中1生の保護者の8割がテストの答案を返却後に見ている

アンケート期間 2010/08/04~2010/08/05 回答者数:2,612人
アンケート対象:全国の本サイトメンバー 小学生以上の保護者

※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある



今回のテーマはテスト。お子さまの学力を把握する情報源として、保護者としてはテストの結果は気になるところですよね。今回の調査では、約8割のお子さまがテストを保護者に見せる習慣があることがわかりました。また、学習内容を把握しているか、子どもからの質問に答える自信があるかなどについても伺っています。
今回のアンケートは、小学生以上のお子さまをお持ちの保護者にご協力いただきました。





保護者にテストを見せる習慣がある子どもは約8割!

最初に、お子さまは保護者にテストを見せる習慣があるかどうかを伺いました。

【図1 お子さまは、そもそもテストを保護者のかたに見せる習慣がありますか?(全体)】
図1 お子さまは、そもそもテストを保護者のかたに見せる習慣がありますか?(全体)


【図2 (横軸)図1の状況についてどのように感じていますか? (縦軸)お子さまは、そもそもテストを保護者のかたに見せる習慣がありますか?】
図2 (横軸)図1の状況についてどのように感じていますか? (縦軸)お子さまは、そもそもテストを保護者のかたに見せる習慣がありますか?


【図3 お子さまは、そもそもテストを保護者のかたに見せる習慣がありますか?(学年別)】
図3 お子さまは、そもそもテストを保護者のかたに見せる習慣がありますか?(学年別)


【図4 お子さまのテストの答案や模試の結果をどのくらい見ていますか?】
図4 お子さまのテストの答案や模試の結果をどのくらい見ていますか?


最も多かったのは、「子どもはテストを見せている」という保護者。「毎回見せている」「だいたい見せている」を合わせると、全体の約8割に達します。ほとんどのお子さまは、保護者にテストを見せる習慣があることがわかります。
そして、「テストを見せない」お子さまには、保護者は不満を感じていました(図2参照)。
学齢別に見ると、「テストを見せている」という割合は中学2年生から下がり始めます。高校2年生から5割を下回りました。
テスト別では、保護者が目を通す割合が高いのは、「学校の学期末のテスト」と「学校の定期テスト」「毎回見ている」という保護者が半数近くを占めています。


テストで間違えた問題はやり直すよう伝える保護者が多い!

次に、お子さまのテストの結果を見て言及するのはどんなことかを伺いました。

【図5 (横軸)お子さまのテスト答案を見て結果が良かった時、何について言及しますか?(複数回答・学年別)】
図5 (横軸)お子さまのテスト答案を見て結果が良かった時、何について言及しますか?(複数回答・学年別)


【図6 (横軸)お子さまのテスト答案を見て結果が良くなかった時、何について言及しますか?(複数回答・学年別)】
図6 (横軸)お子さまのテスト答案を見て結果が良くなかった時、何について言及しますか?(複数回答・学年別)


【図7 テストでできていなかったところがあった場合、お子さまにやり直しをするように伝えていますか?】
図7 テストでできていなかったところがあった場合、お子さまにやり直しをするように伝えていますか?


お子さまがテストで良い結果を残した時、「点数」「できている内容」「間違えた内容」について言及する保護者が、どの学年でも多いことがわかります。
小学校中学年までは「できている内容」について言及する保護者が非常に多く、「できたことをほめる」「喜ぶ」といった傾向があるようです。ところが、高学年以降は、「間違えた内容」について言及する割合のほうが高くなり、特に中1生では最も言及されています。初めての定期テストということで、保護者のチェックもシビアになるのかもしれません。
一方、お子さまのテスト結果が良くなかった時、最も言及されているのは「間違えた内容」について。どの学年の保護者でも圧倒的でした。中学生から急増するのは、「テスト対策の取り組み方」について言及する保護者です。これはテストの結果が良かった時にも見られますが、悪かった時のほうが言及する割合は高く、中3生では約5割に及びます。中学生になると勉強が難しくなり、きちんと準備をしてテストを受けないと点数が取れないこと、さらに高校入試を控え、受験本番までに学習習慣を定着させたいと考える保護者が増えることが考えられます。
また、テスト結果の良し悪しを問わず、7割以上の保護者が、間違えた問題をやり直すよう子どもに伝えていました。「学校・塾などから子どもにやり直しを指示する」という場合も約2割ありました。


子どもの学習内容把握のピークは小3生の保護者!

では、保護者は、お子さまの答案をどれくらいの頻度で見ているでしょうか。お子さまの学習内容をどれくらい把握しているかも伺っています。

【図8 あなたご自身は、お子さまのテストの答案をどのくらい見ていると思いますか?】
図8 あなたご自身は、お子さまのテストの答案をどのくらい見ていると思いますか?


【図9 あなたご自身は、お子さまの学習内容について正直なところどのくらい把握していると思いますか?】
図9 あなたご自身は、お子さまの学習内容について正直なところどのくらい把握していると思いますか?


【図10 あなたご自身は、お子さまのテストの答案をどのくらい見ていると思いますか?(学年別)】
図10 あなたご自身は、お子さまのテストの答案をどのくらい見ていると思いますか?(学年別)


【図11 あなたご自身は、お子さまの学習内容について正直なところどのくらい把握していると思いますか?(学年別)】
図11 あなたご自身は、お子さまの学習内容について正直なところどのくらい把握していると思いますか?(学年別)


お子さまの答案を見る頻度について最も多かったのは、「まあ見ている」という保護者。「よく見ている」という保護者と合わせて、全体の7割以上に達します。
学習内容をどれくらい把握しているかについては、「まあ把握している」という保護者が最多。「よく把握している」と合わせると、全体の7割を超えました。
大半の保護者は、答案を見る頻度が高く、学習内容も把握していることになります。
ところが、図10、11を見ると、答案を見る頻度も、学習内容の把握度合いも、お子さまの学齢によって異なることがわかります。
「答案を見ている」割合は、中1生の保護者まで80%以上ですが、中2生の保護者で10ポイント以上低くなり、以後、低下し続けます。
「学習内容を把握している」割合は小3生まで高く、以後、学年が上がるごとに低下します。高2生以上の保護者では、半数以下になってしまいました。


「高校生の学習内容は難しくて質問されても困る」との声多し!

では、学習内容について子どもから質問された場合、保護者は答える自信があるでしょうか。

【図12 あなたご自身は、お子さまの学習内容について、質問されたら答えられる自信がありますか?】
図12 あなたご自身は、お子さまの学習内容について、質問されたら答えられる自信がありますか?


【図13 あなたご自身は、お子さまの学習内容について、質問されたら答えられる自信がありますか?(学年別)】
図13 あなたご自身は、お子さまの学習内容について、質問されたら答えられる自信がありますか?(学年別)


【図14 お子さまは学習について、あなたを頼りにできると思っている様子ですか?(学年別)】
図14 お子さまは学習について、あなたを頼りにできると思っている様子ですか?(学年別)


「子どもの学習内容についての質問に答える自信がある」という保護者は、全体としては約6割を占めました。
ところが、答案を見る頻度や学習内容の把握と同じように、質問に答える自信も、子どもの学齢によって相違があります。図13を見ると、お子さまの中学校入学と高校入学を機に「学習内容についての質問に答える自信がある」という保護者の割合が大きく低下していることがわかります。特に高校生の保護者では3割以下にまで下がっています。
その理由としては、「高校の数学や理科は内容が高度。質問されても答えられません」「自分が得意だった数学や物理なら対応できますが、苦手だった世界史などは無理。子どもが調べるのに付き合うことくらいしかできません」「自分も習ったはずだけど、すっかり忘れてしまいました」など、高校の学習内容の難しさを挙げる声が目立ちます。
保護者の自信のなさを反映するかのように、「子どもから学習について頼りにされている」という割合も、高校生の保護者が最も少なくなっています。「高校に入ってから、子どもは具体的な勉強内容についてはまったく質問しなくなりました」「中学校までは二人三脚で勉強できましたが、高校入学時に『高校の勉強はお母さんにはわからないから、これからは先生に聞くように』と宣言したので、頼らないようにしているみたいです」「友達や先生に聞いているようです。もう高校生だから、勉強で親に頼るのは恥ずかしいのかも」といった声が聞かれました。
一方、「子どもが高校生になっても学習内容について頼りにされている」という保護者からは、「参考書などを持って『ここ、どう思う?』と質問に来るので、わたしにはわかりそうもない問題でも、一緒に考えます」「ニュースや新聞でわからない漢字や言葉などがあった場合、意味を聞かれます」「わたしの得意科目については、子どもから質問されます」といった声が寄せられています。


保護者は、中3生までの内容を教えられればよいと考えている!

お子さまの学習内容は、学年が上がるにつれて高度になります。では、保護者は、どれくらいの学齢まで内容を把握し、教えられればよいと思っているでしょうか。最後に、それを伺いました。

【図15 お子さまの学習内容は学年が上がるごとに高度になっていきます。どのくらいの学年まで保護者が把握し、教えられればよいと思っていますか?】
図15 お子さまの学習内容は学年が上がるごとに高度になっていきます。どのくらいの学年まで保護者が把握し、教えられればよいと思っていますか?


最も多かったのは、「中3生の学習内容まで把握し、教えられればよい」という保護者で、全体の約38%。
実際の高校生の保護者の声にもあったように、「高校になると勉強が難しくなる」という意識を持つ保護者が多いようです。


(まとめ)
テストは、お子さまの学習の定着度合いを端的に示すもの。高い関心を持つ保護者が多いのも当然ですね。点数にかかわらず、「間違えた問題は解き直すよう伝える」という保護者が多かったのも、しっかりと知識を身に付けてほしいという気持ちの反映ではないでしょうか。
お子さまの学齢によって、また教科・科目によって、保護者は内容を把握できなかったり、質問に答える自信がなくなったりすることもあるようです。保護者が「ここまでは学習内容を把握し、教えたい」と考えるラインは、今回の調査では「中3生」でした。
学習内容が高度になるのも、お子さまの成長の表れです。具体的に勉強を教えることができなくなった時も、保護者としてお子さまが一生懸命学習に取り組む様子を見守ってあげたいものですね。


子育て・教育Q&A