子どもが読書しないのは、親が原因かも?子どもを読書好きにするためにしたい6つのこと

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読書好きな子どもにしたい・・・と思っていても、なかなかうまくいかないと感じることはありませんか? 実は親がよかれと思ってやっている言動が、読書好きになるのを妨げていることもあるので注意が必要です。NGケースと共に、子どもを読書好きにするための6つのポイントを紹介します。

この記事のポイント

ひらがなが読めるようになったら、1人読みも取り入れよう!

読書に親しむためには、読み聞かせだけでなく1人読みも徐々に取り入れていくのがポイント。ひらがなが読めるようになったら、1人読みを開始させていくと良いでしょう。文部科学省の「子供の読書活動に関する現状と論点」においても、6歳が独立読書開始期となっており、ちょうどひらがなが読めるようになる時期と重なっています。

スムーズな1人読みをサポートしていければ、子どももどんどん読書に興味を持っていきます。とはいえ、ひらがなへの慣れも不十分な段階なので思わぬ壁も存在するもの。その際、子どものためを思ってのアドバイスが逆効果にもなることがあるため注意が必要です。よくある保護者のNG言動と、読書好きにするためのポイントを見ていきましょう。

読む本を親がコントロールするのはNG!本の選び方は子どもの興味をベースにステップアップさせて

1人読みができるようになった子どもにどんな本を読ませればいいのかは、常に頭を悩ませる問題ですよね。保護者としては、有名な児童文学や学びの多い作品を1冊でも多く読んで欲しいと願うこともあるでしょう。

とはいえ、ここに大きなNGが潜んでいるので注意。保護者が読む本をコントロールするのは、子どもに読む楽しさよりも、強制力を感じさせてしまいがちであることを肝に銘じておきましょう。

本の選び方の基本は、子どもが読みたいもの、興味を持ったものを選ぶことです。なぜなら、まだまだ1人読みに慣れていない段階では、好きなものや興味のあるものでないと頑張って読み進めることが難しくなることもあるためです。これは、大人が「仕事に役立つかもしれないから」と難しいビジネス書を読んでも、挫折しがちになるのと同じですよね。

「そうはいっても、いつまでも子どもが読みたいものばかり読ませていたら、偏った読書になりそうで心配・・・」そう思われる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、お子さまの読む力がついてきたと感じられたら、徐々にお子さまの興味のある内容に関しての関連書籍などを紹介していってあげることがオススメです。


昆虫図鑑ばかり読んでいる
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ファーブル昆虫記を紹介:興味分野でレベルを少しあげる
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ファーブルの伝記もレコメンド:関連書籍で別ジャンルに挑戦

このように、無理なくハシゴをかけてステップアップさせていくプロセスをサポートしてあげられるといいでしょう。

また、絵本好きな子どもに関しては、児童文学への橋渡しとして幼年童話をうまく取り入れることがオススメです。

一人読みができるようになっても、ときには読み聞かせを!

子どもが1人読みができるようになったと同時に「もう1人で読めるよね」と読み聞かせをなくしてしまっていませんか? 実は、読み聞かせは親子の信頼関係や愛情を高めるだけでなく、読書習慣作りにも有効なので、ぜひ続けていっていただきたいものです。

読み聞かせの読書習慣形成への効果は、データとしても示されています。文部科学省の平成30年度「子供の読書活動推進計画に関する調査研究」報告書によると、「小学校中・高学年の頃に読み聞かせをしていた家庭の子どもは、その他の場合に比べて本を読んでいない子どもの割合が少ない」という結果が紹介されています。
ここから、1人読みができるようになっても、読み聞かせを活用するのが読書習慣をつけるポイントといえるでしょう。
ある程度、1人読みができるようになってきてからの読み聞かせでは、親子で交互に読み合ったり、保護者が途中まで読んだうえでその後子どもに1人読みさせるといった工夫をすると良いのではないでしょうか。

つまみ食い読書もOK! 精読にこだわりすぎない

読書をするなら、最初のページから最後のページまで全部読まなきゃダメ! そんなふうに子どもに話していませんか? 一言一句漏らさずに読むのは、大人でも苦労するもの。ましてや、子どもにはハードルが高く、読書への抵抗感を増してしまうものです。

大切なのは、子どもが興味を失わないようにサポートすること。お子さまが読むのに苦労しているようなら、目次を活用して、おもしろそうなところから読んでみたらと声をかけてもいいでしょう。つまみ食いのような読書が気になるかもしれませんが、興味のあるところをつまみ食いすることで、前の部分から改めて読んでみたり、時間をかけて行きつ戻りつしながら1冊読んでしまえたりすることもよくあるものです。精読にこだわりすぎないようにしましょう。

読後の声かけでアウトプットを促してみよう!

インプットしたことは、アウトプットすることでより定着しやすくなるものです。その意味でも、お子さまが読書した際に読ませっぱなしにするのはもったいない!読んだ内容を深めたり、知識を定着させるチャンスを逃してしまうこととなります。

そうならないためにも、お子さまの読後は「どんな話だったの?」「面白かったのはどんなこと?」など、振り返りができるような声かけができるといいでしょう。テストのような緊張感のある問いかけではなく、自然にカジュアルに普段の会話の延長のような雰囲気でできるといいですね。お子さまも肩肘はらずに理解を深めたり、自由な発想で想像力を養うことに繋がるでしょう。

読書タイムを設けて習慣づけを!

1人読みができるようになったからといって、本だけ与えておけば自動的に読むようになるわけではありません。読書好きにするためには、まずは読書習慣をつけることが大切です。

勉強時間の最後や寝る前、夕食後など読書のタイミングはいつでもOK。できれば、保護者も一緒に本を読む時間にできると、無理なく習慣化していくことができるでしょう。

読書タイムを設けなかったり、保護者も読書もしなかったりするのに「なんで本を買ってあげたのに読まないの!」と注意するのは、理不尽なものです。読書習慣は、家族でつけていくようにしましょう。

まとめ & 実践 TIPS

子どもを読書好きにするには、子どもの興味をベースにすることが基本。保護者は、コーチのような役割であると心得ておきましょう。読書好きにする5つのポイントとNG言動を押さえて、お子さまを読書好きにすることはもちろん、読解力を養成し、未来を生き抜く幅広いスキルと知識を身に付けられるようにしてあげたいですね。

出典
子供の読書活動に関する現状と論点
文部科学省生涯学習政策局青少年教育課(2017年8月1日)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/040/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2017/08/15/1389071_005.pdf

文部科学省・平成30年度「子供の読書活動推進計画に関する調査研究」報告書
https://www.kodomodokusyo.go.jp/happyou/datas.html

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