発表会や試合が中止になって悲しむわが子…習い事に対するモチベーションを維持するために親ができること

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習い事をがんばっている子どもの姿を見るのは、親としてとても嬉しいことです。
しかしながら、コロナの影響で発表会や試合などが中止になり、子どものモチベーションが下がってしまうことを心配されているおうちのかたは多いと思います。
そんなとき、子どもにどのような声かけをすればよいのでしょう。

(赤ペン先生 吉田)

この記事のポイント

発表会・試合などが中止になって落ち込んでいるとき

以前、某テレビ番組で、ダンス講師のかたが「練習をしても、子ども達がダンスを発表する場がないので、どうすればよいか」というような相談をしていました。

それに対してあるタレントさんが、「舞台が中止になるかもしれない状況でも、自分達も、稽古はする。たとえ中止になったとしても、稽古したことは、決して無駄にはならない。」というような内容のことを答えていました。

発表会や試合は、子どもにとって、日々の練習を頑張れる一つの目標でもあります。
練習をがんばったのにその成果を発揮できる場がないというのは、非常に残念なことです。

でも、そのタレントさんが、言っていたように、たとえ発表する場がなくなったとしても、努力は人を裏切りません。がんばったことは、すぐにではなくても、何かしらの形で報われます。おうちのかたご自身も、そんな経験をされたことがあるのではないでしょうか。

「今はじっくり基礎を固めて力を蓄えるときだよ。がんばったことは、あなたの宝物になっているよ!」「いつか必ず、がんばってよかったと思えるときがくるよ!」などと、お子さまに力強く言ってあげてください。

また、練習風景を動画に撮って、おじいちゃん、おばあちゃんなど、身近な人に送ってあげるのもよいと思います。頑張っている姿を見ると、元気や勇気をもらえます。
可能であれば、SNSに投稿してみてはいかがでしょう。子どもは、動画を撮ってもらうのが大好きなので、モチベーションのアップにもなるのではないでしょうか。投稿する際には、公開範囲設定など充分に注意しましょう。

意欲がなくなってしまったとき

習い事も、今の状況下では、制限や不安材料が多く、以前のようにのびのびとできなくて、やる気がダウンしてしまうこともあるでしょう。

そんなときは、「小さい目標を立てる」ことをおすすめします。
まず、お子さまが自分がなりたい姿をイメージして、そのためには、具体的に何をすればよいかを自分で考えて決めます。

たとえば、サッカーなら、「○○選手のようになるために、まず、リフティングを30回できるようにする」。ピアノなら、「憧れの曲を弾けるようになるために、毎日1日2回15分ずつ練習する」などです。

決めたら紙に書いて、目につくところに貼っておくと励みになります。実行や達成ができたら、花まるをつけたり、お気に入りのシールを貼ったりすると、自分のがんばったことが、可視化できて、お子さまの自信にもなるでしょう。

また、練習過程を動画に撮って、1日目、3日目、5日目、1週間後…などと編集したものにすると、その成長ぶりが端的にわかります。それを見たお子さまはとても嬉しくなり、次への意欲が湧いてくるのではないでしょうか。

あるいは、野球やダンスなどさまざまな習い事がオンラインでも受けられるので、試してみてもよいと思います。いつもとは違う指導で、目先も変わり楽しくなれるかもしれません。

それでも、お子さまが本当にやめたくて、苦痛になってしまったら、私は、やめてよいと思います。「やめる」=「逃げる」というイメージをもってしまいがちですが、やめることは、決して悪いことではありません。むしろ、“逃げ腰”になったまま続けることのほうが精神的によくないと思います。

習い事は、学校の勉強とは違い、どうしてもしなければならないことではありません。嫌々続けるより、すぱっとやめて、次に進んだ方が建設的です。いつかまた本当にやりたくなったら、そのときに始めても遅くはありません。

親としてできること

娘が小学生の頃、習っていたバレエの先生が、発表会が終わった後に、保護者に向けて話をされたことがありました。

「おうちのかたは、『あそこはもう少しこうしたほうがいいよ。』などとアドバイスをしたくなることがあるかもしれません。でも、まず、『がんばったね。かわいかったよ。素敵だったよ。上手だったよ。』などとたくさんほめてあげてください。勿論、テクニックも大切ですが、バレエを好きでいることがいちばんです。」と。

私は、そのとき、はっとしました。まさに、私は前者だったからです。

日々の練習においても同じことが言えると思います。子どもは、親にいちばん認めてもらいたいのです。応援してもらいたいのです。

習い事は何より「好きで楽しむ」ことです。好きでいたら、親があれこれ言わなくても、必ず「こうなりたい」「できるようになりたい」という主体性が芽生えてきます。その気持ちを応援し、そばで見守り続けることが親の役目でもあると思います。

まとめ & 実践 TIPS

「とても乗り越えられそうにない高くて大きな壁でも、その壁から離れないでうろうろしていたら、ある日、その壁に、通り抜けられる小さな穴を見つけることができるかもしれない。ひびを見つけて、崩すことができるかもしれない。でも、あきらめて、壁から離れてしまったら、それに気付けない。乗り越えられなくても、あきらめないで壁の周りをうろうろし続けることが大切」と、以前読んだ本にこのような内容のことが書いてありました。

もう、本の題名も著者も忘れてしまったのですが、当時、壁を乗り越える元気がなかった私は、本当にこの言葉に救われました。そして、いつのまにか、壁の向こう側に行くことができていました。

まさに、今は、先が見えない“壁”に塞がれているような状況です。でも、あきらめないで、壁から離れないでいたら、いつかきっと視界が開けるときが来ます。お子さまと一緒に、壁の向こう側で笑顔になれる日は来ます。
お子さま一人ひとりにも、そんな希望をもち続けてほしいと切に願っています。

吉田かさね

赤ペン先生 吉田かさね

赤ペン先生歴26年。3年生担当
高校生のとき、進研ゼミを受講していて、赤ペン先生の文字の美しさ、丁寧さ、優しさにふれ、自分もこんなふうにできたらいいなと思い、赤ペンの道へ。日々「『赤ペン』って楽しい!」「次もがんばろう!」と思えるような声かけ・指導を心がけている。
また、続けることで、力がついたと実感でき、自信をもってもらえることが一番の励み。
趣味:読書・舞台鑑賞
自己紹介:ケセラセラ(なるようになる!)
一男一女の母。

プロフィール



赤ペン先生は「進研ゼミ」の選考に合格し、ゼミ独自の研修・教育を通じて、教科の学習内容やお子さまの力を伸ばす指導法などを学んだ人です。 お子さま一人ひとりの解答状況や学習の到達度に合わせて、丁寧に添削・指導いたします。 ※「赤ペン先生」は(株)ベネッセコーポレーションの登録商標です。

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