しつけはクイズ形式にするとうまくいく! 子どもの前で大人がゴミのポイ捨てをしたときは? [スーパー保育士のお悩み相談]

50年前も今も、母親の子育ての悩みのNO1は「しつけについて」ということをご存じでしょうか。「しつけは何歳から?」「子どもって、どうやってしつけたらいいの?」いつの時代も、母親は我が子のしつけのことで困っています。
確かに親は子どもをしつけないといけません。でも、その方法は各家庭でまちまちのようです。もちろんそれでよいのですが、間違ってはいけないのは、しつけは決して叱ることではない、ということです。
子どもの虐待の事件が起こった時、その親はよく「しつけのつもりでやった」と言います。しつけを「叱ること」と思っていると、虐待まで行かなくとも、それに近い状態になってしまうこともあります。
しつけとは、ひと口に言うと「教えること」「伝えること」です。正しいことを伝え、こうすべきだと伝えていく……それがしつけなのです。
今回は、大人も子どもも楽しくできる「しつけ」をご紹介しましょう。

しつけはクイズ形式にする

「赤信号では渡らない」「ごみのポイ捨てはしてはダメ」……、守るべき社会のルールを、親は子どもに一生懸命教えます。でも、一歩外に出ると、そういう基本的なルールすら守れない大人が実に多いことに驚かされます。困るのが、子どもと一緒にいる時に、そういうルール破りの大人を目にした場合です。
でも、実はそんな時こそが、楽しくしつけができるチャンスなのです。どうするかと言えば、クイズにするのです。

たとえば、赤信号なのに渡ってしまった人がいたとすると、「さあ、あの人は何かを間違えてしまいました。何を間違えたでしょうか」。すると子どもは「信号が赤なのに渡っちゃった」などと、喜んで「正解」を答えます。「ピンポーン! 大正解」。子どもは大喜びします。

目の前でたばこやゴミのポイ捨てをした人がいたなら、それを見せないようにする必要はありません。またまたクイズの出番です。「あの人は、ゴミを道路に捨てちゃったけれど、本当はどこに捨てないといけないでしょうか?」。すると子どもは「ゴミ箱!」と笑顔で答えます。
なぞなぞ遊びやクイズでは、子どもは「正解」を言えるととても嬉しく、言えた時は必ず笑顔になります。もしも答えを言えなかった時は、それはそれでよいチャンス。そこで改めて、「信号は青が《進め》、黄色は《注意》、赤のときは必ず止まるのよ」と教えればいいのです。

子どもと街を歩くと、そんなクイズをするチャンスはたくさん出てきます。クイズをするたびに、子どもにとっては親子の楽しい触れ合いタイムにもなり、親にとってはあくまでしつけの一環であったとしても、子どもにはお出かけの楽しみのひとつになるかもしれません。

3択で「しつけクイズ」

「玄関で靴を脱ぎ散らかす」「食べる姿勢が悪い」「テレビを近くで見すぎる」……。日々の中で、子どもに「これはやめさせたい」「もっとこうしてほしい」と思うことはたくさんありますよね。そんな時も、しつけを「叱ること」と思っている人は、その口からはただの叱り言葉しか出てこない場合が多いもの。そんな時も「しつけクイズ」の出番です。
今度はどうするかと言うと、悪い見本と良い見本を子どもの目の前でやって見せ、子どもに「正解」を当てさせるのです。

たとえば、玄関で靴を脱ぎ散らかす子どもには、突然でもよいので、「さあて、クイズです」と言って、「靴を脱ぐ時は、どれが正解でしょうか。1番!」と言って、脱ぎ散らかすパターンをやって見せ、そのあと「2番!」と言ってから、きちんと靴を揃えます。クイズというのは3択が面白いので、「3番」として、たとえば脱いだ靴を重ねるなど、子どもが笑える「間違い」も用意しておきます。そうすると、子どもは必ず元気よく「1番!」と言うので、「ピンポ~ン!」と楽しげに言ったあと、「次からはそうしようね」と言えばよいのです。

食事の姿勢を正したいときも同じです。「ごはんを食べる時は、どの姿勢がいいでしょう。1番!」と言って、猫背にして食べたり、横を向いて食べたりし、「2番」で、正しい姿勢の見本を見せます。そして3番は、やはり笑いを誘うようにし、お茶わんを頭の上に乗せて食べたりします。子どもが「2番」と言ったなら、「大正解!」と言ってから、その場で同じ姿勢をさせればよいのです。

まとめ & 実践 TIPS

クイズ形式にすると、「鞄の中がいつもぐちゃぐちゃ」「おもちゃや本を出しっぱなし」といった、日々「しつけたいと思っていること」を楽しく教えていくことができます。改まっていく確率は、ただ叱っただけの時よりも、数倍は上がり、その効果は抜群です。
また、そうやって教えてもらったことはいつまでも印象深く心の中に残り、将来、自分の子どもにも同じように教えるようになるかもしれません。
子どもに何かをしつけたい時には、ぜひクイズ形式にして、みなさんならではの楽しいクイズを作ってくださいね。

プロフィール

原坂 一郎

原坂 一郎

KANSAI こども研究所所長。23年間の保育所勤務時代には、どんな子どもも笑顔になるユニークな保育が注目され「スーパー保育士」と呼ばれた。現在は「こどもコンサルタント」として、子どもおよび子育てに関する研究・執筆・講演活動を全国で展開している。

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