すぐに手が出る息子。どうしたらいい?[うちの子、どう接したらいいの?]

今週の相談「すぐに手が出る息子。どうしたらいい?」


すぐに手が出る息子。どうしたらいい?[うちの子、どう接したらいいの?]


相談者
性別:男子
相談者:母
学年:小4

相談
小4の息子のことで相談です。友達同士やクラスの子同士で口げんかになると、すぐ手が出ます。最初はふざけてつっつきあう程度なのがエスカレートすることが多いようです。相手のお子さんにケガをさせてしまった時に、「暴力はいけない」と言い聞かせ、一緒に相手のご家庭に謝りに連れて行きました。その時は泣きながら「もうしない」と言いましたが、先日クラスのお母さんから「○くんがたたくからイヤだと娘が言っている。回数が多いようなので、お宅でも様子を聞いてみてもらえませんか」と丁寧に言われました。どうしたらよいのでしょうか。

福谷先生のアドバイス
・家族・家庭だけなく外部の力を借りる
男子の粗暴行動は小学校入学以前から始まります。家庭での指導や保育園・幼稚園での指導により改善されることが多いため、小学校の高学年まで続くことは少ないものです。また、この年代の子ども側から見れば「親には愛されている」という絶対的な自信から親の注意や助言をその場かぎりでやり過ごす行動を取ることが出てきます。従って家族や家庭での指導や助言は限界を迎えてきていると考えてもよいでしょう。

特に「弱い者いじめ(この場合、女子)」をするような場合は今後、何らかの対応・対策が必要だと思います。そこで提案ですがコミュニケーションのとり方やルール、友人間のおきて、友情、助け合い等を外部機関や組織をとおして体感してもらい、改善に向かわせることをおすすめします。

ちょうどこのころから子どもの生活環境・人間関係が親や家族から友人・学校・他人に移行してくるので、外部からの指導・助言は良く伝わります。つまり、親にほめられるより友人や親以外の大人にほめられることが嬉しくなるからです。自分を良い子として認めて欲しくなるので、友人や親以外の指導や注意をよく聞きます。
筆者の時代であれば何も外部機関と考えなくてもおじいさん、おばあさん、おじさん、おばさん、親類のお兄さん、お姉さんの力を借りることができました。子どもたちだけでも放課後や休日に自然発生的にできる「遊びのグループ」がありました。「野球」ひとつをとっても子どもたちだけですべて「運営」していました。それこそ、アウトかセーフかでもめて「弱い者をたたいてしまう者」は誰も支持しませんでした。筆者の時代はこのような環境で「社会のルール」や「良いこと」や「卑劣なこと」を学んだように思います。

さて、話を現在に戻しますが「外部機関」の活用についてです。住んでおられる環境・地域の中で、探されればよいと思います。社会のルールやチームワークを学ばせる為に野球やサッカーを習わせる(近年は大人が管理・運営していますが)のも良いかもしれません。また、学習だけでなく生活指導も有名な学習塾が地域にあればそこもおすすめですね。(運動系も学習系も近頃はすべてに料金がかかるのが難ですが)。

最後にこれまで「外部」「外部」と繰り返しましたが、家庭において、より一層のコミュニケーション強化もお願いしたいと思います。粗暴な少年の多くは自ら家庭から飛び出す行動をよく起こしますが、その後、親から「放任」されたとか「無視」されたなどと思う少年が多くいます。子どもの親離れを促進することは放任することや無視することではありません。

「うざい」と思われようと、大切なことは親は言うべきです。ただ、言うタイミング、シチュエーションには工夫が必要です。衣食住すべてそろった自宅の環境より、アウトドアやキャンプなどの場面のほうが気が散らず、子どもは話に集中します。活用してみてください。個人の家庭でこのような環境がつくれない場合は親子で参加できる企画もあるのでおすすめします。地域の子ども会や運動系、習い事のクラブではよく企画しています。

プロフィール



臨床心理士。臨床心理士コラボオフィス目黒理事 。二松學舎大学附属高等学校スクールカウンセラー。著書に『男の子の上手な育て方』。ご自身は、中学生のお父さま。

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