入学準備シリーズ 中学校編1 部活動、どうしますか?
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応援している保護者。でも、ひと言いいたいことが……!
保護者のかたからは、「一生懸命がんばっているので応援している」「3年間、よくがんばったと思う」など我が子への励ましやがんばりを認める声が多くありました。さらに取り組んでいる部活動についての上達以外にも、人間関係について学んでいることやお子さまの新しい物事への挑戦は嬉しいことのようです。
- 部活をとおして先輩後輩の上下関係を学んでいる。クラス以外のお友達ができて、学業以外の共同生活を学ぶことができ、また、好きなことを見つけられた。
- 部長となり、よりよい部になるよう、顧問や他の幹部と話し合いながら、努力している。
- 運動が苦手で自ら外で体を動かすことはしないので、運動系の部活に入ってくれただけでも嬉しく思っていますし、自宅で柔軟体操などをするようにもなりました。
- 遠征や合宿などで忙しそうですが、本人がいきいきしているので子どもの部活動には満足しています。
- とても楽しんでやっており、仲間と一緒に心身共に成長していくのがわかります。
実際、部活動について保護者のかたの満足度を伺うと、約65%、3分の2の保護者が満足しています。一方で、残りの3分の1のかたはどのように感じているのでしょうか。興味深いところです。
【図4 お子さまの中学校の部活動について、保護者として満足度はどのくらいでしょうか?】

- 大会が多く、1年生は自主練習ばかりで先生や先輩から学ぶことが少ないようです。ひたすら筋肉トレ!)ニングばかりで練習意欲が日に日に減退している様子。休日の練習もほとんど出席したことがない。それでも辞めたいとは言っていないのでこのまま様子を見たいと思う。
- 試合などで朝早く出たり、日曜も出かけたり、朝練があったりして、勉強する時間があまりない。
- いまどきの部活動はどの程度の頻度であるのか? 特殊な部活動で伝統校であったために、とてもハードだったので、親も疲労感が残っています。また、部活動の保護者と顧問の間で、懇親会と称し、年に何度か飲み会のようなものを催すのは他の部活動でもあるのか知りたい。
- 「部活動が最優先でしょう」という学校側の態度がちらちら見られるのが気になります。子どもが以前から続けてきた活動(子どもの場合はボーイスカウトです)も大事にして両立したいし塾も……です。学校の先生はどうしても学校中心なのかしら……?
- 大会出場の為、休みの日に親が送り迎えをするなど、大変でした。中学生になったのだから、顧問の先生が引率して、公共交通機関で行くことも大切な体験だと思いますが、親がかりの部活動が多い気がします。子どもも、それが当たり前の感じで……。
- 部活はとても必要だとは思いますが、学校によっては半強制的に全員部活に所属をさせられたり、していない子がいじめに遭ったりするというのはあまり感心しません。学生時代に夢中になれることや発散できることがあるのは大切だと思いますが、強制的にというのは少々問題があるかもしれません。
さまざまな意見が出ましたが、最も目立つのは「ハードすぎて、勉強面に支障が出ている」「小学生までは学習習慣があったのに、部活で忙しくなり、家庭学習をしなくなった」という心配の声です。

部活動のハードさに振り回されてしまう、というのは単に「活動時間が長い」「頻度が多い」ことだけが原因ではありません。体力がまだ足りない、ということも大きいでしょう。
個人差が大きいものの、ついこの間まで小学生だった子が先輩と同じように練習に参加するわけですから、入部したてのころは「眠くてすぐ寝てしまう」「制服のままベッドに転がってそのまま朝まで眠っていました!」ということもあるでしょう。特に運動部では多かれ少なかれそういった体験をしたご家庭がほとんどではないでしょうか。
体力がつき、慣れるまではそっとしておこうという配慮をしたのが運のツキ、夏休みが明けて「そろそろ体力もついたし、勉強を……」と思っても学習習慣がすっかりなくなっており、生活のなかに予習復習という勉強を組み込むことに苦労した、というお話は何人かの中学生の保護者のかたから伺いました。
さらに、「気持ちの切り替え」が上手にできる子かどうか、ということも関係してくるでしょう。休みの日のまんなかあたりに部活動が入っていると、朝から晩まで落ち着かず、何も手に付かないので困った、という声も。メリハリをつけて活動の時間とそれ以外の時間を計画的に使うのは大切なことですね。
次に見られたのは、「活動頻度や内容が充実していない」ことについての不満の声です。どうしても学校の規模や指導者の有無などによって出てくることですが、活動が盛んで充実しているように見えるほかの部活動と比べてしまうこともあるようです。
- 部活というにはあまりにも活動が少なかったので、本人は不完全燃焼だったようです。
- 1年生の人数が多すぎて先輩の指導が行き届かないようで、子ども自身は部活を不満に感じている。
- 活動が少なく、個人でのレベルアップを要求される。
- 顧問と合わなかったら最悪だと思う。楽しくやりたい場合と、厳しくても本格的にやりたい場合があり、なかなか難しいと思う。
- 学校の生徒の数が少ないので、部活の数も少なくて、自分達の時のように選べないのが、かわいそう。
では次に改めて部活動の評価ポイント、そして選択の際に知っておきたいことについて考えてみましょう。