「夢を叶える子ども」の育て方[やる気を引き出すコーチング]

あけましておめでとうございます。例年のことですが、あっという間に新しい年を迎え、今年の抱負に想いをはせる時期となりました。お正月に、「今年の目標」について話し合われたご家族もあったことと思います。

年の初めのテーマは、やはり、「夢を叶(かな)える!」です。ご自身の夢そのものが、「子どもの夢を叶えてやりたい!」という方もいらっしゃるでしょう。
中学生ぐらいからすでに夢をあきらめて生きている子どもが多いと以前にも書きました。「『夢』と『将来の職業選択』は別!」「やりたいことだけでは生きていけない!」と考え始めている子どもたちにどう関わったら、夢を叶える子どもへと成長していくのでしょうか。一緒に考えてみませんか。

まずは、「ねぇ、夢って叶うの?」とお子さんから質問されたら、何と答えますか?


「夢は叶うもの」と伝える

「はっきり言うけど、夢は叶うよ!」
わたしは、いつも断言することにしています。
「ホントかよ?」
「キレイごとだろ」
そんな反応をする子どもももちろんいます。しかし、こちらがぶれずに伝えることで、耳を傾けようとし始めます。子どもたちも本当は「夢は叶う」と言ってほしいのです。

「何でも叶うの?」
「叶うよ!」
「どんなことでも?」
「世のため人のためになることなら何でも叶う」
「思った通りになるの?」
「なるよ。そのままズバリの形では叶わなくても、別の形になって叶うこともあるよ。たとえば、わたしは、学校の先生になりたかったけど、採用試験が難しいと言われてあきらめた。でも、今、先生の免許を持っていなくても、学校に呼ばれてこうして生徒の皆さんの前でお話をさせてもらえているよ」
ぶれずに伝えることで、子どもたちもその気になっていきます。

何事か成し遂げた人の親は、とにかく器が大きかったという逸話が残っていますね。
「私、女優になりたい」
「あなたなら、なれるんじゃない」

「俺、プロ野球選手になる」
「いいねー! やってみたら」

お医者さんのお子さんがお医者さんになる割合が高いのはなぜでしょう? もちろん、医学部に進学させられるだけの経済的な基盤があることも理由の一つですが、子どもが「医者になりたい」と言ったら、まず反対されないからではないでしょうか。

「夢は叶うよ!」「できるよ! それ」と、まず、言ってあげませんか。


「夢を叶えるために、今、何をするのか」を考えさせる

「じゃあ、どうやったら夢は叶えられるの?」
「それをこれから一緒に考えてみようよ。夢を叶える方法は一つじゃないよ。どうすれば、夢に近づけるかな?今から、何をやっておいたらいいかな?」
「練習は毎日する!」
「いいねー! どんな練習? 毎日どれぐらい?」
「ランニング10分、素振り100回」
「スゴイね! あと、やっておいた方がいいことって何かないかな?」
「やっぱ、礼儀はきちんと」
「そうだね。大事だね。礼儀をきちんとってどんな感じ?」
「自分から大きな声であいさつをする」
「いいねー! 他には?」
 
夢に向かって努力したことは、決して無駄にはなりません。最初からあきらめて何もしないより、その経験は、その後の人生でその子を支える資源となります。何がどう影響して、どんな形で夢が実現するかはわからないのです。
「宇宙に行ける!」と思った人しか、宇宙に行くための方法を発見していないのです。「夢は叶う! そのために何をするのか?」を考えられる子どもだけが夢を叶えていくのです。


あ、わたしの夢ですか? わたしの夢は、小学校から「夢を叶えるための授業」がカリキュラム化され、その中でコーチングを教えるような教育制度を作ることです。今年も、子どもたちから大人の皆さままで、広く深く「成果を生み出すコミュニケーション」をお伝えしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。


プロフィール


石川尚子

国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。著書『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

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