部活の試合がある朝のスタミナ切れにならない朝食とは

「健康のためには食事・間食の糖質は控えめにするほうがいい」といった意見も多いなか、運動部の試合・大会など、筋力を使い多くの体力を消耗する際には、やはりエネルギーとなる糖質が必要。育ち盛りの中学生の部活の試合当日の朝は、どんな食事がエネルギーにつながるのでしょうか。

エネルギーになる「糖質」って?

身体のエネルギーになる「糖質」とは、どんなものなのでしょうか。
単純に砂糖や、砂糖を使ったお菓子など「甘いもの」を思い浮かべるかたもいるかもしれませんね。実際、糖質はそのような砂糖などの糖分のほか、ご飯やパン、麺などを代表とする「炭水化物」と呼ばれるものの中に多く含まれるものでもあります。

炭水化物は大きくわけて、「糖質」と「食物繊維」に分類されます。
糖質がエネルギーになるものであるのに対し、食物繊維は消化されずエネルギーになりません。つまり、糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたもの、と考えればよいでしょう。

◎炭水化物=糖質(エネルギーになる)+食物繊維(エネルギーにならない)

糖質は運動をするときのエネルギーとなっている

疲れたときに、よく「スタミナが切れた」という言い方をします。これはなんとなく、イメージで言っているだけなのかもしれませんが、実は体内で起きていることを的確に表している言葉。このスタミナのもととなるのが糖質なのです。

糖質は体内で分解されてグルコース(ブドウ糖)という物質になり、全身に行きわたって脳や身体を動かすエネルギーとなります。ですが、エネルギーは食事を終えて時間が経った後も長い間必要となるもの。すぐに身体からなくなってしまっては困るので、体内で蓄えやすい形に分解され、貯蔵されます。それが「グリコーゲン」という物質です。スタミナ切れは、貯蔵されていたグリコーゲンがなくなってしまった状態だと言えるでしょう。

激しい運動をすると、このグリコーゲンを大量に使うことになるため、運動の前には糖質が多めの食事を摂ると、スタミナ切れになりにくいと考えられています。

試合の日の朝は、こんな食事がおすすめ!

糖質を多めにするとはいえ、糖質のみの食事にするのは間違い。たんぱく質、脂質、ビタミン・ミネラルなどの栄養素もバランスよく摂りたいもの。
ふだん、比較的バランスよく食べることができているのなら、そのバランスは崩さずに。そこにプラスアルファとして、糖質多めの一品を加えてみてはいかがでしょうか。
主食はパンや麺よりは、やはりお米のご飯がおすすめです。腹もちのよさはダントツです。

「糖質多め」とはいえ、おなかがいっぱいになりすぎても調子が悪くなってしまいます。主食は減らさず、おかずは少し加減します。全体で見ると量はいつもと変わらない、という程度でいいでしょう。削るのであれば、脂質が多いものや生野菜などです。お味噌汁やスープに野菜がたっぷり入っているのであれば、野菜はそれで十分です。

試合の朝は、ちょっとしたデザートがあるとよい

「ちょっとしたデザートをつける」という方法もあります。
デザートはバナナやオレンジ、りんごなど、消化しやすいフルーツがおすすめ。さらに、少しだけヨーグルトを添えて、はちみつやジャムをかけるとさらに効率的に糖質が摂れます。スポーツクラブなどでは、みたらし団子などの和菓子をすすめることもあるそうです。和菓子好きなら、一口サイズの和菓子でもいいですね。
一方、脂質が多いドーナツやケーキなどは、あまりおすすめできません。

以上の点に気をつけて、ちょっと糖質多めにすれば、スタミナ切れになることは少ないでしょう。よく噛んでゆっくり食べることも重要。加えて、試合のある日の朝は余裕をもち、落ち着いてトイレを済ませ出かける時間も考えて行動できるといいですね。

プロフィール



管理栄養士。なごやかこどもクリニック、非常勤。月1回の糖尿病・肥満外来で、栄養食事相談を担当。総合病院で学んだ栄養ケア・マネジメント力を生かして、よりよい栄養相談が出来るように努めています。

なごやかこどもクリニック

http://www.nagoyaka-child.net/

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