入学準備シリーズ 中学校編1 部活動、どうしますか?
お気に入りに登録
でも、約9割の保護者が「部活は必要」
さまざまな心配がある保護者のかたの声を伺いましたが、実際は非常に多くの子どもたちが部活動に参加しています。部活動について保護者はどういった点を評価しているのでしょうか?

また、小学生時代は何かと保護者の手助けをもらって課題にあたってきた子どもも、自主的に目の前の課題をどうしたら解決できるのか、と試行錯誤する身近な機会が部活動にはたくさんあります。
どうしたら上手に打ち返せるんだろう? どうしたらもっと速く走れるんだろう? どうしたらきれいな音が出せるんだろう? 自分のやり方の何がいけないんだろう? 何をどう直せばよいだろう……? こういった問題解決のための小さなトライ&エラーを繰り返すことができるのが、部活動のひとつの魅力です。それも「イヤイヤ」ではなく、子ども自身が意欲的に楽しんで取り組むのですから、保護者としては応援したくなりますよね。
もうひとつ、複数散見されたのが「部活動がないと、時間をもてあましたり、遊びに走ったりしてしまうのではないか?」というご意見です。
実際に部活動には参加していなくても、クラブチームや地域の活動、習い事や趣味に力を入れている中学生もたくさんいますから、心配のしすぎかもしれません。が、部活動がそれだけ中学校生活の大切な柱のひとつにもなっているという状況を端的に表しているととらえられます。
- 子どもの成長を見ていると、部活動での人間関係は学ぶことがとても多いと思う。同級生だけではなく、上・下級生との関わりもあり、もめることや難しいことはいろいろあるが、考え、話し合い、時にはけんかもして、解決にもっていく過程は大切な学習に思える。これは部活無しのクラスの中だけでは体験できないことのように思える。また、ひとつの目的に向かい協力し合った仲間を得ていることも思春期には大切だと思う。
- 中学校の部活動では目標を持ちそれに向かって努力することを学ぶ。また、上下関係など社会性も身に付けることができる。礼儀など、家族だけではなかなか身に付かないことも学ぶことができる絶好の機会だと思う。
- 部活では縦のつながりや規律を学べる。勝つためにどのように練習すればよいか自分で考える。自由な時間が多いとショッピングなど、浪費ばかりする。
- 中学校高校時代にしかできないことがある。
こういった理由から、ほとんどの保護者が「部活は必要」と回答しています。
【図5 保護者のかたから見て、今後の中学校の部活動についてどのようにお考えですか】

部活動の検討の際に保護者が頭に入れておきたいこと
さて、ここまで中学生の部活動についての実態や保護者の意識を取り上げてきました。これから新中1生は部活動見学、仮入部、本入部と5月まで検討のシーズンになります。どんな理由でその部活を選ぶか、お子さまが選択に納得できているか、活動の状況はどうなのか、活動頻度や長さに対応できそうか……。お子さまからのお話だけでなく、周りの先輩保護者のかたに「あの部って土日はずっと練習なの?」「ハードって聞いたけど、どんなふうだった?」など実際の体験を聞いてみることをおすすめします。
知っておくとよいのは以下に挙げたようなことでしょう。ほかにもご家庭ごとに気になることは、積極的に学校や先生、周囲の保護者のかたに質問してみましょう。ほとんどの子が引退まで続ける部活です。お子さまにとって良い部活が見つかりますように。
【部活動の検討の際に知っておきたいこと】
- 活動頻度や長さ(大会や練習試合の頻度も)
- 顧問の先生の方針
- 昨年度までの成績や活動実績
- 所属部員の人数や学年ごとの構成
- 部長、副部長やマネージャーはだれか、役割や責任
- 試合、大会などに出場・出品できる人数や条件
- 上記以外の生徒の活動内容や様子
- 必要経費(初期費用以外に、特別指導料や試合参加料など)
- 保護者の役割(引率当番や送り迎えの有無)
- 部の雰囲気(厳しい・和気あいあいなど)
みんなが読んでる!おすすめ記事
- 小学1年生の漢字学習 家庭でのサポート法【赤ペン先生】
- 地方の教育予算が4年連続減 子ども一人当たりの学校教育費も
- 入学準備シリーズ 中学校編1 部活動、どうしますか?
- 普段の生活の中で「時計」についてどう教える?
- 小中接続をめぐる教育制度の行方とそれによる学びへの影響はどうなるのか ベネッセ教育総合研究所
- 入学準備シリーズ 中学校編1 部活動、どうしますか?
- おすすめの漢字の勉強法6つ 無理なく覚えるコツは?
- 新型コロナウイルスによる影響で乱れた生活リズムをどう整えるか?(後編) ベネッセ教育総合研究所が子どもの生活・学びの困りごとに応えるシリーズ(10)
- 入学準備シリーズ 小学校編・中学校編 入学月に保護者が気をつけたいこと