およそ8割の親子に共通の趣味あり!

アンケート期間 2008/ 08/06~2008/08/07 回答者数:1305人

※百分比(%)は小数第1位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある。

趣味は私たちの生活に潤いを持たせてくれます。では、保護者と子どもの趣味はどの程度共通しているのでしょうか。今回の調査では、非常に広い分野にわたるさまざまな趣味を、多くの親子が共有していることがわかりました。親子で共通の趣味を持つことについての保護者の考えと、家庭で趣味がどのように楽しまれているかをご紹介します。

共通の趣味を持っているのは同性の親子が多い!

家庭内で親子が共通の趣味を持っている場合、親子の性別はどのような組み合わせになるのでしょうか。

【図1 あなたのご家庭では、親子共通の趣味がありますか? 複数でけっこうですので、あなたのご家族内で共通した趣味を持っている親子の組み合わせを選択してください】
図1 あなたのご家庭では、親子共通の趣味がありますか? 複数でけっこうですので、あなたのご家族内で共通した趣味を持っている親子の組み合わせを選択してください

共通の趣味を持つ親子の組み合わせでは、「母と娘」が最も多く、わずかの差で「父と息子」が続きました。この二つと、3番目に多かった「母と息子」との間にはかなりの差があり、同性の親子の間で趣味が共通している家庭が多いことがわかりました。一方、「親子で共通の趣味はない」と答えた保護者も全体の2割以上いて、「母と息子の間で趣味が共通している」と答えた保護者よりも多数でした。

親子共通の趣味ベスト10! 1位はダントツで野球!!

では、家庭での親子共通の趣味とは、具体的に何なのでしょうか?

【表 回答された親子共通の趣味は、具体的には何でしょうか? いくつでもお書きください】
表 回答された親子共通の趣味は、具体的には何でしょうか? いくつでもお書きください

親子での共通の趣味は、2位に100票以上の差をつけて野球がダントツ! 10位以内には、インドア系の趣味が五つ、アウトドア・スポーツ系の趣味が六つ選ばれ、親子間でさまざまな分野の趣味が楽しまれていることがわかりました。スポーツの中でも、野球やサッカーは、親子で実際に競技に参加する場合の他に、プロ野球やJリーグなどの試合を観戦する場合も多いようです。

10位以下に挙がった趣味は、ピアノ、旅行、料理、パソコン・インターネット、昆虫採集、サイクリング、カラオケなど、実にバラエティーに富んでいます。中には、「家族で大相撲観戦をして盛り上がる」「母と息子で落語を聞いて大爆笑」「母と娘でスーパー銭湯に行ってリラックスする」という回答もありました。余暇の過ごし方が多様化している現在の状況が、家庭での親子共通の趣味にも反映されているのかもしれません。

約9割の親子が月に1回以上共通の趣味を楽しんでいる!?

続いて、保護者が子どもと共通の趣味を楽しむ機会が月にどの程度あるのかを、伺いました。

【図2 親子共通で趣味を楽しむ機会は、月に何回程度でしょうか? すべてを合わせての頻度をだいたいでよいので教えてください。季節によって偏りがある場合は、だいたい平均してご回答ください】
図2 親子共通で趣味を楽しむ機会は、月に何回程度でしょうか? すべてを合わせての頻度をだいたいでよいので教えてください。季節によって偏りがある場合は、だいたい平均してご回答ください

「月に2~4回」と答えた保護者が最も多く、40.6%。「月に1回」がそれに続いて、23.5%でした。親子共通で趣味を楽しむ機会は、仕事や学校などの都合で、土・日曜日や祝祭日が中心となると考えられます。親子双方にとって無理のない頻度で趣味を楽しんでいるようです。
その一方で、共通の趣味を楽しむ回数が「週に3回以上」という親子は9.7%、「ほぼ毎日」という親子も7.8%いて、二つの合計は全体の2割近くになりました。

親子で共通の趣味を持つことを保護者はどう思っているのか!?

保護者は、子どもと趣味を共有して一緒に楽しむことについて、どう思っているのでしょうか?

【図3 親子で共通の趣味があることについてどう思いますか? お気持ちに近いものをひとつお選びください】
図3 親子で共通の趣味があることについてどう思いますか? お気持ちに近いものをひとつお選びください

調査結果では、「親子での趣味の共有はとてもよいことである」という回答が6割を超えて1位。2位の「まあよいことである」と合わせると93.7%となり、親子で同じ趣味を持つことを支持する保護者が非常に多くいることがわかりました。
支持する理由として多かったのは、「共通の趣味を通して、成長期にある子どもの気持ちや感情をよりよく理解できるから」「同じ趣味の話題なら、勉強や学校についての話題と違って、お互い素直な気持ちで話せるから」「趣味が共通の話題となって家庭での会話が弾むから」という声。共通の趣味を持ち、一緒に行動することによって、互いの理解が深まり、家庭での親子間のコミュニケーションが活発になると考えている保護者が多くいました。

一方で、「自分の趣味に対して子どもが興味を持ってくれるのは親としてうれしいが、趣味の押しつけにならないように注意する必要がある」「共通の趣味を楽しんでいる時、親子が友達のようになってしまうのは気がかりである」「趣味の話で意見が違った場合に親子ゲンカになってしまい、困ることもある」という回答もありました。親子が同じ趣味を一緒に楽しむことに価値を認めてはいるものの、子どもとの距離感をどう保つのかを心配する保護者もいるようです。

これから子どもと共通の趣味を持とうと思う保護者は約8割!

最後に、保護者は今後、子どもと同じ趣味を持とうと思っているかを伺いました。

【図4 これからお子さまと共通の趣味を持とうと思いますか?】
図4 これからお子さまと共通の趣味を持とうと思いますか?

「これから子どもと共通の趣味を持とうと思う」という保護者は全体の78.5%でした。そう思う理由では、「親子間でのコミュニケーションのための手段として、共通の趣味を持つことが重要だから」という考えが、多くの保護者に支持されました。そのために、子どもが現在どういうことに関心を持っているのかを、常に意識していたいと思う保護者も多いようです。また、「子どもが成長すれば別行動が増えてくるはずなので、幼いうちに共通の趣味を持って、一緒の時間を楽しみたい」「自分が小さいころは親にほとんどかまってもらえず、寂しい思いもしたので、子どもには多くの楽しい思い出を作ってあげたい」という回答もありました。

「必ずしも親子で共通の趣味を持とうとは思わない」理由としては、「お互いに忙しくて、趣味に使う時間が取れない」「共通の趣味がなくても、家庭での会話は楽しい」「趣味は人それぞれで、誰かに合わせなくてもよい」などの声がありました。


(まとめ)
今回の調査結果から伝わってきたのは、多くの保護者が、趣味を子どもと共有することよって、親子のコミュニケーションがより深まると考えていることです。共通の趣味を子どもと一緒に楽しむ機会を作ることにも意欲的な保護者が多いようです。
一方で、子どもの個性を尊重し、子どもとの適切な距離を保つために、共通の趣味を積極的には持とうとしない保護者もいました。
趣味が親子共通であっても別々であっても、それぞれの家庭ならではの親子のコミュニケーションや距離をじっくり考えていきたいというのが保護者の気持ちではないでしょうか。

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