サンタさんからのクリスマスプレゼント 子どもの夢を壊さないための選びかた・演出のしかた [スーパー保育士のお悩み相談]

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「おもちゃ箱をひっくり返したような」という言葉がありますが、ご家庭のおもちゃ箱をひっくり返すと、まさに数えきれないほどのおもちゃが出てくると思います。
お店でもらえる小さなおもちゃ、子ども雑誌の付録、お子様ランチのおまけ、ファストフードのセットのおもちゃ・・・。子どもが「誰かから何かをもらう」という機会はもう毎日のようにあります。
そんな子どもでも、誕生日のプレゼントとクリスマスプレゼントは別格です。その日にもらえるプレゼントは、子どもにとっては、まさに「特別なもの」。親もそれを知っているだけに、そのときのプレゼント選びには頭を痛めます。
まもなくやってくるクリスマス、どんなふうにプレゼントを選べばよいのでしょうか?
「スーパー保育士」と呼ばれ、現在は子育てに関する研究・執筆・講演活動を行っている原坂一郎さんが3つのポイントについてアドバイスします。

この記事のポイント

1.ズバリ!《一番ほしいもの》を子どもに聞く

子どもは、誕生日とクリスマスのプレゼントには、「ほしいけれど、普段は買ってもらいにくいもの」を望んでいるものです。親としても、それが何かが知りたいものですよね。そんなときは子どもの口から聞くのが一番です。普段の中で、突然でいいので、さりげなく「○○ちゃんはクリスマスには何がほしいのかなあ」と他人事のようにして聞くといいでしょう。

本当にほしいものがある子どもはそのときサッと答えます。しばらく考えてから言う子どもは、ほしいものがないのではなく、ふいの質問に迷っていただけ。考えたあとに出てきた答えが、やはり「今ほしいもの」です。

「その《ほしいもの》が、予算内に収まらないとき」、「子どもはほしいかもしれないけれど親は与えたくないもの」、「考えても出てこなかったとき」にお勧めなのが、《ほしいものリスト》作りです。

2.《ほしいものリスト》の中から選ぶ

12月になると、「クリスマスプレゼントカタログ」のようなものが新聞の折り込み広告として届いたり、デパートや家電量販店などの店頭に置かれていたりするでしょう。
そのカタログを子どもに渡して「ほしいもの」すべての周りを囲むように〇をつけさせ、それを切り取って、紙やノートにのりで貼り、オリジナルの「ほしいものリスト」を作るのです。
親子一緒に作ってもよいでしょう(〇ではなく、□で囲むと子どもは切り取りやすい)。
この作業は楽しく、夢もあり、中にはそれでもうほしいものをすべてゲットしたような気持になる子どももいます。

子どもは毎日眺めるだけでもうれしく、親はその中から、予算やその他の条件を考えながら、その中からどれかを選べばいい、というわけです。
どれを選んだとしても、子どもにとっては「ほしいもの」には違いないので喜びますよ。

3.親が《子どもに与えたい》と思うものを選ぶ

クリスマスは、子どもが欲しがるものを与えるのではなく、親が与えたいと思うものを、という考えが最近広がっています。
小さな子どもなら木のおもちゃや知育玩具、小学生ならば地球儀やキーボードなど、この機会に触れてほしいものを与えるというわけです。
子どもも、「サンタさんが選んでくれたもの」ということで納得する場合が多いようです。

でも、「欲しかったものをもらえなかった」ということで悲しがったり、中には私の娘のように泣いて抗議し、10年経った今もそのときことを「悔しかった思い出」として話したりすることもあるので、心からはおすすめできないところもあります。
そういうプレゼントは、クリスマスに与えるのではなく、普段の中で子どもに何か「いいこと」があったりしたときに、ちょっとしたご褒美として与えると喜ぶ、と言う人もいます。

クリスマスプレゼントの演出でおすすめの方法

クリスマスプレゼントは、やはりサンタさんからの贈り物として夢といっしょに与えたいですよね。
《クリスマスの朝、子どもの枕元に置いておく》という伝統的なやり方が、やはり一番簡単で、子どもに夢を与える方法でしょうか?

その際、さらに子どもの夢を広げるおすすめの演出方法は……

  • ・いかにもサンタさんが来たように、部屋の窓を少しあけておく
  • ・「いつもよい子でいましたね。いつも空からみていましたよ。サンタクロースより」などと書いたカードを添えておく。
  • ・空に向かってサンタさんにお礼を言わせる

サンタクロースの存在に半信半疑だったような子どもも、これでサンタさんのことを再び信じるようになること請け合いですよ。

子どもの夢を壊さないために、クリスマスプレゼントを用意するときの注意点

サンタさんを信じている子どもの夢を壊さないために、プレゼントを用意するときに注意すべきなのは以下のようなことでしょう。

  • ・包装紙や袋は、特定のデパートやお店のものとわかるものを避ける
  • ・添えるカードは、見慣れた親の文字だと、バレてしまうことがあるので、活字にする

でも、中には、とっくにサンタさんの正体は親だと知っている子どもが、親の夢を壊さないよう信じたフリをしてくれる子どももいるようですよ。

まとめ & 実践 TIPS

クリスマスの思い出は、子どもは一生忘れないものです。
仮にそういう演出をしないで、子どもと一緒にお店に行ってプレゼント選びをするような場合でも、「選ぶのが遅い」「どうせ大切にしない」「普段言うことを聞かないくせに」などの《お小言》は決して言わないようにし、その買い物が親子の笑顔のふれあいタイムになるようにしてくださいね。
子どもが大人になったとき、そのときに買ったおもちゃは忘れても、そのときの楽しかった親子の触れ合いは、決して忘れていないものです。
今年もそんなクリスマスになることを願っています。

プロフィール


原坂 一郎

KANSAI こども研究所所長。23年間の保育所勤務時代には、どんな子どもも笑顔になるユニークな保育が注目され「スーパー保育士」と呼ばれた。現在は「こどもコンサルタント」として、子どもおよび子育てに関する研究・執筆・講演活動を全国で展開している。

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