すぐに母親に甘えてくる[スーパー保育士のお悩み解決]

「どこに言ってもママ、ママ。トイレにまでついてくる」
子どもに好かれるのは嬉しいのだけれど、いつも「ママ、ママ」で困っていると言うお母さんは多いものです。
「甘えてくるのはかわいいけれど、どこまで甘えを受け止めていいのかわからない」とおっしゃるお母さんもいます。
でも、子どもがママに甘えてくるのはすべて、「ママ、だ~い好き」というメッセージなのです。

「ママ~、靴下はかせて~」
と言って、子どもが甘えてきたとき、あなたはどうしていますか?
「もうっ!、自分ではけるでしょう!?」
「ママ、忙しいからできないの」
なんて言っていませんか?
確かに、ひとつでも用事を減らしたい忙しいときに、あれやって~、これもやって~と甘えて来られると、そう言いたくなりますよね。
「子どもを甘やかすことになるから」とおっしゃる方もいつかもしれませんね。
でも、子どもは、人を見て甘えているのです。
誰にでも甘えているわけではないのです。
もしもお子さんが、お母さん以外の人、たとえばあなたのママ友や、たまにしか来ないあなたのお兄さんや妹さんにも、すぐに甘えに行くようなら、問題があるかもしれません。
でも、「甘えに行くのはいつも母親」というのならば何も問題ありません。
それどころか、母子関係はいたって良好と言えます。

子どもは自分の甘えを受け止めてくれるという信頼のある人にしか甘えません。
今までの人生で、その実績が一番ある人は・・・、そう、母親です。
生まれたその日からきょうまで、自分の甘えや要求をすべて受け入れてくれ、困った時に何でもしてくれたのはお母さん・・・、だからお母さんに甘えるのです。

おじいちゃんやおばあちゃんにはどうですか。
子どもにはそれまでの経験で、「おじいちゃんは甘えを受け止めてくれるけれど、おばあちゃんはダメ」などと、よく知っています。だからおじいちゃんおばあちゃんとで甘え具合も変えていたりすることがよくあります。

 でも、いつも「ママ、ママ」では、ママの体はいくつあっても足りませんよね。甘えん坊になりすぎても困るしで、最近は甘えてきても、放っておく・・・、というお母さんも中にはいるようです。でも、そんなことが続くと、せっかく獲得した子どもからの絶大なる信頼感と、「ママ、大好き」という母親への愛着を、自ら手放すことになることもあるので注意が必要です。
 たとえば、「ママ、絵本読んで~」と言ってきたときに、「ママ忙しいの」と言って読まないでいたり、「靴下はかせて~」と甘えてきたときに、「自分ではきなさい」と突き放したりすることが続くと、子どもはお母さんのことを「甘えても無駄な人」と思うようになり、もう本を読んでもらいたくても、何かをしてほしくても、ママを飛ばして、いきなり違う人のところに行くようになるかもしれません。確かにそうなればお母さんの体はラクになるかもしれませんが、なんだか寂しいですよね。
 自分に甘えてくるのは子どもに愛されている証拠、誰よりも信頼されている証拠、と思って、子どもの甘えは、できるだけ受け止めてあげてほしいと思います。
 甘えると受け止めてくれる・・・その信頼感があるからこそ子どもは我慢を覚え、たまに受け止めてくれないときや否定されることがあっても、平気でいることができるのです。
 愛する親に、たっぷりと甘えを受け止めてもらい、自分は愛されているという自信を絶えず持ち続けることができた子どもは自尊心も高まり、やがてギャングエージと呼ばれる8歳になったころ、スムーズに親から離れて友達の世界に入っていくようになるのです。

プロフィール

原坂 一郎

原坂 一郎

KANSAI こども研究所所長。23年間の保育所勤務時代には、どんな子どもも笑顔になるユニークな保育が注目され「スーパー保育士」と呼ばれた。現在は「こどもコンサルタント」として、子どもおよび子育てに関する研究・執筆・講演活動を全国で展開している。

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