運動会や試合の日、朝食やお弁当のおすすめメニューとは? 料理家tottoさんに聞きました。

成長期のお子さまに、日々どのような食事をさせるか、工夫を凝らすご家庭は多いのではないでしょうか。とりわけ、運動会やマラソン大会など、学校でいつもより体を動かす場合や、週末にスポーツクラブの試合がある日などは、何を食べさせるかが気になります。

そこで、子どもの食生活の中でも「体を動かす日」について、料理家であり、アスリートフードマイスターの資格をお持ちの黄川田としえさんにお話を伺います。「“totto(トット)”さん」の愛称でも親しまれる黄川田さんは、元サッカー選手である夫の食事を7年間サポート。現在は、世界で活躍するテニスプレイヤーをめざし、日々練習に励む中学生の娘さんを食事面でも支えながら子育てに奮闘する日々だそう。

この記事のポイント

子どもが体を動かす日は、いつもより食事に気をつけたほうがよい?

——いつもより体を動かす日であろうと、いつもどおりであろうと、そもそも一番大切なのは、1日三度の食事を欠かさず、必要なエネルギーを摂ることです。日々のごはんは、子どもの成長の基本。もっとも避けたいのは、一食でも欠かすことです。寝坊して朝を抜くとか、夜の帰宅が遅くて食べられなかったとか、そういうことが増えるとエネルギー不足になってしまいます。
とりわけ成長期のお子さまは、便秘や風邪など体調に変化が出たり、やる気が出ない、疲れやすいなど、影響があるかもしれません。

食べる内容は、おうちでなじみのある家庭料理で大丈夫。子どもにとって食べること自体が苦痛にならないよう、食べやすい食材を使って、パパッと作れるメニューを定番にしておくとよいですね。
運動会やマラソン大会の日は、普段より運動する時間が長い“いつもより頑張る日”です。「お腹が空いて力が出ない」とならないよう、朝ごはんはしっかり食べさせ、笑顔で見送りましょう。

いつもより体を動かす日の「朝ごはん」は「一品で完結するメニュー」がおすすめ

——ごはんにお味噌汁、おかずと、品数が増えると食事時間が長くなり、食の細いお子さまは食べること自体が大変になってしまうかもしれません。だから、ひと皿でいろいろな栄養素が摂れる、子どもが好きな一品メニューがおすすめです。作るのも片づけもラクですよ。

この時、意識するのは「炭水化物+タンパク質」です。炭水化物は、ごはんや食パン。タンパク質は、卵、シラス、鰹節、チーズ、ハム、ちくわ、魚肉ソーセージなどの食材が、朝ごはんに使いやすいです。野菜もできれば添えて。小松菜やほうれん草など、子どもが好きなもので構いません。
余裕があれば、一緒に旬のフルーツを切って加えたヨーグルトを出したり、バナナをヨーグルトと出したり。
フルーツは楽しみの一つなので、あると子どもが喜びます。中でもバナナは一年中、どこでも買いやすく、カロリーもちゃんと摂れる優秀なフルーツです。

わが家では、手軽で栄養バランスもいい「3色丼」を、よく作ります。

ごはんに、鰹節やシラス、前の晩におかずで出したナムルや茹でておいた小松菜をのせます。朝、作るのは炒り卵だけ。仕上げに、海苔やワカメなどの海藻をのせれば完成です。手軽なレシピで、子どももパクパク食べてくれます。

この日は、ごはんに海苔をのせ、シラス、炒り卵、きゅうりとオクラと青シソと焼いたお揚げのナムル。仕上げに、お醤油とごま油を合わせたタレをかけました。

パンなら、オープンサンドがおすすめです。

食パンに、シラス、千切りキャベツ、チーズをのせて焼くだけ。チーズは、のせるだけで味がなじむ便利な食材です。チーズがなければ、シラスとキャベツをマヨネーズであえて焼いても。マヨネーズが苦手なら、オリーブオイルに代えてもいいでしょう。

こちらは、食パンにマヨネーズ、きんぴら、ゆで卵、シラス、溶けるチーズをのせて、オーブントースターで焼いたもの。上に、エディブルフラワーをのせて華やかに。

ちなみに、シラスは塩分が多いので、のせ過ぎにも注意が必要です。たとえば、シラスと炒り卵で半々にしたり、ハムに代えるなど、冷蔵庫のストックと相談して自由にアレンジしてみてくださいね。

「基本の栄養素」をおさえよう

  • 食品に含まれている栄養素は「五大栄養素」と「三色食品群」に分かれます。これらを覚えておくと、バランスも意識したメニューが考えやすいでしょう。

五大栄養素

  • 炭水化物、脂質、タンパク質、無機質(ミネラル、カリウム、カルシウム)、ビタミンの5つ。

三色食品群

  • 五大栄養素の働きから、3つのグループに分けたもの。これらが一つのテーブルにのっていればOKです。
  • 赤:体をつくる(肉、魚、卵、牛乳、乳製品、豆などのタンパク質)
  • 黄:エネルギーになる(米、パン、麺類、イモ類、油、砂糖などの炭水化物と脂質)
  • 緑:体の調子を整える(野菜、果物、きのこ類なの無機質とビタミン)

運動会の「お弁当」は、何がおすすめ?

——私は、いつも子どもたちの好きなものを聞いています。そうすると大体「唐揚げと、たこさんウィンナー!」って、同じリクエストばかりになるんですけれど(笑)。リクエストが揚げものばかりで気になる場合は、揚げ焼きにしてもいいでしょう。

運動会のお弁当って、開けた時に「わぁ!」と嬉しい気持ちになったり、頑張ろうって思えたりする存在であればいいと思うんです。運動会ならではの高揚感を、さらに盛り上げるような、ちょっと特別なお弁当。今年は、家族で囲むことが難しいので、一人用でも楽しい工夫、たとえば旗を立てるなど、普段のお弁当では作らないような凝ったものにしてもいいですね。

たとえばこんなふうに、デコレーションしたお弁当は、子どものテンションが上がります。ごはんに炒り卵で髪の毛と、枝豆のお洋服をあしらって。キュウリで目、口は海苔、白ごまのそばかすを散らして。おかずは、ほうれん草入りハンバーグ、れんこんきんぴら、タコさんウインナー、塩もみキュウリ、紫芋、ミニトマト。

こんな風にタコさんウインナーにはちまきを巻いても楽しいですね。

また、好きなおかずで埋め尽くすのも、子どものリクエストに応えるお弁当ならでは。こちらは、ズッキーニも肉巻きとうずらの卵の照り焼き、かぼちゃのソテー、パプリカのチーズ焼き、紫キャベツのマリネ。

ストックしておくと便利な、子どもが食べやすい食材とは

ーーごはんやパンなどの炭水化物に加え、やはりまずは体をつくる元になるタンパク質。魚、肉、卵、乳製品、豆類などで、定番の、買いやすいものをストックしておきます。

魚なら、のせるだけでいろいろ活用できるシラスが便利です。

鮭やサバを焼いて身をほぐし、混ぜご飯にしても食べやすいでしょう。焼き魚が苦手なお子さまには、竜田揚げなど、ちょっと衣をつけて揚げてもいいですね。

肉は、鉄分も摂れる赤身肉がおすすめ。

特に、豚や牛肉の薄切りモモ肉。肩ロースや、鶏肉ならどの部位でもよいでしょう。豚バラ肉は便利ですが、栄養素としては脂が多い部位なので、わが家ではあまり登場しません。

卵は、調理する方法もさまざまあって便利です。茹で卵にしておけば、おやつに、夕食のサラダに切って添えてと、何かと助かります。
乳製品なら、チーズ。加熱のいらないタイプは、おやつにパクッと食べたり、スポーツの試合の前に食べたり。とろけるチーズなら、オムレツの中に加えたり、ブロッコリーやニンジンなど子どもが食べづらい野菜にかけて焼いたり、味をまろやかにしたい時に加えたり。
豆類は、お豆腐や高野豆腐を常備して、お味噌汁の具材や炒め物に活用しています。たくさん汗をかく時期や、スポーツをしているお子さまなら、海藻類の中でもワカメを常備しておくといいでしょう。おなかの調子を整えてくれますし、汗で流れてしまうミネラル分を補給してくれます。ワカメふりかけも便利ですね。いい出汁が出るきのこ類も、ミネラルと、カルシウムが摂れます。
フルーツは、お楽しみであり、ビタミンが摂れます。旬のものや一年中手に入りやすいものなど、いろいろ用意しておくと、食卓にバリエーションが出ますよ。
旬なら、秋は、ブドウ、梨、りんご。冬は、ミカンなどの柑橘類。春は、イチゴ、さくらんぼ、びわ。夏は、スイカ、桃、ブルーベリーなど。自分で剥いて食べられるものや、皮のままパクッと食べられるフルーツだと、なお便利です。

まとめ & 実践 TIPS

成長期のお子さまは、毎日3度「おいしい!」と完食できることが、一番大切。日々の積み重ねが、運動会など普段より体を動かす日にも、しっかり力を発揮できる心身を育みます。一品でOKの子どもがパクパク食べられるメニューも、身近な食材で作れるものばかり。慌ただしい朝でもトライできそうです。

プロフィール

黄川田としえ

黄川田としえ

料理家・フードスタイリスト・食育インストラクター
子どもと一緒につくる料理教室やワークショップなどを開催する「tottorante」主宰。元プロサッカー選手の夫と大学生の息子、中学生の娘の母で、アスリートフードに関する資格も取得。著書は『毎日のごはんと心地よい暮らし』(宝島社)、『ホットプレートひとつでごちそうごはんができちゃった100』(主婦の友社)ほか。テレビや雑誌、広告などで活躍する。Instagram @tottokikawada

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