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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 心とことば
ある日突然、外出先のトイレを怖がり、家に着くまでがまんをするようになってしまいました。
2歳5ヵ月までにオムツはとれ、パンツで過ごせるようになりましたが、ある日突然、外出先でトイレに行けなくなりました。
今まで行けていた場所のトイレや、お友だちの家に行っても、おしっこに行きたくなると、「帰る! 帰る!」と言い出して家に着くまでどんなことがあってもがまんします。1ヵ月以上たっても一向に改善せず、外出も短い時間しかできずに困っています。いやがっていた外出ができるようになったものの、どこへ行ってもトイレのことが気にかかるのか、少し落ち着きがなく、外出先ではべったりで抱っこやおんぶばかりせがみます。
何度も「トイレは怖くないよ、楽しいよ」と言っても、まったく受けつけません。理由を聞くと「お化けが出る」と言ったり、暗い感じがするのがいやだと言います。
繊細なお子さんのようですね。あまりまわりが神経質にならず、たくさん楽しい経験をさせてお子さんの不安を解消してあげることが大切です。
今まで平気だったのに急にある部屋に入ることをいやがるようになったり、トイレを怖がったりすることはあります。その場所とお子さんの不安体験が結びつくとそのような状況が起こりやすくなります。トイレに行けなくなったからといっても必ずしもトイレでいやな思い、怖い思いをしたとは限りません。
例えばお子さんにとって何か怖い思いや不安を覚えるようなことがあったあとに、たまたま外出先のトイレに行ったというような場合があります。怖い思いとトイレが結びつき、次に同じようにトイレに行ったときにそのことが思い出され、不安になることがあるのです。
理解が広がってくるこの時期は体験したことも記憶されていきますので、特に繊細なお子さんは一度気にすると不安が強くなってしまうのです。
ご相談のお子さんは「お化けが出る、暗い感じがする」と理由を言っているようですが、トイレにそういったイメージをもつような何かがあったことも考えられます。怖いお話を聞いたり、何気なく大人が話したことが気になってしまうこともあるでしょう。
外出先でお母さんにべったりというのはかなり不安があるようですね。「ママがトイレに行きたいから一緒にトイレに行ってくれるかな」と誘い、少しずつ慣らしていきましょう。外出はできるだけさせて、不安な気持ちを解消してあげることが大切です。
また、最近は一見トイレとは思えないような広々とした、きれいなトイレもあります。このようなところに、トイレ目的ではなく入ってみて慣れさせるのもひとつの方法かもしれません。
トイレに行かれないことのほかには変わりがなく、お友だちとも楽しく遊べているようでしたらあまり神経質にならないでください。少し時間はかかると思いますが必ず改善されていくと思います。