のどこが良くてどこに課題があるかがわかりやすくなっていると感じています
●子どもの通知表は絶対評価ですが、評価の基準があいまいであるような気がします。わたしの時代の通知表のように相対評価をするほうが、評価にぶれがなく、また子どもの学習に対するモチベーションも上がると思います
●子どもの通知表では成績が「よくできる」「できる」「もう少し」の3段階評価ですが、これではどの程度できるのかがいまひとつわかりません。わたしのころのように5段階評価にしてほしいと思います
●子どもの通知表を見て驚いたのは、立派なファイルに綴じられていること。わたしが子どものころからは考えられません。書かれている内容自体はわたしの時代と変わらないものの、先生のコメントは手書きではなくなっていました。パソコンで入力された文字だと、何となく温かみが伝わりにくい気がします
●子どもの学校は2学期制なのですが、わたしのころは3学期制だったので、夏休み前に通知表を受け取らないことにどうしても違和感があります。通知表をもらってから長期休暇に入るほうが、子どもにとっても良いと思います


お子さまの通知表の書式やスタイルには、保護者の時代に比べてさまざまな変化が見られました。先生からのコメントが手書きではなくパソコン入力にする学校や、通知表を返却する必要をなくす学校も増えているようです。「自分のころと比べて、学習評価の基準がわかりにくくなった」といった声も少なくありませんでした。
ただ、今でも、保護者の捺印・署名欄は9割近く、保護者のコメント欄は3割強の通知表に残っており、学校と家庭をつなぐツールの一つであることがうかがえます。

通知表は、お子さまの成長の大切な記録です。保管して振り返ると、保護者としても、そのときどきの自分のコメントが懐かしく思い出されることも多いのではないでしょうか。


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