反抗期の子どもが話を聞かない! 思春期でも伝わる声掛けのポイントとは
- 育児・子育て
反抗期のお子さまとどう接してよいか悩む保護者の方は少なくありません。「注意しても、「うるさい!!」と言われ、聞く耳をもたれず、「まったく伝わらないなぁ……」と途方にくれることも多いかと思います。こんな時は、どうしたらよいのでしょう。
「かおりメソッド」の提唱者で保護者に向けた家庭教育講座を開講している岩田かおりさんに、思春期の子どもと接する上でのポイントについて聞きました。
子どもの気分が乗り、心が開いているタイミングで前向きな声かけと体験談を
思春期は、心が閉じているときと開いているときに態度が大きく異なります。「私(保護者)の言葉をまったく聞いてくれない」と感じている保護者のかたもいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。思春期の子どもは、ホルモンのバランスにより反抗的な態度を取ることもありますが、機嫌がよく心が開いていることもあります。まずは心が開いているタイミングを見計らって、声をかけることが大切です。
反抗期の子に、細かく注意をしたり「きちんと勉強しているの?」と疑ったりすると、すぐに話を聞かなくなってしまいます。大切なことは、「最近、頑張っているね!」「たくさん勉強していてすごいな」などのポジティブな声かけを意識することです。
さらに、保護者自身の体験談を伝えることで、子どもが励まされることもあります。例えば、勉強に追われている時には、「テスト前に勉強をしていたけれど、いつの間にか眠ってしまって、朝焦ったことがあったのよ!」など自分の学生時代の話をしますし、友人と比べて劣等感を抱いていそうなときには「『全然勉強していない!』といいながら、テストで高得点を取っている子がいたんだよね」などよくあるエピソードで盛り上げるのもよいでしょう。
子どもの資質も多様ですし、子育てに正解はないので「〇〇をしたら大丈夫!」という解法は存在しませんが、お子さまとのコミュニケーションの基本は「相手のタイミングを見る」ということです。保護者のかたも忙しいので余裕がなくなってしまうこともあると思いますが、特にお子さまの関わり方に悩んでいる場合には、言葉をかける前に目の前の子どもの様子を忘れずに観察してみてください。
子ども自身に「自分が本当にしたいことか?」を考えさせる
「子どもがずっと友達と電話をしているのですがどうしたらいいですか?」などの相談を最近よく受けます。長時間電話やチャットをしているのを目にすると心配になってしまいますよね。しかし、もしかしたら、子ども自身も「もう切り上げたい」と思っているかもしれません。友達との空気を壊したくないために、「終わろう」と言い出せないケースもあるのです。まずは、お子さまの目線に立ち、事情を理解しましょう。
その上で、先ほどお伝えした子どもの心が開いているタイミングで少し話をしてみます。「相手の子を付き合わせたり、逆に自分が本当は切りたいと思っていたのに切れなかったりしたことはない?」と尋ねてみるとよいでしょう。
子ども自身が友達と話したいと思っていたのならば、それ以上は何も言いません。
しかし、「実は、切りにくかったんだよね」と子どもが打ち明けてくれば、「親が怒っているからそろそろ切るね」「バッテリーがなくなりそう」などの理由をつけて切り上げる方法もあるよとアドバイスをします。
「私も話を切り上げたいときにはそんなふうに伝えるよ。そうしないと、したいことができなくなっちゃうからね」など保護者の視点を交えることも有効です。
写真:セミナーで講演する岩田かおりさん
失敗は子どもにとって大事な成長の機会になる
失敗は子どもにとって、大事な経験です。スマートフォンの使い方も夜ふかしも、自分で失敗してみて気づくことがあるでしょう。心配になったり不安になったりする気持ちも理解できますが、保護者は子どもが相談をしてきたら話を聞くくらいのスタンスでいて指示や管理をし過ぎないことが大切です。
また、学習面において、苦手分野や弱点がある子は多いでしょう。そういった場合にも保護者に頼るのではなく、学校の先生や友達に聞ける力がなければこれからの社会を生き抜いていくことが難しくなってしまいます。保護者が子どもの問題を解決するのではなく、つまずきを子ども自身が課題を主体的に解決できる力や失敗から学ぶ姿勢を育てていくチャンスに変えていきましょう。そのためにも、保護者が自分自身の失敗談を話し、考えるヒントを提供することなどが重要です。
もし子どもに相談をされた際には、「私ならば、数学の先生に相談するかな」「部活動の先輩に教えてくださいとお願いしたこともあるよ」などご自身の意見や体験を課題解決のヒントとして伝えます。子どもが自分で考え、必要な行動を取れるようサポートしていくことができるような親子関係になれば、日々のお悩みがずっと軽くなっていくでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
思春期の声かけは、心が開いているタイミングで行うことがポイントです。その際には、「頑張っているね!」というポジティブな声かけや保護者自身の体験から励ましにつながるような会話になればお互いの気持ちが楽になります。
時には、友達付き合いなどにより生活リズムの乱れが気になることもあります。その際には、子どもに「本当にやりたいことはなんだろう?」と気持ちを確認します。子ども自身も改善したいと思っている場合には、「私ならばこうするよ」と押しつけにならない程度の軽い表現でアドバイスを伝えましょう。
自身の課題を自分で考えて解決する経験は、大切な学びです。保護者のかたは、自分自身の失敗談を気軽に提供してみるなどして、子どもが主体的に課題解決に動けるようサポートをしていけるとよいでしょう。
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