《落ち着きがなくて心配な子》に家庭でできる対策は?【親野先生アドバイス】

うちの子は落ち着きがなくて、授業中に迷惑をかけていないか、きちんと話を聞けているのかが心配。少しでも家でできる対策があれば……。そんな保護者のかたに向けて、教育評論家の親野智可等先生から落ち着きのなさが気になる子に対する受け止め方や家庭での接し方のアドバイスをいただきました。

この記事のポイント

参観日や面談の前に、保護者に知っておいてほしいこと

親から見ると落ち着きがないと感じる子も、意外と周囲には「元気がいい」「好奇心が旺盛」と見えていることがあります。個性ととらえて、よい面を伸ばしていく視点は大切。そのうえで、できることを考えていきましょう。

特に子どもの落ち着きのなさへの心配が高まるのが授業参観や面談です。
でも、授業参観日というのは、多かれ少なかれ、どの子も落ち着きがなくなり普段の様子とはクラスの雰囲気も異なります。その日の様子だけを見て心配することはありません。

また、個人面談や三者面談などで先生から授業中の態度について「落ち着きがないですね」と指摘されて慌ててしまうこともあります。
この場合も、先生には「家でも言い聞かせます」と応じたとしても、あとはおうちのかたの胸にしまって。「先生に言われて困っちゃった」「ダメじゃない」などと、責めるような伝え方は控えてほしいと思います。

子どもにしてみれば、先生のせいで親に叱られた、先生は自分を否定的に見ていると感じてしまいます。「恥ずかしかった」「ちゃんとしなさい」などと言うのも避けて。おうちのかたに対して、自分を認めてくれない、守ってくれないというマイナスの気持ちが芽生えてしまいます。

子どもが授業に集中できなかったり、落ち着かない時には、いくつかの理由や対策が考えられます。
まずは、先生に相談してみたり、同じクラスの保護者や友達にそれとなく話を聞いてみたりして、焦らずに情報を集めながら対策を考えていくといいでしょう。気質や性格を押さえ込んだり変えようとしたりするのは、本人にとっても親にとっても難しくつらいことです。

それよりも、個性や状況を知り、より負担なく、楽しく過ごせるようにする工夫を見つけることをめざせるといいですね。
前向きな気持ちで見渡すと、ヒントが見つかるかもしれません。なかには専門家のサポートが必要な場合もあるので、状況に改善の兆しが見えない、おうちのかたの精神的な負担が大きいような時は、学校との連携や相談窓口なども利用してみるとよいかもしれません。

集中できないのは授業の進度が合わないから?

子どもの理解力や興味のある事柄には個人差や個性があり、本来は最適な教え方や進めるスピードなども個々に異なるものです。しかし、学校では、数十人の子どもが同じ授業を受けるため、どうしても理解力に差がついてしまいます。授業のスピードについていけない、興味が持てないという子どもが、授業に集中できないのはしかたないことでもあるのです。

一方で、集中できない子どものなかには、塾や家庭学習で勉強を先取りし、授業で聞く内容は既にほとんど知っているというケースもあります。

理解できない、興味が持てない授業を受け続けるのは子どもにとって苦痛ですから、家庭でフォローできるといいですね。そのために、子どもが授業をどう感じているのか、どこが苦手なのかを考えてみましょう。

苦手を見つけたら、教科書や学年をさかのぼって最初につまずいたポイントを探します。
分数ができない子はわり算が苦手で、実はかけ算もしっかり頭に入っていないということがあります。この場合、かけ算から覚え直すことで、その先の勉強がずっと楽になります。どういうサポートが必要か、先生と相談してもいいでしょう。

また、授業に関心が持てるように、その話題を日常に取り入れてみることもできます。
子どもの教科書をのぞいて、この先にどんな学習をするのか把握しておきましょう。たとえば「月の動き」を学ぶなら、科学番組や宇宙の仕組みをテーマにした映画、絵本を探して一緒に読んでみる、休日に科学館に行ってみるなど、勉強ではなく楽しい体験として触れておくと、授業中の興味のきっかけになり、理解の助けにもなります。

生活リズムや気がかりも落ち着きのなさの原因に

授業内容にかかわらずいつも落ち着きがない、集中できていないという場合は、環境的・生理的な要因も振り返ってみましょう。
生活リズムが乱れていたり、睡眠時間が短かったりすると、情緒も安定しなくなります。

バイオリズムには個性があり、朝が苦手な子もいます。
午前中に大事な授業が集まっている学校の授業では、その大半をぼんやりと過ごしてしまうことも。日本では朝型がよいとする風潮もあり、本人もつらいところ。本人は、なまけているわけではないので、理解して接することを心がけてください。

子どもは大人と違って「意思の力」で自分をコントロールするのは難しいので、家庭でのサポートが必要です。大人は眠くても会社に行けばなんとかがんばれますが、子どもはこうしたコントロールが効きません。

家庭で食事や睡眠、休息などの生活時間に十分配慮して、なるべく元気に学校に通えるようにサポートしましょう。
朝は力が出ないという子どもには、調子が上向いてくる放課後に家庭学習で授業の復習をするといった工夫もよいかもしれません。

そして、基本的な家庭の役割として何より重要なのは、家庭が子どもの安全基地であるということです。
心配事があると子どもとしては授業どころではなくなってしまいます。友達、先生、習い事など、子どもの心に心配事の芽があったとしても、家庭で共感してもらい、愛情をたっぷり受けることができると気持ちが落ち着き、元気が出てきます。心配の原因を深く探るというよりも、どんな時でもリラックスして過ごせるような環境をつくってあげることを大切にしてください。

まとめ & 実践 TIPS

授業参観や面談で「落ち着きがない」と心配になっても、慌てて子どもに否定的な言葉をかけるのはやめましょう。気になる時は、どんな工夫ができるか考えて。勉強がわからなくて集中できない、授業に興味が持てない、心配事があって気持ちが落ち着かないなど、子どもの状況によってさまざまなサポートができます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。長年の教師経験をもとに勉強法や家庭教育について具体的に提案。
Twitter、Instagram、オンラインサロン「やすらぎの子育て・教育オンラインサロン」、YouTube「YouTube親力チャンネル」、Blog「親力講座」などで発信中。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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