小学生のゲームはやり方が大事!親子ともにストレスのない「守れるルール」を決めよう

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小学生のお子さまがゲームをしていて、ルールを守らないことはありませんか? そのたびに注意したり叱ったりするのは、ストレスがたまりますよね。子どもも良い気分ではないはず。今回は、そんなご家庭におすすめの、ゲームと上手に付き合っていくためのルール作りのコツをご紹介します。

この記事のポイント

ゲームをしている子どもは9割以上

まずは、小学生の子どもはどのくらいゲームをしているのか、その実態を見ていきましょう。ルール作りをするためには、理解することが大事です。

ゲームをまったくしない子は少ない

2022年に国立教育政策研究所が発表した「全国学力・学習状況調査」※1によると、「ゲームをまったくしない」という子どもは少ないそう。小学6年生でゲームをまったくしない子どもの割合は7.6%しかいません。つまり、9割以上の子どもは何かしらのゲームをしているということになります。

「ゲーム=悪」ではなく、やり方の問題

ゲームには、一般的に悪いイメージがあるでしょう。「成績が悪くなる」といったことは、よく耳にするかもしれません。

東大に合格した人のなかにも、ゲームを一切やらなかった人、プロゲーマーになるほどゲームをしていた人の両方がいます。つまり、ゲームと成績が必ずしも直結しているわけではなく、大事なのは、ゲームを「やるか、やらないか」ではなく「どのようにやるか」なのです。

ゲームにはまるのは当然!だから注意が必要

スマホの普及で、一昔前に比べてゲームはより身近なものになりました。「今までゲームをしたことがなかったのに、スマホゲームはやっている」という保護者のかたもいるはずです。

ゲームはとにかく楽しいもの。子どもたちがはまるのは当たり前です。そこに手軽さがプラスされれば、もっとやりたくなるでしょう。その結果、依存症に陥ったり、視力や健康への影響が出てきたりする危険性も増えます。そうならないためにも、ルールを作り、それを守ることが必要になるのです。

ゲームのルールは親ではなく子どもが決める

ゲームをする際に、ルールを決めている家庭は多いはず。しかし、守れないこともあるでしょう。実は、ルール作りにはコツがあるのです。

自分でルールを決めれば守れる

ルールは、自分で決めた方が守ることができます。これは、ゲームだけでなくさまざまな場面で思い当たるのではないでしょうか? 保護者のかたが一方的に決めたルールよりも、自分で「こうする」と決めたものの方が、守れる確率は高いのです。

ここで気を付けてほしいのは「本当に自分で決めたかどうか」です。たとえば、「子どもはちゃんと『ハイ』って返事をした」というかたがいますが、これは子どもが決めたとは言えない場合が多いです。それは、保護者のかたがそうなるように仕向けていたり、反論できない状態であったりする可能性があるから。これでは、保護者のかたが決めたようなものですよね。

小学生であれば、自分で考えて判断する力も付いてきているはず。30分や1時間といった簡単な時間であれば、低学年でも時計の針で理解することができるでしょう。細かい時間も含めて子ども自身が決めることで、ルールを守れる確率はぐっと上がるはずです。

親の希望を伝える

自分で決めるとなると、好きなだけやろうとする子どもも出てきます。それでは困りますよね。ですから、ルールを決める前に保護者のかたの希望も伝えておきましょう。

希望には、きちんと理由を添えると伝わりやすいです。「目が悪くならないように、長くても1時間にしてほしい」「宿題を忘れちゃうかもしれないから、ゲームは宿題の後にやるようにしてほしい」といった感じに伝えると良いでしょう。「こうしなさい」という命令ではなく、「こうしてほしい」という希望です。

希望を伝えたら、そこから先を決めるのは子どもに任せましょう。きちんと理由を添えて伝えているのであれば、保護者のかたの意見を完全に無視することはないはず。どうしても受け入れてほしい希望があるときも、一方的にならないように話し合いましょう。

柔軟性を持たせてあげる

理想とするルールが親子で大きく異なる場合は、お互いの希望をしっかりと伝え合いましょう。そして、ちょうど良いところを探していきます。

このとき、柔軟性を持たせてあげるのがポイント。たとえば、「平日は30分、土日は2時間までOK」「RPGは1時間、パズルゲームは30分」など、曜日やゲームのジャンルによって時間を変える方法があります。キリが悪くて時間が伸びた場合は、翌日の時間を前借りできるルールにしても良いでしょう。

勉強やお手伝いをがんばったご褒美にゲーム時間を追加するのもいいですね。ベネッセが2022年に行ったアンケート※2では、「週末だけの利用で2時間。勉強30分したらゲームも30分延長!(小2・小4保護者/千葉県)」「お手伝いやプラスアルファの勉強をした時にご褒美でプラス10分する(小4保護者/埼玉県)」といったご家庭もありました。

柔軟性を持たせるためには、保護者のかたもゲームについて理解する必要があります。すべてのゲームをひとくくりにせず、お子さまに理由を聞きながら考えていけると良いですね。そうすることで、お互いが納得できるルール作りができるでしょう。

依存症にならないためには場所のルールも大切

時間だけでなく、場所も決めましょう。特に小学生の場合は、依存症などのリスクを減らすために見守ってあげたいですよね。親のスマホを貸したり、オンラインゲームなどをしたりする場合は、トラブルを避けるためにも見守りが必要です。

場所のルールは比較的守りやすいため、親の意向で決めてもOK。「リビングでやる」「スマホゲームは親のいるところでやる」など、家庭の状況に合わせてルールを決めましょう。「親の目の前のみ使用(小6保護者/埼玉県)」「時間は21時まで。リビングで使用する。1日2時間まで。(小6保護者/千葉県)」といったルールを設けている声もあがっていました。ゲームの充電器をリビングに置く、ゲームはリビングのテレビにセットしておくなど、あらかじめリビングでしかゲームができない環境設定にしておくのもおすすめです。

また、目に届く場所でゲームをやらせるだけでなく、保護者のかたが興味を持ってあげることも有効。「どのキャラクターが好きなの?」「それはどうやって遊ぶの?」など、いろいろ質問してあげてください。オープンに話せる環境であれば隠し事もしなくなり、保護者のかたの不安も少し軽減されるはずです。

守れなかった時のペナルティを決める

ペナルティも一緒に決めておきましょう。これは、ルールを守るためにも必要なこと。決め方はルールを決めるときと同じです。

ペナルティも子どもと一緒に決める

ペナルティも、子ども主体で決めましょう。話し合いながら一緒に決めるのも良いですね。「時間オーバーした場合次の日のゲーム時間が減る。やらなければ増える。(小4保護者/愛知県)」という声も参考に、時間や使い方を守れなかった場合のペナルティを考えていきましょう。「たとえば、守れなかった翌日はゲーム禁止にするのはどう?」など保護者のかたが例を挙げて、決めさせるのも良いでしょう。

よく「捨てる」「もうずっとゲームはしない」というペナルティを作る人がいますが、これはやめたほうがよいでしょう。仮に子どもが「それでいい」と言ったとしても、本意ではないはず。ペナルティは、厳しいから効果があるわけではありません。おもちゃを捨てても片付けるようにならない子どもが多いのは、それだけ効果がないという証拠です。

ペナルティは、現実的なものであるべきです。「次からは守ろう」と反省できて、かつ傷つくことがない、ちょうど良いペナルティを決めていきましょう。

ペナルティは必ず実行する

ルールを破ったときは、必ずペナルティを実行しましょう。これは、現実的なペナルティを作ったからこそできることです。

「捨てる」というペナルティの場合、高額であるゲームを本当に捨てる人は少ないでしょう。多くの場合は、隠したり誰かに預けたりするはず。これは、親も約束を破ったことになります。「一生やらない」というペナルティも、現実的ではありません。子どもが一生ゲームをやらないように見張ることはほぼ不可能だからです。

ペナルティは、必ず実行すること。そのためには、子どもだけでなく親も実現可能であるペナルティを作ることが必要になります。

守っているときは嫌な顔をしない

子どもがルールを守ってゲームをしているときは、文句を言ったり嫌な顔をしたりするのをやめましょう。

ゲームそのものを良しとしない保護者のかたの場合、子どもがゲームをしているだけで不快に思うことが多いです。しかし、そもそも与えた時点で、ゲームをするのを容認したことになります。つまり、文句を言うのはルール違反。「ゲームばかりやって……」「それじゃ勉強できなくなるよ」といった発言は、心にとどめておきましょう。

むしろ、ルールを守ってゲームをしているなら、それはほめられる姿なはずです。

「何度もルールを破ってしまう」ならルールの見直しを

「毎日のようにペナルティを実行している」「全然ルールを守らない」という場合は、ルールに無理があるかもしれません。ペナルティばかり与えるのではなく、ルールの見直しをすることも大切です。

もう一度始めに戻り、「どんなルールなら守れるのか」「本当はどうしたいのか」など、話し合いをしてみてください。お子さまの性格や年齢によっては、精神論だけではうまくいかないこともあります。

守れるルールを作ってきちんと守っていく方が、子どもも自信がつき、親もストレスがたまりません。その方が、上手にゲームと付き合っていけるはずです。

自分の家庭にマッチした「オリジナルルール」を考えよう

学校でプログラミング学習が始まり、Scratchなどで遊びながら勉強している家庭もあるでしょう。それを勉強とするのかゲームとするのかは、家庭によって違うはず。そう、ゲームのルールに正解はないのです。

「宿題が終われば時間制限はなし」「週末は親子で思い切りゲームを楽しむ」「10分やるたびに休憩する」「平日はゲームなしで、土日は4時間OK」など、ルールはさまざま。子どもの性格や年齢だけでなく、きょうだいがいるか、どんなジャンルのゲームをやっているか、親もゲームが好きかなどで、状況は異なります。

世間一般のルールに合わせるのではなく、それぞれの家庭のオリジナルルールを決めるようにしましょう。その方が、ルールを守れる確率が上がり、親子ともにストレスなく過ごせるようになります。

まとめ & 実践 TIPS

ルールが守れないのは、それが無理なルールだからかもしれません。もちろん、ゲームの推奨年齢を確認したり、人を傷つけないようにしたりするために、保護者のかたが口を出す必要はあります。ただその先は、子どもの気持ちも優先してあげましょう。ゲームに対して嫌悪感がある人ほど、歩み寄りの姿勢が大事。親子ともにストレスにならないように、上手にゲームと付き合っていきましょう。

出典:
※1国立教育政策研究所「令和4年度 全国学力・学習状況調査の結果(概要)」
https://www.nier.go.jp/22chousakekkahoukoku/22summary.pdf

※2ベネッセが2022年に行ったWEBアンケート
スマートフォンやゲームの使用ルールはありますか?

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