子育てに取り入れたい『プレイフルシンキング』で、子どもの「やってみたい!」「知りたい」が生まれる

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ドキドキワクワクしながら新しいことに挑戦するための思考法『プレイフルシンキング』というワードをご存じでしょうか? アメリカの幼児教育番組「セサミストリート」の制作現場で発想を得て生まれたその言葉は、知っておくと日々の子育てにも生かせるかもしれません。そこで今回は、幼児教育とデジタルメディアの関わりを長年研究されている愛知淑徳大学の佐藤朝美先生に「プレイフルシンキングとはどういうものなのか?」詳しくお話を伺いました。

【プレイフルシンキング】できるかどうかではなく、どうやったらできるのか?を考える

「プレイフル」とは、物事に対して没頭して夢中になっているワクワクドキドキした心の状態のこと。単純に楽しいのとは少し違い、知的好奇心や興味のスイッチが入って、夢中になってチャレンジしているような状態を指します。そして「プレイフルシンキング」は、プレイフルな状態を生み出すための思考法のことを指します。
2020年夏に「プレイフルシンキング」改訂版を出版された上田信行氏は「Can(できるかどうか)で考えるのではなく、How(どうやったらできるか)で考え、自分の周りの環境を最大限に活(い)かせば、ワクワクする学びの場を創り出すことができる」と語っています。

※参照元:https://www.advertimes.com/20200925/article323700/
※書籍:「プレイフル・シンキング」https://www.amazon.co.jp/dp/4883354938/

何か課題に直面したとき、つい「自分にできるかな? 難しいかな?」と考えてしまいがちではないでしょうか。プレイフルシンキングでは、できるための方法を考えることから思考が始まるため、「できない」と決めつけたり諦めたりすることがありません。また、物事を前向きに捉えるポジティブな姿勢で課題に取り組むことは、成長にもつながります。では、具体的にどのように考えていけばよいのでしょうか?

マインドセットを見直すだけで、プレイフルに考えられる

「マインドセット」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? その人の人生経験から形成された思考パターンや考え方のことを言います。簡単に言うと、思考するときの無意識のクセのようなものです。研究では、マインドセットには「固定型」と「成長型」の2種類に大きく分かれると言われており、それがやる気や行動にも影響を与えると考えられています。

・固定型マインドセット

能力はもともと決められており、変わらないという考え方。たとえば、勉強ができる子どもは生まれながらにその才能があるため、能力がない子どもはどうがんばっても追いつけない、というような思考パターンのことを言います。このような考え方のクセがあると、どんなにがんばっても無理だという無力感や、やる気のなさにつながってしまう可能性があります。

・成長型マインドセット

人は必ず成長する、自分の努力次第で能力も変えられる、という考え方です。このタイプは、失敗したり挫折したりしても、どこがいけなかったのか、次はどうすればうまくいくのかと自らを前向きに省みるので、未来の自分に生かしていくことができます。こうした「自分は変われる」という考え方は、失敗してもくじけない強い心や困難を乗り越えようとするやる気につながっていきます。

この成長型マインドセットこそがプレイフルシンキングへの第一歩です。ポジティブに物事を捉え、「やればできる」と考えるほうがなんでも前向きにがんばれますし、自分の将来の可能性を感じることができるので、成長へのエンジンになります。お子さんが常に「やればできる」という気持ちを持てるよう、おうちの方自身も成長型の子育てマインドセットを持って接していけるとよいですね。

まとめ & 実践 TIPS

子どもにとって「楽しい」は学びの根源になるものです。ワクワクする気持ちが「もっと知りたい」「やってみたい」につながっていきます。お子さんがプレイフルシンキングを身に付けるためには、まずはおうちのかたがプレイフルにお子さんに接することが大切かもしれません。プレイフルシンキングでおうちのかたの子育ても、お子さんの学びもワクワクした楽しいものにしていきたいですね。

プロフィール



愛知淑徳大学人間情報学部准教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程、情報学環助教、東海学院大学子ども発達学科を経て現職。教育工学、幼児教育、家族内コミュニケーション、学習環境デザインに関わる研究に従事。日本子ども学会(理事)。オンラインコミュニティ「親子de物語」で第5回、「未来の君に贈るビデオレター作成ワークショップ」で第8回、「家族対話を促すファミリー・ポートフォリオ」で第11回キッズデザイン賞を受賞。

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