知って安心。赤ちゃんのうんちでわかる健康状態

 うんちは「食べたもの」や「健康状態」を表す鏡。実はいろんな表情を持っていてわたしたちの育児の手助けをしてくれるものです。

 場所によってはささっと処理しなければならないときもありますが、そうでなければ、「今日の赤ちゃんの体調はどうかな?」とうんちを観察してみることをおすすめします。特に新生児・乳児は色も状態もバリエーションが豊富ですが、ある程度わかっているとびっくりすることもありません。

 うんちの色、固さ、形、臭いなどがポイントです。

 

 


母乳はゆるめうんち、粉ミルクはしっかりうんちのことが多い

 新生児であっても、うんちには個人差があります。まず、母乳か粉ミルクかで大きく違います。母乳の頻度、母乳と粉ミルクの混合具合により、うんちは変化します。

 

【母乳の場合】

 水分をたくさん含んでべったりとしたゆるめのうんち。色は黄色っぽい。新生児の場合には「ほぼ黄色」のことも。

 

【粉ミルクの場合】

母乳よりは少ししっかりまとまっているうんち。色は茶色。

 

 離乳食の始まっていない赤ちゃんのうんちは、まだまだ形になるほど固くありません。おとなに比べてあまりにも「ゆるゆるうんち」であっても、心配する必要はないのです。

 

 

緑も青も!?バリエーション豊かなうんちの色

 ある日突然変わった色のうんちが! 驚くかもしれませんが、うんちは腸内の空気やガスに触れることによって、さまざまな色に変化します。次の色なら問題ないと考えましょう。

 

【黄色や茶色だが、白い色が強い】

 色素が薄いだけで、においがいつも通りであれば問題ありません。

 

【緑色、青やグレーに近い】

 腸内でガスに触れている時間が長い、うんちが酸性に変化した、など、成分の変色で十分あり得るものです。問題ありません。

 

 さらに、「水っぽいうんちにツブツブが混じっている」なども、健康に問題はありません。母乳やミルクに含まれたたんぱく質や脂肪が固まって出てきてしまうだけです。

 

 

注意したいうんちは、形とにおいにも特徴あり

 次のようなうんちには、注意が必要です。色だけでなく、形やにおいにも特殊なので、一度知識として取り入れておけば気づきやすいと思います。

 

【水のようなうんちに血液が混じっている】

 普段のうんちにも、腸内でちょっとした出血があり、血が混じることはあります。しかし、うんちが水っぽく健康でない場合は注意が必要です。

 

【かなり白に近い、すっぱいにおいがする】

 白っぽいうんちは普段に出ることもありますが、すっぱいにおいのするうんちの場合、ロタウイルスなどに感染している可能性があります。その他先天性の病気である可能性もあり、注意が必要です。

 

【赤く、べっとりとしたうんち】

 腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)という病気の可能性があります。強い腹痛を伴います。

 

【黒っぽいうんち】

 口の中や胃に出血があるときは、血液の鉄分が酸化されて黒っぽくなります。

 

【食べたものがそのまま出ているうんち】

 食べたものが一部そのままウンチに混ざっていることがあります。これは食べたものが消化されない状態を示しています。

 

【誤嚥(ごえん)したものがウンチにでている】

 誤って、赤ちゃんが飲み込んでしまうことがありますが、2,3日してウンチに出ているか確かめることが必要です。この場合は早急に医師に相談しましょう。

 

 食べ物によってウンチの色が変わることは通常ありません。たとえば、牛乳を飲んだら白い便が、トマトケチャップを食べたら赤い便が出るということはありません。しかし、食べ物の臭いはうんちにも影響しています。

 

 

 不安な場合はすぐに小児科の先生に見せましょう。医師にとっては貴重な資料ですので、うんちをおむつごとビニール袋などに入れて持参しても構いません。あるいは携帯の写真に収めて見せるだけでも十分です。あわてず、冷静に対処していきましょう。

 

 

倉持鎮子

自身も6歳、10歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

プロフィール



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