子どもの生き抜く力を育てる! 指示待ち人間にならないためのポイント

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一人で生き抜いていくためには、自分で考えて行動しなければならない場面もあります。大人になった時、この力が育っていないと困ってしまうことも。その中でも今心配されているのが、言われないと動けない「指示待ち人間」。自分の子どもがそうならないためには、どうしたらよいのでしょうか。

この記事のポイント

子どもたちの間で増えている「指示待ち人間」

「指示待ち人間」という言葉を知っていますか? 保護者のかたや先生など、周りの人に言われないと何もできない人のことです。たとえば、こんな特徴があります。

・家族が食事を食べ始めても動かず、「食べていいよ」と言われて初めて食べ出す
・トイレに行きたいのに、「トイレは? 行く?」と言われないと行けない
・保育園や幼稚園で「何をして遊べばいい?」と聞いてくる

周りを見れば動くことができる子どももいますが、それすらできない子どももいます。大人の指示があるまで、動くことができないのです。もちろん、年齢の低さや発達の特徴、性格が影響しているお子さまもいますが、このような「指示待ち人間」が増えていることも事実です。

もちろん、宿題や歯磨き、着替えなど、子どもが面倒だと思うことは言われるまで動かなくても当たり前です。ここで問題なのは、それ以外の場面。トイレや食べることなどの欲求や生理的なこと、遊びなどの楽しいことまで自分で決められないのは、少し心配です。いずれ、子ども自身が困ってしまう可能性もあります。

子どもを指示待ち人間にしてしまう関わり方

大人の「良かれと思って」の行動。これが、お子さまを指示待ち人間にしてしまう可能性もあります。

・先回りして指示してしまう

「子どもの安全のため」と、何でも先回りして手や口を出してはいませんか? もちろん、危険なことに対しては必要な行動です。しかし、「失敗しないように」「嫌な思いをしないように」と、すべてのことに先回りする必要はありません。

時には、失敗したり悲しい思いをしたりすることも大切。その経験から学ぶこともたくさんあります。保護者のかたとしては心配で仕方のないことでも、あえて手を出さずそっと見守ることも必要なのです。

・子どもに常に何かをさせようとしてしまう

習い事を毎日入れたり、ぼーっとしていたら「ぼーっとしてないで何かしたら?」と言ってしまうことはありませんか? 「何もしない時間」は、悪いものではありません。むしろ、この時間がなくなってしまうと、子どもは考えることができなくなってしまいます。

ぼーっとしている時間は、何もしていないわけではありません。過去のこと、これからのことなど、いろんなことを考えている時間です。大人から見て子どもが活動していないからといって、無理に何かを詰め込む必要はありません。

子どもが「考える」ことができるようにしよう

お子さまが指示待ち人間になっている場合、すぐに「自分でやりなさい」と任せても困ってしまう可能性があります。そんな時は、少しずつ自分で考える経験をさせてあげるようにするとよいでしょう。

・子どもに選択させよう

何かを質問する時、「何にする?」と言って決められるのであれば問題ありませんが、これだと困ってしまう子どももいます。そんな時は、選択制にしてあげましょう。「〇と△どっちがいい?」と聞けば、決めるのは難しくありません。少ない選択肢でも、「自分で決めた」という経験が大切です。

慣れてきたら、選択肢を増やしたり、お子さまに一から決めてもらったりしましょう。

・相談をしてみよう

何でもいいので、子どもに相談を持ちかけてみましょう。「昨日のカレーが余ってるんだけど、どんな料理にできるかな」「おばあちゃんの誕生日、どうやってお祝いしようか悩んでいるんだよね」という感じです。

よいアイデアが浮かぶかもしれませんし、「うーん、浮かばない」という答えが返ってくるかもしれません。でも、結果はどちらでも大丈夫。自分で考えて答えるという経験が大切です。だから、どんな結果であっても相談に乗ってくれたことに対して「ありがとう」とお礼を言ってあげましょう。

・ちょっと離れて放っておこう

放っておくということも大切です。何もしていない時間は、子どもが考えている時間。ここで大人がおもちゃを与えてしまったりすると、考える時間を奪ってしまうこともあります。

もしかすると、子どもは次に何をして遊ぼうか考えているところなのかもしれません。その時間を大切にしてあげましょう。もちろん、放っておくといっても危険のないように見守ることは必要。もし「何すればいい?」と助けを求めてきたら、先ほどの選択肢を使ってみてもよいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

大人から見ると、指示待ち人間は育てやすい子どもともいえます。しかし、いつまでも保護者のかたが隣にいられるわけではありません。いずれ、自立する日がきます。すべてに手を差し伸べるのではなく、時にはそっと見守ることも子育てには必要なのかもしれません。

将来生き抜く力をつけるために、子どもに「ぼーっとする時間」をしっかり与えてあげましょう。

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