子どもを叱りすぎる自分を変えたい[教えて!親野先生]
- 育児・子育て
教育評論家の親野智可等先生が、保護者からの質問にお答えします。
今回は、小3男子のお子さまをつい叱りすぎてしまって、自分を変えたいという保護者のかたからの質問です。
質問
私は夫に「子どもを叱りすぎだ」と言われます。また、「しっかりしつけなければ。○○を直さなければ。○○ができるようにさせなければ」などの気持ちが強すぎるとも言われます。確かにその通りで、自分でも変わりたいのですが…。(小3 男子 いりごま さん)
親野智可等先生からの回答
拝読しました。
確かにおっしゃる通りで、「子どもをしっかりしつけなければ。○○を直さなければ。○○ができるようにさせなければ」という気持ちが強いと、どうしても否定的な言葉で叱ることが増えます。
すると、子どもの自己肯定感が下がりますし、親子関係も悪くなってしまいます。
ですから、日頃の心がけとして「親として○○しなければ」ではなく「この子と幸せに暮らそう。一緒に仲よく生きていこう。お互い1人の人間同士として楽しく付き合おう」くらいの気持ちでいた方がいいと思います。
この方が気が楽になって、心のゆとりが出てきます。
子どもと日々向き合う上で、このゆとりほど大切なものはありません。
こういう気持ちでいれば、子どものありのままを受け入れて、その可愛らしさを心から楽しめるようになります。
すると、子どもとは実に素晴らしい人たちであることがわかってきます。
本当に純粋で美しくて、エネルギーに満ちあふれていて、摩訶不思議で神秘的ですらあります。
こういう気持ちでいれば、親も毎日楽しくなってきますし、子どもを否定的な言葉で叱ることも減り、肯定的な言葉が増えてきます。
今現在のように、「親として○○しなければ」という気持ちが強いと、そういった子どもたちの姿を味わうことは難しいと思います。
実際、私が過日話を聞いたAさんという人は、こう言っていました。
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マイペースでだらしがない娘が、人の目にどう映るか気になって、毎日叱ってばかりいました。
「親がダメだからだと思われないか?」と気持ちがあったからです。
でも、心の中には「こんなことしていてはいけないな。娘がかわいそうだ」という気持ちもありましたし、叱り続ける自分にも嫌気が差していました。
それで、ある夜、無心に眠る娘の寝顔を見て「ダメな親だと思われてもいい。この子のペースに付き合おう。この子と自分の気持ちを大切にして生きていこう。どうせ他人には何も分からない。他人が責任を取ってくれるわけでもない。だから、この子と毎日楽しく幸せに生きていこう」と決意しました。
こう決意してから、憑き物が落ちたように気持ちが楽になり、だんだん叱ることが減りました。
今ではほとんど叱らなくても済んでいます。
実際やってみると、そんなに叱らなくても何とかなるものですね。
どう思われてもいいと開き直ったのがよかったと思います。
以上がAさんのお話の大略です。
ぜひ、参考にしてみてください。
最後に私の経験で言わせていただきます。
子どもには生まれつきの資質がありますので、苦手なことを叱り続けてもよい芽は出ません。
例えば、マイペースな子を叱り続けてもムダです。
生まれつきのライフリズムは簡単には変わらないからです。
間に合わない時は手伝ったりやってあげたりしてあげてください。
大人になればそれなりに何とかするから大丈夫です。
マイペースな子は穏やかで優しいことが多いので、それで良しとしよう。
短所を叱り続けていると長所も消えてしまいます。
このように、苦手なことには目を瞑りつつ、先に伸ばし易いところから伸ばしてあげることが大事です。
つまり、その子が好きなことや得意なことを応援してたっぷりやらせてあげることです。
そうやって自分の世界を深掘りしていけば、子どもは自分に自信がついて生き生きしてきます。
また、一つのことで自信がつくと他のこともがんばれそうな気がしてくるものです。
大切なことをもう一度言いますが、伸ばしやすいところを伸ばすのと同時に、苦手なことに目を瞑ることが大切です。
目を瞑らないと、「好きなこと・得意なこと」も伸び悩みます。
私ができる範囲で、精一杯提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
みなさんに幸多かれとお祈り申し上げます。
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