心と体の発育 (2)そろそろ生理!? 親子で準備しておきたいこと

小学校高学年~中学生にかけて、大人の体へと変化しはじめる子どもたち。女子は初経(初潮)を迎えます。親子で準備しておきたいことはなに? 長年、小学校の養護教諭をされていた宍戸洲美先生にアドバイスをいただきました。



心と体の発育 (2)そろそろ生理!? 親子で準備しておきたいこと


学校では4年生で月経・精通の授業を行います

現在、小学校では4年生から月経(生理)・精通(射精)について教えています。保護者に対しても「女子は生理用品をそろえておいてください」と伝えたり、生理用品のパンフレットを配布したりする学校もあります。
でもこの年齢では初潮や精通のメカニズムについて、理解できない子どものほうが多いでしょう。指導した実感からいうと、4年生で月経について理解できるのは女子の4分の1くらいほど。さらに男子のほうが、発育が遅いので、高学年でも精通を理解できる子はほとんどいないようです。



子どもが興味を示したときに教えてあげましょう

まだ理解できないからといって教えずにいると、まちがった知識を持ってしまいます。性教育は子どもの発達状況を見ながら繰り返し行いたいもの。たとえ小学2、3年生であっても、子ども自身が興味を示したときには男女にかかわらず正しい知識を教えてあげましょう。子どもの質問に親が嫌な顔をしたり、本当のことを隠したりするのはNG。子どもは性に対するマイナスのイメージを持ってしまいます。


ナプキンのCMに興味を持つ子は多いものです
子どもが、「これ、なあに?」など質問してきたときがチャンス。「女の子は生理がきたら使うのよ」「体が大人に近づくと生理が始まるんだよ」「大人に近づくと体の中ではいろいろな変化が起こるけど、生理もそのひとつ」などといったことを、さり気なく教えましょう。


家庭で準備しておきたいこと

学校で月経の授業があったら、それをきっかけに生理用品を準備しておくとスムーズです。もしくは、お子さんに「もうすぐ初経かな?」と思われる兆候が現れたら準備のタイミング。おりものに茶色っぽい色がつくようになると、初経が近いサインです。下着の汚れなどに気を配っておきましょう。
生理用品を親子で準備しながら、「大人に向けて体が変化するのは自然なこと・うれしいこと」といった意識を持てるような会話ができるとよいですね。大切なのは、月経を前向きに捉えるための心の準備。生理用品の使い方やエチケットなどを伝えるのは、初経が訪れてからでもよいでしょう。


うちの子に初経が近づくサインがきたら…
○生理用品を準備する
ナプキンを入れるポーチなども用意しておきましょう。
○「学校で初経が訪れたら保健室へ」と伝えておく
生理用品を持っていなくても、養護教諭が面倒を見てくれるので安心を。

初経が訪れたら…
○ナプキンの使い方を教える。
開き方、下着へのつけ方などを教えましょう。
○月経中のエチケットを伝える。
ナプキンはポーチなどに入れて持ち運ぶこと、ナプキンの捨て方などを伝えて。
○月経中の健康管理術を伝える。
月経は女性の健康のバロメーターにもなるということを伝えたいものです。ですから、月経期間(始まった日、終わった日)を記録する習慣もつけさせましょう。また、ナプキンは汚れたら取り替えることも伝えて。汚れたままのナプキンをつけていると、菌が繁殖しやすくなります。生理中はシャワーを浴びて、清潔にしておくことも伝えましょう。

プロフィール


宍戸洲美

帝京短期大学 生活科学科 学科長・教授。看護師、保健師を経て、3つの小学校で27年間にわたって養護教諭として勤務した経験をもつ。現在は大学で養護教諭をめざす学生たちの指導にあたると共に、NPO法人子育てアドバイザー協会の講師なども務めている。

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