子どもの社会性を磨く機会とは

Benesse教育情報サイトメンバーへのアンケートによると、学齢が上がるほどかかわる大人の数は増えていく傾向にありますが、子どもが会う学校の先生以外の大人は、就学前以外では「習い事の先生」が断然多いことがわかります。つまり、子どもが接する大人は、何かを教えてくれる人がほとんどだ、ということです。
小学生になると、地域活動にかかわっている大人との交流が増えてくるようです。これは、学校を通して、地域または同級生の保護者とかかわる機会が増えるからでしょう。「その他」についても少なくない数があがっていますが、「近所の人」が大半でした。

【図1　お子さまが家族・園・学校・学童（やそれに相当する施設）以外で、週に1回以上のペースで会い、会話をする大人はどんな大人ですか？】（複数回答）


保護者に、「親や先生以外の大人とコミュニケーション」をすることの重要性について聞いてみたところ、小学生の保護者は4割以上が「とても重要」と答え、「とても＋まあ」では、9割前後が重要性を感じていました。実際に、その理由を聞いてみたところ、「その人を通じて自分の知らない・気づいてない点を聞いたりできるし、親以外の人からの教えも大切だと思うから」「いろいろなことを教えてもらえることはよいこと」「地域に育ててもらえることはありがたい」という、子どもの成長の助けという声が多かったものの、「身内としか会話ができないと社会生活がうまくできない」「親以外の大人とのかかわりは、社会生活の大切な接点だと思うから」という、社会性を育むことに注目している回答も見られました。
保護者も、「子どもだけの世界では学べないことがある」ということを意識しているようです。

【図2　お子さまは友達付き合いが上手だと思いますか？】

具体的に「上手ではない」の中身を聞いてみると、「決まった友人以外の人と接するのが苦手のようです」「友達の言いなりになっていると感じることがある」など、積極的になれない、上手に断る、お願いするということができないというものと、「気持ちを言葉で表すことが苦手なため、言いたいことの半分も言えなかったり勘違いされたりでなかなか友達ができにくい」など、表現することがまだうまくできないというものが目立ちました。