子ども1人の時に、災害や犯罪にあったらどうするか 教えておくべき防災・防犯のチェックポイント

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いつどこで起こるかわからない災害。「うちの子に限って」が通用しにくい犯罪。
そういったことは子どもが1人でいる時に起こる可能性も十分にあり、何か起こった時、または起こる前にどう対処し、どう自分の身を守っていけばよいのでしょうか。
予期せぬ災害や犯罪から子どもを守るために、気をつけておきたいポイントについて、危機管理アドバイザーの国崎信江さんにお話を伺いました。

この記事のポイント

いざ、地震が起きた時にどうするか、教えておこう

まずは「防災」の観点で、どんな危険があるかという「危険の種類」を知っておくと、必要以上に慌てません。また何をすればいいかということがわかっていると、不安が和らぐものです。
たとえば地震が起きた時に、外にいる時は「上から降ってくるものや倒れてきそうなものからは離れる」というのが、防災の基本です。丈夫そうな建物があったら、その中に一時的に避難するのもいいでしょう。
「丈夫そうな建物」の例では、銀行や金融関係のビルなどは、防犯対策という観点からも丈夫であり、耐震性も考慮されているケースが多く、比較的安全です。また子どもが入りやすい場所ということでは、図書館や公民館などの公共的な建物もまた、丈夫なつくりになっていることが多いです。
子どもの行動範囲の中で、「ここだったらいざという時に逃げられそう」と思えるような場所や目安を親子で一緒に確認しておくことで、いざ1人で災害に遭遇した時にも、役立つと思います。

地震以外の災害でも、積乱雲が引き起こす竜巻や突風、ゲリラ豪雨などは突然起こることがあり、予測ができません。そういった事態に遭遇した時も、基本は地震と考え方は同じで、外にいる時には丈夫そうな建物に一時避難する。水害の場合は、浸水する恐れがあるので、できるだけ高い階に避難する。川の近くや用水路の近くは歩かないといったことも、子どもに教えておきたい防災の知識です。

●いざという時の防災チェックポイント

  • □上から降ってきたり倒れてきたりしそうなものはないか
  • □一時避難できそうな丈夫な建物は周りにあるか
  • □水害の場合、高い階に避難できそうか
  • □川や用水路の近くを歩いていないか

突然の災害に対処するための 防災トレーニング

日常的に防災意識を高めるためにも、いざという時に1人で行動できるようにするためにも、日ごろ登下校などで子どもがよく使う道を、おうちのかたも一緒に歩きながら、「ここで地震が起きたらどうする?」と子どもに聞いてみるのが効果的です。「この場所に逃げる」、「こういった所からは離れる」といったことを子ども自身に考えてもらうことで、避難の具体的なイメージがわきます。最初から親が「地震の時はこうしなさい、ああしなさい」と指示するのではなく、子どもが「自分で考える」ということが大切です。自分で考えることで、そういう行動をしないとどういうリスクがあるかがイメージできるようになり、何かあった時に、行動につながりやすくなります。

子どもが1人で留守番している時に災害が起きたらどうする?

子どもが1人で家にいる時に災害が起きた場合は、竜巻や台風の時は窓から離れ、地震の時は、廊下があり、物が置かれていない家であれば、廊下に逃げるのがいいと思います。以前はテーブルの下にもぐるというのが一般的でしたが、食事をするテーブルの周りはテレビだったり、電気ポットだったり、食器棚などもあり、倒れてくる危険性があります。また「もぐる」という動作自体大変ですので、それよりも廊下に出たほうが倒れるものもなく、安全なケースが多いです。
あとは、子どもが1人でいる時に何か起こった時に備えて、頼りにできるご近所さんを日ごろからつくっておくことも大事です。その相手にも「子どもが1人で家にいることもありますので、何かあった時はよろしくお願いします」と事前に一声掛けておくと安心ですね。
また備えとして、オリジナルの防災マニュアルを作っておくことをおすすめします。
我が家も「国崎家の防災マニュアル」を作っていますが、このマニュアルの中には、地震が起きたらまずどのような行動をするか、誰を頼るか、避難するのであれば何をして、何を持っていくかなどを書いています。あとは自分が地震などで閉じ込められた時にどうやって救助を待つか、家族の連絡手段をどうするかなどまで細かく書いています。各ご家庭の状況に合わせて、ぜひ親子で話し合いながら作ってみてください。防災意識を高めることにもつながります。

予期せぬ犯罪に遭遇しないために 今すぐできることは

災害だけでなく、電車の中での切り付けや放火など、痛ましい事件が世の中ではたくさん起きており、自分自身の身を守るということでは、「防犯」の意識もまた、これからもっと高めていく必要があるでしょう。
そういった事件にできるだけ遭遇しないためにも、たとえば電車に乗る時は、まずはホームの立ち位置に気を付ける。ホームぎりぎりに立つと、キャリーケースが当たっての転落や後ろから押されるリスクがあります。また、乗車前だけでなく、乗車中も車内の様子をよく見ておきましょう。

不審者をチェックするポイントは、その人の「目と手」です。不審なものを手に持っていないか、不自然にバックに手を突っ込みながら歩いてくるという場合も警戒したほうがいいです。また目は、何か物色している目、タイミングをうかがっている目というのはずっと様子を見ていれば、違和感を覚えるものです。
「この人恐い」と少しでも感じたら、まずは自分の身を守るためにも、避ける行動をとりましょう。子どもにも違和感がある時は、「避ける」ということを教えるといいと思います。近付かないというのも1つのスキルなので、例えば電車の中でおかしいと思ったら、隣の車両に移るなど、リスクを減らす行動をとるように心がけることが大切ではないでしょうか。

●いざという時の防犯チェックポイント

  • □(電車に乗る場合)ホームの立ち位置は安全か
  • □不審な動きをしている人が周りにいないか
  • □不審者を避けられる場所があるか

まとめ & 実践 TIPS

防災・防犯意識を高めるために、日頃から親子で話し合い「こういった時はどうするか」と考えておくこと、もしもに備えて防災の知識や行動指針を決めておくことが大事だとわかりました。家庭ごとに家族構成や状況も異なるので、我が家の防災・防犯マニュアルを作成しておくことで、いざという時に役立ちそうです。

プロフィール


国崎信江

危機管理アドバイザー、危機管理教育研究所代表。大阪教育大学附属池田小学校の事件をきっかけに、犯罪や事故から子どもを守るための対策を研究。国や自治体などの防災・防犯対策に携わるなど、身近に起きる危険への備えの必要性と実践の提唱を続けている。
https://www.kunizakinobue.com

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